閉じる
奥 白 根 山 丸沼口

2015年(平成27年) 10月21日(水)


コース・タイム
 宇都宮(6:00) ⇒ 丸沼ロープウエイ駐車場(7:30-朝食)  ロープウエイ山麓駅(8:00) ⇒ ロープウエイ山頂駅(8:15)
  出発(8:20) → 七色平分岐(8:55) → 奥白根山頂(10:20-30) → 避難小屋(11:30) → 稜線(12:00) → 五色沼分岐(12:10) → 五色沼(12:35) → 弥陀が池(13:10-軽昼食-20) → 避難小屋(14:05) → ロープウエイ山頂駅(14:25) ⇒ ロープウエイ山麓駅(14:40)
 駐車場(14:45) ⇒ (中禅寺湖畔から細尾交差点まで渋滞) ⇒ 宇都宮(17:00) 

同行者
 単独

 奥白根山 は,私の最も好きな山の一つだ。特に地理的に近いこともあって,残雪期から秋まで良く 登っている。記録を取り始めた1999年から前回まで 14回 登っているが,この全てが 菅沼登山口 からの往復だった。
 今回,初めて 丸沼登山口 から ロープウエイ を利用して登山することにした。
 天気予報を信じて今日の登山を決めたのだが,宇都宮を出発するときには上空は厚い雲 に覆われていた。日光に近づくに従って雲は薄くなり,前方に 男体山 の姿が見えるようになった。

 いろは坂上部の, 明智第二トンネル を抜けたところから 奥白根山 の頂上が見える。今日は,雲も被らずにはっきりと見えた。山頂も良い天気だ。


 金精道路 を上っていき, 石楠花平 を過ぎたところから,正面に 金精山 が見える。山頂の 笈吊岩 が荒々しく迫ってくる。


 丸沼の ロープウエイ駐車場 には,7時30分に着いた。周囲の紅葉が朝日を受けて輝いている。


 この時期, ロープウエイの始発は8時 だ。車の中で朝食を食べ,身支度をして待った。
 チケットの発売開始が7時50分。早速購入してロープウエイの乗車口に並んだ。  ロープウエイが登っていく方向から日が差してきた。眩しい。


 ロープウエイの開始を待つ行列は10人ほど。私は列の 先頭 だ。このロープウェイには観光客も多いのだが,さすがに,この時間にロープウエイに乗 る人は,例外なく 登山者 だ。列に並んで待つ間にも,駐車場には車が次々と到着し,登山の支度をしているのが見 える。平日なのに意外に登山者が多いことにおどろいた。
 ロープウエイで少し登ると, スキー場 が見渡せる。周囲の カラマツ がきれいに黄葉している。中央左奥の山は 四郎岳 だ,右の峠を越えると尾瀬に行ける。


 ロープウエイが最後の急斜面を登ると,正面に 奥白根山 が見えてくる。

 ロープウエイ山頂駅 の駅舎を出ると正面に 奥白根山 の大きなシルエットが浮かぶ。  靴紐を締め直し,身支度を調えて,登山に出発した。


 登山口には, 二荒山神社 が祀られている。日光二荒山神社の分社なのかな?

 登山道の入口には シカ除けの扉 がある。
 ここの シカ除けネット は,戦場ヶ原などのネットとは少し意味合いが異なる。ロープウエイを運営している 「丸沼高原リゾート」 という会社が,ロープウエイの 観光客 のために,山頂駅周辺に高山植物を植えた ロックガーデン を作っている。その植物を守るためなのだ。 シラネアオイ,コマクサ,ツガザクラ などを積極的に増殖しており, シラネアオイ は白根山の登山道周辺にも移植している。


 不動岩 までの登山道は,自動車も通れる広い道だが,そこを過ぎると,いよいよ山道になる。
 登山者が多いことを示しているのだろうか, 道は良く踏み固められ  歩きやすい。はやる心を抑え,マイペースを心がけてスローペースで歩いた。ロープウ エイの開始を待っていた10人ほどの登山者とは,ほぼ同時にスタートしたのだが,次々と追い抜か れ,私はその集団の 最後尾 になった。


 出発して30分ほどで 大日如来 に着く。如来とは, 真実の世界から生まれた覚者 を指し, 大日如来,釈迦如来,薬師如来 などが知られている。 大日如来 太陽 を表しており,常に 山岳修練の中心に位置づけ されている。ここ白根山でも大日如来を中心に諸仏諸尊が祀られ,古来から修行研鑽の場 所となってきた。

 大日如来の少し先に, 七色平への分岐 がある。


 高度が上がる(2200m)につれ, ダケカンバ が増えてきた。ダケカンバは既に葉を落としているので登山道は明るい。

 更に高度が上がる(2350m)と, 森林限界 が近づき,樹高は低くなる。


 森林限界 に到達した。(2400m)


 ここからは 大小のレキが転がる登山道 だ。ゆっくりと,一歩ずつ慎重に登る。それにしても良い天気だ。風もなく,薄いシャツ 一枚でも寒くない。


 登山道は傾斜を増し, ザレた斜面 が,歩きにくい。歩幅を狭め,つま先で地面を蹴らずに,足の平全体で歩くようにすると 足が流れない。


 振り返ると, ロープウエイの山頂駅 とロックガーデンが見えた。あそこから歩いてきたんだ。


 山頂 が見えた。既に多くの登山者で賑わっている。


 山頂では, 記念撮影の順番待ち行列 ができていた。少し待って,写真を撮ってもらった。


 山頂から,自宅に電話しようと,携帯電話のスイッチを入れたが,やはりここは 圏外 だった。弥陀が池方面に行った隣のピークからは電話が繋がることは分かっていたのだが, 今日はそこへは行かない。
 人混みは好きではないので,早々と山頂を後にして,避難小屋方面に向かった。 やや広い窪地は 古い噴火口 で,雪解けの一時期だけ水が溜まり 「釜沼」 を作る。


 古い噴火口の縁を廻って, 正面に小さく見える標識 のところから避難小屋方面に下っていく。


 この角度から見る 日光連山 は新鮮だ。右から, 男体山,大真名子山,女峰山,太郎山


 少し下ると。 五色沼 が見える。五色沼は,外輪山と中央火口丘の間(火口原)に水が溜まった 火口原湖 で,湖水の流出口はない。


 ダケカンバ の右奥のなだらかな山頂が 前白根山 だ。


 五色沼避難小屋  冬期に日光湯元から登る登山者は,ここで宿泊する。

 今日は,ここから 前白根山 に登ってから再び 五色沼 に下って, 弥陀が池 を廻って下山す ることにした。
 避難小屋の裏から外輪山の尾根に向かって少し登ると,たくさんの 赤い実を付けたナナカマド が可愛いかった。


 外輪山の尾根 に着いた。右方向に進むと,白根隠し山に行く。

 シャクナゲ が花芽をたくさん付けていた。来年が楽しみだ。


 正面が 前白根山  そこまで行くはずだったのだが,右側の谷からガスが湧いてきた。このコースは良く知 っているコースなので,例え視界が遮られたとしても心配はないのだが, 前白根山は諦めて ,ここから 五色沼 に下ることにした。


 五色沼に下る 分岐

 五色沼への下りは急斜面だ。沼に着く手前に 水場 があるはずなのだが,水が涸れていたのか,気づかずに通り過ぎてしまった。


 五色沼 まで下った。


 奥白根山 を見上げる。見上げると高さが圧縮されて見えるので,あまり高く感じない。


 五色沼 を半周し,振り返って 前白根山方向 を見た。背後から雲が湧いてきている。


 五色沼 から 弥陀が池 までは,約100mほど登らなければならない。これが,疲れた身体には意外と堪える。
弥陀ヶ池 に着いた。他に登山者は居なかった。


 弥陀が池 からは,まず, 座禅山 との鞍部まで登る。その後は 急な下り になる。約45分で 七色平避難小屋 に着いた。ロープウエイが開通してから利用者が少なくなったためか,やや痛みが激しい ようだ。


 不動岩 まで戻ってきた。もう少しだ。


 シカゲート まで戻った。


 山頂 にはたくさんの登山者が居て混雑していたが,その後は 静かな山歩き を楽しむこと ができた。
 実は,前日まで腰が痛くて,立ったり座ったりが辛い状態だった。回復してきていたの で,登山はできるだろうと考えて登り始めたのだ。腰の状態によってはいつでも引き返すつもりだっ たのだが,幸運なことに腰の痛みは最後まで出なかった。
 ロープウエイの乗り場から, 奥白根山 を振り返った。朝はシルエットだった山体に陽が当たりきれいな姿を見せてくれた。均整 のとれた美しい姿だ。


 急傾斜を下るロープウエイから スキー場の全景 が見える。


 駐車場 に戻ったのは14時40分。身支度を解いて駐車場を出発したのが14時45分。 紅葉期 だが,日光方面に向かう車は普通に流れていた。車は対向車の方が多かった。
 金精峠,竜頭の滝とスムーズに走れたが, 中禅寺湖畔の二荒山神社前から渋滞が始まった。 鳥居前から裏通りに入ったが,ここも渋滞していた。いろは坂は意外とスムーズに流れた が, 細尾の交差点 でまた詰まった。
 清滝から日光道路に入り,日光口PAで自宅に電話した。
 菅沼の駐車場から2時間15分で自宅に着いた。いつもより15分ほど多くかかっただ けだった。
 自宅について車から降りたときの方が腰は痛かった。

 ページトップへ