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尾  瀬 キャンプ下見

2016年(平成28年) 7月4日(月)-5日(火)


コース・タイム
7月4日(月)
 宇都宮(4:10) ⇒ 戸倉駐車場(5:40-車1台デポ-6:00) ⇒ 大清水駐車場(6:10-30) ⇒(シャトルバス)⇒ 一ノ瀬(6:45)
  一ノ瀬(7:00) → 岩清水(7:40-45) → 三平峠(8:30) → 三平下(9:05-10) → 長蔵小屋(10:42-打合せ・昼食-11:04) → 沼尻(11:58-12:07) → イヨドマリ沢(13:19) → 弥四郎小屋(13:48-打合せ・泊)
7月5日(火)
 弥四郎小屋(6:52) → 赤田代(7:23-35) → 平滑の滝(7:50) → 三条の滝(8:39-49) → 赤田代(9:51-10:00) → 弥四郎小屋(10:28-34) → 竜宮小屋(10:57-11:10) → 牛首三叉路(11:45-54) → 山の鼻(12:28-打合せ・昼食-13:25) → 鳩待峠(14:36-38) → 鳩待峠駐車場(14:41)
 鳩待峠駐車場(14:44) ⇒(シャトルバス)⇒ 戸倉駐車場(15:10) ⇒ 大清水駐車場(15:20-車回収-30) ⇒ 宇都宮(17:40)

同行者
 M先生,S先生

 8月初旬に, 中学生 を30人ほどガイドして 尾瀬 に入る。そのため,今日は学校の先生方と下見に行く。本番では2泊3日で回るところを, 1泊2日で回るので,あまりゆっくりもしていられない。1日目は, 大清水 から入って, 長蔵小屋 で打合せをして, 弥四郎小屋 まで行ってそこに泊まる。2日目は, 三条の滝 を往復してから 鳩待峠 に出る計画だ。

7月4日(月)
 できるだけ朝早く行動開始したいので, 戸倉駐車場 に6時30分集合で,車を1台デポし,もう1台で 大清水 に向かうことにした。宇都宮から戸倉まで2時間と見て,自宅を4時少し過ぎに出発した。 宇都宮 を出ると直ぐに雨が降り始め,何とも憂鬱な気分になったが, 金精トンネル を抜けると雨も上がり,青空も見え始めた。途中でS先生の車に追いついたが,私の車を 駐車場にデポするので,追い越して先に行かせてもらった。早朝は車が少なく,2時間かからないで 戸倉 に着いた。私の車を戸倉の駐車場に入れ,靴を履き替えて準備をしていると,S先生の車 も到着したので,それに乗せてもらい, 大清水 に向かった。
 大清水 から 一ノ瀬 まで シャトルバス の運行が始まった。当日の中学生も利用する予定なので,その打合せをして,私たちもバ スに乗った。シャトルバスは,あくまで先着順と言うことで, 乗車の予約はできない が,乗車することが分かっていれば配慮はしてもらえる。一ノ瀬まで12分で着く。歩け ばたっぷり1時間はかかるところなので,大助かりだ。

 一ノ瀬 で身支度を確認し,歩き始めた。途中で, 冬路沢に架かっている橋 を渡るのだが,以前から痛みが激しかった。いよいよ危険と言うことで  仮橋 が架けられていた。


 順調に,ほぼ標準タイムで 三平峠 まで来られた。

 ここから下り坂になる。下り傾斜の木道は,濡れていると非常に滑りやすくなる。十分 に注意をして歩かなければならない。
 途中に ミヤママタタビ の花が咲いていた。白い小さなかわいい花だ。


 このカラマツソウは,葉がモミジに似ているので, モミジカラマツ という。

 ミズバショウ は,白い花(包)は終わり,中央の が育っていた。これは栄養価が高く,ツキノワグマの大好物だ。


 三平下 に下り,トイレを確認して 長蔵小屋 を目指した。
 早稲沢湿原 には, 展望デッキ が作られている。写真撮影の絶好ポイントだ。でも,今日の 燧ヶ岳 は半分以上が雲の中だ。


 ニッコウキスゲ が咲いていた。例年ならば,ニッコウキスゲの最盛期はもう少し先なのだが,今年は雪解 けが速く,最盛期も前倒しになるらしい。


 本番では, 長蔵小屋 に1泊する。そのために,タイムスケジュールとか部屋割りとかの打合せをして,当日宿 泊する 別館 を見せてもらった。私は,昨年も泊まっているので,よく知っているのだが,先生方は初 めてなので確認してもらった。
 打合せを終えて, 休憩所 に移動し,昼食を食べた。
 今日は,計画より早い時間で進んでいる。あまり急ぐことはないのだが,長蔵小屋を後 にして 沼尻 に向かった。
 一昨年の冬に,雪のために壊れてしまった 大江川橋 は,しばらく仮橋のままだったが,立派な橋が完成していた。

 大江湿原を渡りきったところから振り返り, 大江湿原 のシンボルツリー 「三本カラマツ」 を見た。


 樹林帯に入ると直ぐに, シカの進入を阻止するためのネット が張られ,ハイカーが通過するための ゲート が設置されていた。このゲートには扉は設置されていないが, 足下に鉄製の グレーチング が設置されている。人は自由に通過できるが,シカは 蹄が挟まってしまうため に歩くのをいやがるのだ。

 もともと,尾瀬に ニホンジカ はいなかったのだが,冬の雪が少ないときに,日光から山を越えてやってくるのだと言う。 数年前に, 宇都宮大学の小金沢教授のグループが,シカに発信器を付けて追跡し明 らかにした。 現在は,燧ヶ岳の裾を回って尾瀬ヶ原にまで侵入している。このネットは,燧ヶ岳から大 江湿原に侵入するのを阻止するためのネットなのだ。
 コバイケイソウ


 コバイケイソウの花を拡大


 沼尻 には休憩所があったのだが,昨年(2015年)の9月に, 火災で全焼 してしまった。土台のコンクリート杭だけが残っている。電源を母屋からもらっていたト イレも使用できなくなってしまったのだが, ソーラーパネル を設置することで電源をまかない,今年 6月から再び使えるようになった。


 ハクサンシャクナゲ  花は終わりに近かったが,まだ十分にきれいだ。


 ハクサンシャクナゲ アズマシャクナゲ の見分け方はいろいろあるのだが,葉身が葉柄に付くところで区別するのが分かりやすい。 ハクサンシャクナゲでは,写真のように,ほぼ直角に交わっているが, アズマシャクナゲでは流れるように繋がっている。

 尾瀬では, ナガバノモウセンゴケ が固有種として有名だが, ナガバノモウセンゴケ と在来の モウセンゴケ の交雑種と言われる サジバノモウセンゴケ もある。この写真は サジバノモウセンゴケ と見ていいだろう。


 14時前に 弥四郎小屋 に着いた。直ぐにでも打合せをしたかったのだが,担当者が外出していると言うことで, 待たされた。それぞれの小屋から人を出して共同作業をしているのだ。今日は, 燧裏林道の補修工事 をしているという。
 1時間ほど待っていたのだが,外出している人の帰りが遅くなると言うので,とりあえ ず他の人に打合せをしてもらった。

 今日は,入浴は3時30分から,夕食は5時30分から。


 一時は強く降った雨も止んだので,夕食後にカメラを持って外に出た。
 小屋から原の方に200mほど進んだところに ナガバノモウセンゴケ の大きな群落がある。


 サワラン  尾瀬では アサヒラン と呼んでいる。


 トキソウ  今の時期の尾瀬を代表する花の一つだ。


 ウラジロヨウラク


 夜半 からまた雨が降ってきた。降ったり止んだりだったが,一時は,屋根に当たる雨粒の音が かなり大きくなった。周囲が明るくなっても,雨は降ったり止んだりだった。

7月5日(火)
 朝,少しずつ明るさを増した窓の外を見ると,正面に見える 至仏山 も,大半が雲で覆われていた。

 雨の止み間 に外に出た。太陽が昇るだろうと思われる, 燧ヶ岳の左肩 が明るくなり,雲に切れ間が見えた。


 至仏山 は,相変わらず,大半が雲の中だ。


 尾瀬でも珍しい クロバナロウゲ  漢字では 黒花狼牙 と書く。花の色は黒と言うより随分赤い。尖った花びらの先を狼の牙に見立てて付けた名 前だ。雨でぐっしょりと 濡れていた。


 オゼヌマアザミ は,尾瀬の希少種だ。


 部屋に戻って朝食。  ご飯をおかわりしてしっかりと食べた。今回も,体重が増えて帰宅することになるのだ ろう。


 雨も,降ったり止んだりを繰り返しながら,少しずつ小降りになっていった。そこで, 予定通りに 三条ノ滝 に行くことにした。
 予定の7時より少し早く小屋を出ることができた。私は,カッパの下だけを着てスター トした。
 温泉小屋の手前に,大きな オオウバユリ があった。まだ蕾だが,咲いたら豪華だろう。


 平滑ノ滝  今年は水量は少ない。


 足元のぬかるみに難渋しながらも,赤田代から1時間で 三条の滝 に着いた。やはり今年は水量は少ない。
 見晴台に10分ほど居て,再び来た道を戻った。


 オゼタイゲキ  秋には真っ赤に紅葉する。


 弥四郎小屋 に戻り預けておいた荷物を持って, 山ノ鼻 に向かってスタートした。


 振り返ると, 燧ヶ岳 の勇姿


 未の刻に咲くという ヒツジグサ  小さく可愛い。


 希少種  オゼコウホネ


 逆さ燧 も,風で水面が波立ち,きれいに写らない。


 弥四郎小屋から約2時間で 山の鼻小屋 に着いた。キャンプ当日の昼食について打合せをしてから,私たちも昼食を食べ, 鳩待峠 に向けて出発した。
 少し痛んでいるが, ショウキラン


 山の鼻から約1時間10分で 鳩待峠 に着いた。鳩待峠はかなり濃いガスの中だった。ことしから,休憩所前の広場は 車の乗り入れが禁止され,静かになった。


 かつて,シャトルバスが待機していたところには土が入れられ,苗木が植えられていた。 自然に戻す活動が始まった。


 戸倉に行くシャトルバスは,峠の 少し下の駐車場 から出る。ハナマメソフトを食べながら駐車場まで歩き,シャトルバスに乗った。 戸倉第1駐車場 で私の車に乗り換え,S先生の車が置いてある 大清水 に向かった。
 大清水で二人の先生と別れ,帰途に就いた。金精峠,いろは坂を通って宇都宮を目指し たが,平日と言うこともあって車は少なく,スムーズに走ることができた。
 この時期の尾瀬は,雨に降られることは普通だが,行動中にはひどい雨にはならず,予 定通りの下見をすることができた。

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