閉じる
尾 瀬 (学校キャンプ下見)

2017年(平成29年) 7月3日(月)-4日(火)



コース・タイム
7月3日(月)
 自宅(4:30) ⇒ 学校(4:45-5:00) ⇒ 戸倉第一駐車場(7:20-25) ⇒ (タクシー) ⇒ 大清水(7:40-8:00) ⇒(シャトルバス)⇒ 一ノ瀬(8:10)
  一ノ瀬(8:20) → 岩清水(8:55) → 三平峠(9:45-50) → 三平下(10:15-25) → 長蔵小屋(11:10-打合せ・昼食-12:25) → 沼尻(13:30-45) → 見晴弥四郎小屋(15:35-打合せ・泊)
7月4日(火)
  弥四郎小屋(8:00) → 竜宮(8:35-50) → 牛首三叉路(9:40-45) → 山の鼻小屋(10:30-打合せ・昼食-11:25) → 鳩待峠(12:35)
 鳩待峠(13:03) ⇒(シャトルバス)⇒ 戸倉第一駐車場(13:26) ⇒ 湯元(14:30) ⇒ 学校(15:55) ⇒ 自宅(16:15)

同行者
 Y先生,A先生

 宇都宮市内にある この私立中学校 では,毎年8月に2年生が 尾瀬キャンプ を実施している。私がかつてその学校に勤務していたこともあって,毎年そのガイドを頼 まれている。今回はその 下見 のために,中学校の先生二人と 尾瀬 に行ってきた。 梅雨前線 の活動が活発になってきて,天気予報は良くはなかったのだが,当日の 雨への対応訓練 にもなるので出かけることにした。
 第一日(7月3日)
 宇都宮市内の学校に集合し, A先生の運転する車 で,尾瀬に向かった。宇都宮を出ると きには既に雨が降っていた。金精峠付近では,雨は ほぼ上がっていたのだが,峠を下るに従って再び 雨が強くなってきた。宇都宮から2時間20分ほど で 戸倉第一駐車場 に着いた。こんな天気なので,停まっている車は少なかった。

 戸倉第1駐車場から, 大清水 までタクシーを利用した。 路線バス もあるのだが,ダイヤが限られていて,うまく利用できない。 シャトルバス としての営業ではないので,一般タクシーと同じく メーター制 で料金が請求される。大清水まで 3,910円 だった。ジャンボタクシーなので,数人で乗れば,一人当たりの料金はそれほど高くはな らない。


 大清水 からは, 一ノ瀬 まで シャトルバス が営業している。当日は,生徒にも利用させるので,その申し込みをしてきた。予約がで きるわけではないのだが,30分おきのダイヤの他に,可能ならば ピストン輸送 してくれるというので,お願いしてきた。
 一ノ瀬 には休憩所があり,売店も営業していたのだが,今年から 売店の営業はしない ことになったという。シャトルバスが往復するようになって,売店を利用する人が少なく なったのが原因らしい。
 戸の閉まった売店の前で身支度を調え,出発した。まず,立派なコンクリート製の橋を 渡る。かつて 福島県と群馬県を結ぶ観光道路 が計画され,その一部になるはずだったところだ。


 橋を渡った先から山道に入る。しばらくは 冬路沢 に沿って登る。いつもは澄んだきれいな水が流れている冬路沢は,今日は濁流が流れてい る。


 冬路沢を越えるこの橋は,傷んでいたので,昨年秋に 新しく作り替え られた。

 岩清水で,再び,工事が中止された観光道路に出る。ここには外来園芸種の エニシダ が咲いている。路肩を固めるために,意図的に植えられたらしい。


 白いブラシのような花は, ウワミズザクラ だ。サクラの花には見えないが,これもサクラの仲間だ。


 岩清水 から 七曲がり を登り詰めると,なだらかな登りになる。ここを少し登ると 三平峠 だ。


 三平峠  積雪期には,この看板が隠れるくらいの積雪になる。


 三平峠から,滑る木道に注意しながら降ると,そこが 三平下 だ。


 三平下のベンチも新しくなり,数も増えた。

 尾瀬沼 の水は,大部分が 沼尻川 に流れ出し, 三条の滝 を降って 只見川 となり,最後は 阿賀野川 となって 日本海 に注いでいる。ところが,尾瀬沼の水の一部は,送水路を通って 太平洋側 にも流されている。その取水口を見に行った。取水口の建物には下のような標識が掲示さ れていた。


 つまり, 尾瀬沼の水は太平洋と日本海の両方に注いでいる のだ。取水口から送水管を通った水は, ナメ沢 に流され,その水は 片品川 に注ぎ, 利根川水系の発電 のために利用される。そのため, 尾瀬沼の水利権 東京電力 が所有している。かつては, 尾瀬ヶ原 などの水利権も東京電力が所有していたが,その利用の可能性が無くなったことから, 尾瀬ヶ原の水利権は放棄 された。

 雨が上がり,空が明るくなってきた。それに伴って タテヤマリンドウ も花を開いてきた。


 オオバタチツボスミレ  タチツボスミレより葉も花も大きい。花弁の紫色のスジが特徴。


 対岸の 燧ヶ岳 には雲がかかっているが,少しずつ上がってきているようだ。


 イチリンソウ


 長蔵小屋 に着いた。小屋の前には シラネアオイ が咲いていた。植えられたもののようだが,花が大きくきれいだ。


 長蔵小屋 で打合せをし,当日の宿舎となる別館を見せて貰った。
 長蔵小屋の正面には樹木が茂っていたが,きれいに切払われ,整地されていた。 新しいビジターセンターが建つ のだという。かなり大がかりなもので,展示室を備えた博物館のようなものらしい。 自然を破壊してまで建てる必要があるのか疑問だ。 仮に,博物館のような施設が必要なのならば,それは登山口に作ればいいのであって,保 護すべき山の上に作らなくても良い。長蔵小屋のスタッフの話によると,この林は ウグイスの営巣地 で,他にもたくさんの野鳥が訪れていたところだという。林が切り倒されて,野鳥の声が 全く聞こえなくなったという。


 無料休憩所で昼食を食べ, 沼尻 に向かって出発した。 燧ヶ岳 に懸かっていた雲もすっかり取れ,青空も見え始めた。


 ハクサンチドリ


 ワタスゲ


 大江湿原 のシンボルツリー  三本唐松


 シカ除けのネット が設置されており,ハイカー用のゲートが作られていた。 燧ヶ岳方面 から移動してくる ニホンジカ 大江湿原 に入れないためのネットだ。


 土台が流され, 傾いてしまった 木道


 ミズバショウ の白い包も少しだがまだ残っていた。


 尾瀬沼


 沼尻の休憩所跡  沼尻休憩所は 2015年の9月下旬 火災 で焼失してしまった。長蔵小屋の経営なのだが,まだ再建の見通しは聞いていない。実は この場所こそ, 平野長蔵が最初に山小屋を建てた由緒ある場所 なのだ。ぜひ再建して貰いたいと願っている。


 ムラサキヤシオツツジ  は 日本海側の多雪地域に多い 種類だ。


 イヨドマリ沢  イヨとは魚のことで,魚止まりと同義


 見晴の 弥四郎小屋 に着いた。すっかり良い天気になってきた。


 夕食後  外に出てみた。上空には雲が広がり, 天気は下り坂 を示していた。


 レンゲツツジ


 ワタスゲ


 少し原の方に出て 燧ヶ岳 を振り返った。山頂には雲がかかり始めた。


 ヒメシャクナゲ



第二日目(7月4日)
 夜半過ぎから,強い風とともに雨が降り始め,明け方頃には夕立のような 強い雨 が降った。今日は, 三条の滝 を往復してから 山ノ鼻 に向かう予定だったのだが,安全のために三条の滝を割愛して,直接 山ノ鼻 に向かうことにした。
 カッパの上下を着て 完全装備 で出発した。

 ズミ の花が残っていた。


 これは ウワミズザクラ  似た種の シウリザクラ とは,葉の基部の形の違いで区別できる。


 竜宮小屋 の手前に ギョウジャニンニク の群生がある。


 今回の山行で最もきれいだった花は ヒメシャクナゲ だった。


 依然として雨は,強弱を繰り返しながら降っている。 至仏山 も中腹より上は見えない。


 昨年秋に来た時には,ここに, ヘリで運ばれた材木 が置かれていたのだが,それを使った 木道 が完成していた。あのあと,雪に閉ざされる前までの僅かな時間に工事をしたのだろうか。


 上ノ大堀川  流れが川からあふれ出していた。雪解けの時期には良く見られる光景だが,大雨であふ れることはあまりない。


 山の鼻小屋 で打合せをして昼食を食べ, 鳩待峠 に向かった。まず, 川上川橋 を渡る。川上川の水量も多い。


 雨は強弱を繰り返したが, 鳩待峠 に着く頃が最も強くなった。定期バスが直ぐ出るというので,バス停に急いだが,既に発 車してしまっていた。
 乗り合いタクシーにも同じ乗車券で乗れるので,タクシーに乗って出発を待つことにし た。 乗り合いタクシーは,基本的に満席にならないと出発しない から,乗る人が少ないと,長時間待たされる。この時も結局20分ほど待たされた。
 戸倉の駐車場 でタクシーを降り,再びA先生の運転する車で 宇都宮 に向かった。
 ページトップへ