尾瀬沼・尾瀬ヶ原

期日 2017年(平成29年) 7月15日(土)〜16日(日)
 



コース・タイム
7月15日(土)
 宇都宮(5:00) ⇒ 戸倉第一駐車場(7:00-20) ⇒(タクシー)⇒ 大清水(7:35-8:00) ⇒(シャトル)⇒ 一ノ瀬(8:11)
    一ノ瀬(8:15) → 岩清水(8:50) → 三平峠(9:33-40) → 三平下(10:00(取水口)20) → 長蔵小屋(11:03-35) →
         → ヤナギランの丘 → 沼尻(13:11) → 小沼湿原(13:30) → 見晴(15:10)
7月16日(日)
    見晴(6:30) → 竜宮小屋(7:10-20) → 牛首三叉路(8:10-20) → 山ノ鼻(9:10-45) → 鳩待峠(11:00)
 鳩待峠(11:10) ⇒(シャトル)⇒ 戸倉第一駐車場(11:30-45) ⇒ カモシカ村(昼食11:55-12:40) ⇒ 宇都宮(15:05)

同行者
 Yさん,Kさん

 日光パークボランテイアで一緒に活動した友人と,尾瀬に行くことにした。日程を調整して,15日(土),16日(日)の1泊2日で実施することにした。できれば天気予報の良いときに行きたかったのだが,この時期の尾瀬は雨が多く,雨を避けていると尾瀬に行けなくなってしまう。実は,2週間前にも同じコースを歩いてきたので,2週間で咲いている花がどのように変化しているかも興味があるところなのだ。
7月15日(土)
 5時に宇都宮を発って,戸倉第一駐車場に着いたのはちょうど7時だった。今日は,海の日を含んだ3連休の初日で,しかも天気予報が直前になって好転したこともあって,駐車場はほぼ満車に近かった。奥の方に空きを見つけ,車を停めた。
 車の中で軽く朝食を済ませ,身支度をしてシャトルバスの乗り場に移動した。今日は
大清水から尾瀬に入るのだが,大清水まではシャトルバスは出ていない。タクシーとして,メーター料金となるのだが,3人で乗るので,一人当たり1,000円前後になる。2週間前に来た時には,ジャンボタクシーで2,910円だったのだが,今日はセダンで3,250円だった。
 大清水から
一ノ瀬まではシャトルバスに乗るのだが,発車は正時30分となっており,20分以上待って8時のバスに乗った。一ノ瀬着は8時11分。トイレを済ませて歩き出した。一ノ瀬の売店は今年から営業を取りやめている。

 岩清水の手前の左側にショウキランが咲いていた。ショウキラン(鍾馗蘭)はラン科ショウキラン属の多年草。葉緑体を持たず菌類に寄生する植物。ショウキランは尾瀬でも珍しい。


 更に少し行くとコケイランが咲いていたのだが,だれかに踏まれ出もしたのか,倒れていた。コケイランはラン科コケイラン属の多年草。(ケイはくさかんむりに恵)


 ギンリョウソウは一斉に花茎を伸ばしていた。ギンリョウソウ銀竜草はシャクジョウソウ科の多年草。寄生植物としてはもっとも有名なものの一つ。別名ユウレイタケ
 ゆっくり歩いたのだが,三平峠には一ノ瀬から1時間半かからないで到着した。



 ゴゼンタチバナ(御前橘は,ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草。秋には赤い実をつける。


 三平下に降り立った。尾瀬沼の水は,沼尻川に流れ出すほか,東京電力が作った送水トンネルによって,片品川にも流れ出している。三平下から尾瀬沼の縁を左に少し進んだところに,その送水口がある。この建物が送水口を管理する建物。
 建物の下に送水口がある。今日は,水が流れ込んでいる様子はない。小屋に掲げてある表示によれば,取水量は,最大で毎秒2.7トンだ。


 尾瀬沼の水利権は東京電力が所有しており,その水を片品川に流すことで,利根川水系の水力発電に利用しているのだ。
 三平下に戻って,長蔵小屋を目指した。早稲沢湿原からは,尾瀬沼の対岸に燧ヶ岳の勇姿が見える。少し雲が出てきた。


 長蔵小屋の前には,ヒメサユリが咲いていた。2週間前にはこの隣にシラネアオイが咲いていたのだが,もう散ってしまっていた。


 長蔵小屋の休憩所の食堂で昼食を食べ大江湿原に出た。ワタスゲがきれいだった。


 今日は,時間もあるので,平野長蔵のお墓がある「ヤナギランの丘」に行ってみることにした。振り返って,大江湿原のシンボルツリーである三本唐松を見た。ワタスゲの中に浮かぶ三本唐松は,この時期限定の景色だ。


 ヤナギランの丘には,平野長蔵から平野長靖までの家族のお墓がある。


 平野長蔵の墓石の側面には和歌が彫ってある。
ひらかむと 心つくして  をせのぬに   鳴く水鳥の 聲をききつつ  尾瀬沼山人

 
平野長英の墓石の側面にも和歌が彫ってある。平野長英は歌人としても有名だ。
上つ毛と 岩代国の 境なる 尾瀬の沼べに 住みつくわれは 長英



 36歳の若さで他界した平野長靖の墓石にも言葉が彫ってある。






   まもる   平野長靖
    峠の緑の道を 鳥たちのすみかを
       みんなの尾瀬を 人間にとって
    ほんとうに大切なものを

 平野長靖は1935年生まれだから,私より8歳年上で,存命ならば今年で82歳になる。
 ヤナギランの丘を後にして,沼尻へ向かった。これはナガバノモウセンゴケ。日本では北海道のサロベツ原野尾瀬ヶ原一帯にしか生育しておらず,絶滅危惧粁に指定されている。


 沼尻にあった休憩所は今はない。沼尻休憩所2015年の9月下旬火災で焼失してしまった。長蔵小屋の経営なのだが,まだ再建の見通しは聞いていない。実は,この場所こそ,平野長蔵が最初に山小屋を建てた由緒ある場所なので,ぜひ再建して貰いたいと願っている。


 今日は,少し足を伸ばし,小沼湿原まで行ってみることにした。沼に沿って左に少し進むと,小沼が見えてくる。尾瀬沼と同時にできた,兄弟沼と言われるのだが,登山道からはあまりよく見えない。木々の間から水面が光って見えるだけだ。


 更にもう少し進むと小沼湿原に出る。今はワタスゲが穂を開いているが,もう少しするとイワショウブの花が咲く。


 再び沼尻に戻った。沼尻川に橋が架かっているのだが,この下が水門になっていて,沼尻川に流れ出る水量を調節し,尾瀬沼の水位の変化を抑えている。

 環境保護団体の一部は,尾瀬沼から沼尻川に流れ出る水量を減少させているため,尾瀬沼の乾燥化に拍車がかかっていると言い,この水門の撤去を求めている。

 この標識は,休憩所に面した方が真っ黒に焦げている。火事の火力のすごさを物語っている。今日はハイカーも多い。


 オオバミゾホオズキ


 ほぼ1時間半で見晴に着いた。途中,パラパラと雨が降ってきたが,カッパを着るほどではなかった。宿は2週間前と同じ彌四郎小屋


 まずは風呂に入り,外のベンチで生ビール。今日は,前回の反省を踏まえ,長袖長ズボンの完全装備で外に出た。夕食は2交代制の第1回目。夕食が終わってもまだ外は明るい。喫茶室で休んでいると,喫茶室の軒下のベンチに腰掛けてコーヒーを飲んでいる若いカップルが目に入った。とっても良い雰囲気だったので,邪魔するのは申し訳ないと思ったのだが,つい声をかけてしまった。二人ともしっかりと山靴を履いたままだったので不思議に思ったのだが,彌四郎小屋の予約が取れずに別の宿に泊まることにして,この景色を見ながらコーヒーを飲みたくてここに来たのだという。
 7月16日(日)
 夜明けの景色が見たくて,いつものように早起きして外に出た。靄が地面近くに漂っているが,この程度では白い虹は見られそうもない。


 周囲の明るさは刻一刻と変化していく。今日は薄雲が上空を覆っているので,至仏山のモルゲンローテも見られなかった。


 朝食は5時20分から。デザートが,いつもの抹茶プリンからわらび餅になっていた。今日も,午後からにわか雨が降るという予報なので,雨の降らないうちに戻ろうと言うことで,真っ直ぐに山ノ鼻に抜け,鳩待峠に向かうことにした。昼までには鳩待峠に着くことができる。
 今回のメンバー みなさんお世話になりました。



 サワラン 尾瀬ではアサヒランと呼んでいる。
 トキソウ サワランもトキソウも2週間前にはまだ咲いていなかった。




 振り返って燧ヶ岳 薄雲を通して太陽が見える。


 ツルコケモモ
 この潅木の名前が分からなかったので,山ノ鼻のVCで確認。ヤチヤナギ




 尾瀬ヶ原で多く見られるのは,ダケカンバではなくシラカンバ(白樺)だ。標高1500mが,ダケカンバとシラカンバの境界だと言われているが,尾瀬ヶ原は標高1400m。


 ニッコウキスゲも咲き始めた。例年より10日ほど遅れているという。


 クロバナロウゲ(黒花狼牙) 尖った花びらの先が狼の牙を想起させるという。


 これはリュウキンカの袋果で,右上のものが,中の種子をはじき飛ばすと,中央のようになる。


 ヤナギトラノオ 花がトラノオで葉がヤナギに似ているという。


 下ノ大堀川 ミズバショウの撮影ポイントで,多くの絵はがきやカレンダーになっている場所だ。ミズバショウはなくても景色は最高だ。


 カキツバタの群落


 ルリイトトンボ ルリ色がきれいな希少種だ。
 ハッチョウトンボ 日本で最も小型のトンボ これも希少種だ



 オゼコウホネはまだ蕾だ。

 カキツバタ 外花被の中央の白線が特徴


 上田代のワタスゲ この時間になると,鳩待峠から下りてきたハイカーが,切れ間無く続いてくる。


 ニッコウキスゲ

 当初の計画では,山ノ鼻で昼食を食べてから,鳩待峠に向かう予定だったのだが,雨も降り始めたので,少し休憩しただけで鳩待峠に向かった。
 マタタビ(あるいはミヤママタタビ)の花



 ゆっくり歩いて1時間15分で鳩待峠に着いた。


 お決まりの「ハナマメソフト」を食べてから,シャトルバスの出る駐車場に向かった。

 戸倉第一駐車場で車を取り,戸倉の「
カモシカ村」で昼食にした。カモシカ村は人気の店で,駐車場に入りきれないほどのバイクが停まっていた。


 昼食を食べてから,金精峠を越えて宇都宮に向かった。
 今回は,親しい友人との気の置けない山行で,本当に楽しかった。皆さん,お世話になりました。
また2週間後には同じコースを歩くのだが,それはガイドとしての役目があり,気楽とばかりは言っていられない。

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