谷 川 岳

期日 2017年(平成29年) 9月26日(火)
 



コース・タイム
 自宅(3:30) ⇒(北関東道)(関越道)⇒ 土合P(5:31)
   駐車場(6:00) → 登山口(6:39) → 第一見晴(7:33-41) → ガレ沢の頭(9:05-13) → ザンゲ岩(10:35) → トマノ耳(11:07-47) → オキノ耳(12:04) →
    → 肩の小屋(12:28) → 天神ザンゲ岩(12:37-39) → 鬼の溜まり場(13:02-05) → 熊穴沢避難小屋(13:33-45) → 天神平(14:25)
  天神平(14:45) ⇒(ロープウエイ)⇒ ベースプラザ(駐車場 14:51)
 駐車場(15:11) ⇒(関越道)(北関東道)⇒ 自宅(17:14)

同行者
   単独

 天気予報が好天を告げている。どこに行こうかと試案の結果,谷川岳に行くことにした。八ヶ岳にも行きたかったのだが,日帰りでは厳しいので,日帰りが可能な谷川岳に行くことにした。といっても,ロープウエイで登って,天神尾根を往復するだけでは面白みがない。そこで,西黒尾根巖剛新道を登ろうと考えたのだが,西黒尾根は,昨年7月23日に登っているので,今回は巖剛新道を登ることにした。谷川岳登山指導センターからの情報によると,厳剛新道は上部鎖場付近やトラバース部分で数か所が崩落していて通行注意。不安な方は西黒尾根を利用した方がいいという。通行止めにはなっていないようなので,通行可能と判断し,巖剛新道を登ることにした。
 できるだけ早い時間に行動開始したいので,午前3時30分に宇都宮の自宅を出発した。
関越道を水上ICで降りる頃になって,空が明るくなってきた。正面に
谷川岳の双耳峰が見えてきた。
 いつものようにベースプラザの駐車場には,建物の手前の坂を下って,1階から入る。車は殆どない。
 身支度をして,エレベーターで6階に行こうとしたら,エレベーターが動いていない。階段で行くことも考えたのだが,結局6階は施錠されていて,6階から外に出ることもできない。仕方ないので,車の入ってきた入口から外に出て,車道を通って登山口まで行かなければならなかった。昨年7月に来た時には,6時にはエレベーターも動いていたのに,こんなことは初めてだ。どうやら,夏季と違って,ロープウエイの運行開始時刻が遅いことが理由のようだ。



 登山指導センターに,予め作成してきた登山届を出した。車が1台停まっていたので宿直勤務している隊員もいるらしい。





 指導センターから30分ほど歩くと,マチガ沢の出合に出る。ここからは,屏風を立てたようなマチガ沢の大岩壁が見渡せる。正面のコブのような尖りがトマノ耳だ。


 ここに,巖剛新道登山口がある。登山者が少ないのか,雑草が覆い被さっている。雨上がりなのか夜露なのか分からなかったが,かなり足先が濡れた。

 路面を水が流れているところもある。ぬかるむことはないが,岩がよく滑り,幾度かバランスを崩した。


 サラシナショウマが咲いていた。

 岩に,古いプレートが打ち付けられていた。このルートの歴史を物語る。


 マチガ沢に沿って徐々に高度を上げていく。殆どが樹林帯なので視界はないが,所々で谷川岳が見えるようになってきた。


 振り返ると,白毛門も見える。


 登山口から約1時間で,第一見晴まで登ってきた。ここの標高は1122m,登山口から284m登った。



 第一見晴からは,マチガ沢の全体が見渡せる。壁登りをする人の多くは,ここから沢床に降り,沢を詰めて岩場に行く。一方,登山道は沢を離れ,急斜面を一気に370m登りガレ沢ノ頭西黒尾根に合流する。


 写真の中央奥がオキノ耳で,その右前に見える草付きの尖峰はオキノ耳から東に延びる東尾根


 徐々に高度を上げていくと,トマノ耳オキノ耳が,同じ高さに並んで見えてくる。


 マチガ沢の大岩壁


 クサリ場も何カ所かあったが,クサリのあるところも無いところも,岩には手がかり足がかりが少なく,おまけに濡れていて滑りやすい。


 ナナカマドが赤い実を付けていた。


 ミヤマダイモンジソウ このミヤマダイモンジソウは,普通のダイモンジソウに比べて字を書くのが下手で,大の字の左右の長さが同じにならない。


 第一見晴から1時間半ほどで,西黒尾根ガレ沢の頭に到着した。ここには,巖剛新道についての注意書きが取り付けてあった。
巖剛新道 「こちらの分岐よりすぐのところで崩落部分あり。その他,沢状地形のトラバース及び,各鎖場の基部にも崩落や足場狭いところがあり滑落の危険があります。通過は慎重に! 下部は濡れていて滑りや易い場所も多く,不安な方は西黒尾根の利用をお薦めします。」
 確かに,前回(2002年10月5日⇒レポ)登った時より登りづらかった。降りも巖剛新道を降りるつもりだったが,下らない方が良いようだ。


 ここからは,稜線の登りになる。視界が開けて気分が良いが,陽射しが強く,熱中症の注意が必要だ。ここから山頂までの標高差500mは,高度感と開放感に包まれた最高の空間だ。私が谷川岳が好きな最大の理由はこの尾根歩きなのだ。標高こそ2000mに満たないが,北アルプスの稜線歩きに引けを取らない魅力がある。


 ガレ沢ノ頭に出る少し前の岩場で持参したヘルメットを被った。
 多少,大げさという気もしないわけではないが,私がヘルメットを被るのは,
 
自分が転落したときに頭部へのダメージを防ぐほかに,
 
降ってくる落石から頭部を護るというねらいも大きい。
 実際,北アルプスでは,自身の転落等による事故よりも,落ちてきた落石による事故の方が多いという。


 昨年7月に登った時には,私以外にもヘルメットを着けた登山者がかなりいたのだが,今日は,ヘルメットを付けた登山者は,私一人だった。

 天神尾根の東斜面では紅葉が始まっていた。


 頂上が近づいてきた。ザンゲ岩も見える。日射が強く,とにかく暑い。雲が増えてきて時々上空を通過する。そのときだけは,日射が遮られほっとする。


 ザンゲ岩


 休憩のために,時々立ち止まった。振り返って,西黒尾根の全体を眺めた。


 高度が上がってくると,マナイタグラの岩峰が見えてくる。


 トマノ耳が近づいてきた。山頂にいる登山者も見える。山頂が近づくと,どうしても早足になるのだが,今日はもう限界で,ゆっくりしか足を進められない。


 肩の広場の方位塔が見えてきた。


 方位塔の近くまで登ってきた。肩の広場には寄らずに,直接に山頂に向かうことにした。今年4月に来た時には,基台の石積みの部分が完全に雪の下だった。


 駐車場から5時間かけてトマノ耳に到着した。ガレ沢ノ頭からトマノ耳まで1時間50分かかった。昨年より10分ほど多くかかったが,今日の場合,やむを得ない。今日は陽射しが強く,熱中症の危険があったため,立ち休みを多く取り,スピードも抑えて登った。

 山頂の近くの石に腰を下ろした。今日は特に苦しかった。疲れが激しい。吐く息が熱いのが分かる。軽い熱中症だ。下山は西黒尾根を予定していたのだが,無理をせずにこのまま天神尾根を下り,ロープウエイに乗ることにした。
 昼食におむすびを2個食べた。少し元気が出たので,
オキノ耳まで行ってから下山することにした。

 オジカ沢の頭までの稜線が見える。オジカ沢の頭から左に行く稜線はマナイタグラに繋がる。


 オキノ耳の西斜面には紅葉が広がる。


 オキノ耳山頂
 ヘルメットを脱いだ。
 降りの天神尾根では,転落の危険も,落石の危険も少ないので,ここでヘルメットを脱いだ。
 上空を通過する雲が増え,陽射しの遮られる時間が増えてきた。


 日射が当たると,紅葉が輝き出す。


 オジカ沢ノ頭の右奥には万太郎山,更にその右奥には仙ノ倉山も見える。


 肩の小屋 仮設トイレも2基設置されている。


 肩の小屋の前を通って下山を開始した。太陽がジリジリと照りつけて暑い。


 天狗の溜まり場 日陰で休憩したいのだけれど,どこにも日陰はない。


 膝に負担をかけないように,段差を一歩ずつ降りる。トントンと下れれば早いのだが,それはもう無理。 武尊山の上には雲が湧き出した。


 熊穴沢避難小屋 今年4月5日に来た時には,深い雪に埋まり,鉄柱の上部が40cmほど雪の上に出ていただけだった。

 やっと日陰に出会えた。がんばってここまで下ってきたが,降りなのにとても疲れた。小屋に入ってザックをおろし,ベンチの上に横になった。10分ほど横になっていたらかなり楽になった。
 急ぐ必要はないので,もっと長く休んでいても良かったのだが,早く下ってしまいたいという気持ちが強く,再び天神平を目指して歩き出した。


 天神平に向かう道は,大部分が林の中だが,一個所だけ谷川岳の山頂の見えるところがあった。右側手前に下る尾根が西黒尾根だ。数時間前はあそこを登っていたのだ。


 やっとの事で天神平にたどり着いた。靴の泥を洗い落としてからロープウエイに乗り込んだ。ロープウエイの中も陽が照りつけて暑かった。


 ロープウエイの窓から山頂が見えた。肩の広場の方位塔も見える。


 駐車場に戻ったのは14時50分。身支度を解き,濡れたタオルで身体を拭いた。ズボンとTシャツを着替え,駐車場を後にしたのは15時10分だった。
 水上ICから関越道に入り,高崎JCTで北関東道に,岩船JCT,都賀JCTを通って壬生ICで高速を降り自宅に着いたのは17時15分だった。
 帰宅後,
谷川岳登山指導センターの情報を見ると,24日の日曜日には3件の遭難事故があったという。1件は,岩登り中に雪崩にあった事故で,他の2件はいずれも過労によって動けなくなった事故だという。くれぐれも自分の体力にあった登山に心がけるようにと呼びかけていた。
 今日の私も,もう少し疲労が進めば,遭難の可能性もあったかも知れない。加齢と共に体力が低下することは,生き物である限りどうしようもないことなので,それは受け入れなければならない。「昔はこれくらいできた」という思いは,自分が頑張るときの後押しの力になるのだが,その思いが強すぎれば,自己過信ということになり,事故に繋がることもある。
 
会津駒ヶ岳谷川岳奥白根山に登ることが,自分の体力チェックになっているのだが,宇都宮から日帰りで巖剛新道をやれたと言うことで,少し自信がついた。

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