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尾 瀬
キャンプ 2018年(平成30年) 7月30日(月)-8月1日(水) |
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コース・タイム 7月30日(月) 自宅(7:15) ⇒ 学校(7:30-8:15) ⇒(貸切バス)⇒ 大清水(11:17-昼食-12:04) ⇒(シャトルバス)⇒ 一ノ瀬(12:14) 一ノ瀬(12:34) → 三平峠(14:06-20) → 三平下(14:40-55) → 長蔵小屋(15:17-28) → ヤナギランの丘(15:43-50) → 長蔵小屋(16:06-泊) 7月31日(火) 長蔵小屋(7:45) → 沼尻(8:55-9:09) → 弥四郎小屋(11:05-昼食-12:04) → 三条ノ滝(14:00-17) → 弥四郎小屋(16:30-泊) 8月1日(水) 弥四郎小屋(8:01) → 竜宮小屋(8:46-57) → 牛首三叉路(9:54-10:09) → 山の鼻小屋(10:55-昼食-12:00) → 鳩待峠(13:30) 鳩待峠駐車場(14:00) ⇒(貸切バス)⇒ 学校(17:30) ⇒ 自宅(17:52) 同行者 中学2年生29人 引率者(ガイド・添乗員含めて)9人 |
この中学校の尾瀬キャンプは
今年度で6回目
になる。2012年に第1回が実施され,翌2013年に第2回が実施された。この2回
は1年生で実施されたが,他の学校行事との関係で2年生で実施することになり,2015年度から
は2年生で実施している。最初の2回は
御池
から入り,
見晴
と
山ノ鼻
に宿泊し,
鳩待峠
に抜けた。このコースは,バランスの良いコースなのだが,とにかく,
登山口までの距離が遠く
時間がかかりすぎた。そこで,2015年度からは,
大清水
から入り,
尾瀬沼
と
見晴
に宿泊し,
鳩待峠
に抜けている。今年度もこのコースで実施した。 7月30日(月) 学校集合は8時。私立校なので遠距離通学者も多く,あまり早朝の集合はできない。簡 単な出発式を行い,大型バス1台で学校を出発した。良い天気の中, いろは坂, 金精峠 を抜け, 鎌田 の交差点を右折し 大清水 に向かった。 尾瀬大橋 を渡ると,尾瀬に来たんだなあという気持ちになる。 ![]() 大清水 に到着した。バス酔いに配慮して,いろは坂など,超スローで走って来たのだが,やはり バス酔い が出た。そのため,臨時に休憩をしたので,宇都宮から大清水まで3時間かかった。 ![]() 大清水 で,バスに積んできた弁当を食べ, 一ノ瀬 に行く シャトルバス に乗った。 ![]() 一ノ瀬で, 服装,荷物の背負い方 などを指導確認して歩き始めた。 ![]() 4週間前の下見のときに, ギンリョウソウ(銀竜草) をたくさん見られたので,探しながら歩いたのだが, 既に姿を消していた。代わって, ギンリョウソウモドキ (別名 アキノギンリョウソウ )を見つけた。 この山行では, 「ガイド」 の仕事を優先し,写真撮影は最小限にした。この写真も,歩きながら撮影したので,ピン トが合っていない。 ネットで ギンリョウソウ を調べていたら,中国ではギンリョウソウを 「水晶蘭」 とも呼んでいることが分かった。なんとも素晴らしい名前だ。 ![]() 三平峠 まで1時間30分だった。天気も良かったので,ほぼ標準タイムで登ることができた。車 酔いの生徒も,なんとか歩いている。ほぼ20分ごとに休憩を入れて,給水を指示した。日差しが強 いだけでなく,風もなく暑い。たくさんの汗をかいた。 ![]() 三平下に下り,トイレ休憩後, 長蔵小屋 に向けて歩き出した。ぬかっていて不評だった場所の一部に, 木道 が設置されていた。この木道は, 土台の部分が鉄パイプでできている もので,今までに無い構造だった。仮設なのかと思ったのだが,そうで はないようだった。これからこのような構造の木道が増えるのかな? ![]() 長蔵小屋 に到着した。小屋の前には, ヤナギラン が咲いていた。下見のときに咲いていた ヒメサユリ はもう終わっていた。 荷物を置いて, 平野長蔵家族 のお墓のある ヤナギランの丘 まで 大江湿原 の散策に出た。もともと,今の時期は咲いている花は少ないのだが, 今年は特に少なかっ た。 ![]() 小屋に戻って,入浴後夕食。昨年までの3年間は, 別館 を貸し切りで利用させてもらったが,今年は別館は別の学校で使うために, 母屋 に宿泊することになった。いずれの場合も,入浴,食事が母屋なので,別館に宿泊した場 合には, 母屋と別館の間を往復 しなければならない。その往復がかなり煩わしかったのだが,それがなくなった。ただ, 母屋の場合には 一般客と同宿 になるので,別の気を遣わなければならない。まあ,それもまた学習の一環なのだが。 ![]() 夕食 はハンバーグ 生徒の中には, 食物アレルギー の生徒がおり,事前の打ち合わせで,食べられない生徒には別メニューを用意してもらっ た。 ![]() 夕食後,外に出て日没の景色を楽しんだ。太陽は, 燧ヶ岳の左の裾野 に沈んだ。 ![]() 食堂を借りて, 夕べの集い を行った。一般客に迷惑をかけないように気遣いながらだったが,長蔵小屋のオリジナル Tシャツを掛けたじゃんけん大会は,大いに盛り上がった。私からは,山の話や,「いつかある日」 の歌などを紹介した。 7月31日(火) 朝の景色を見るために,5時に起き出し, 大江湿原 に出てみた。ここは,東に 檜高山 という山があり, 日が差してくるのはかなり遅くなる まず,上空の雲に日が当たり,オレンジ色に輝く。 ![]() 湿原には数少ない花の一つ, サワギキョウ が咲いていた。サワギキョウは 秋の花 だ。 ![]() オゼミズギク も夏の終わりから秋にかけての花だ。 ![]() 小屋に戻って 朝食 ![]() 豪華とはいえないが,栄養も考えられ,美味しい。 ![]() 小屋を後に,尾瀬ヶ原に向かって出発した。 燧ヶ岳には雲がかかっている が,今日も良い天気で,朝から 強烈な日差し だ。 熱中症には十分注意しなければならない。 ![]() 浅海湿原から 大入洲半島 を越えて オンダシ湿原 の手前で立ち休みをしていたとき,生徒の一人が 「シカが居る」 と声を出した。 振り返って,大入州半島を見ると,対岸の水辺に 立派な角を持ったオスジカ が立ってじっとこちらを見ていた。しばらく動かずに居たが,やがて林の中に消えていっ た。 尾瀬でも,増えすぎたシカについては大きな問題となっているが,私が 尾瀬でシカを見たのはこれが初めて だった。 ![]() 2015年の9月下旬 に 火災 で焼失してしまった 沼尻の休憩所 が再建され,売店も営業していた。 トイレ も新しくなった。 売店のスタッフさん から話を聞いた。休憩所は,焼失した時点で 全ての権利を失ってしまう のだという。新しい休憩所を作る場合,全て新たに許可を得なければならない。小屋の構 造や大きさはもちろん,厳しい条件がついた。最も厳しい条件が 排水を全く出さない ということだ。だから今までのように,コーヒーを入れて提供することなどできなくなっ てしまった。 更に, 環境省 は 「ここにトイレは不要」 と言いトイレの設置を認めてくれなかった。そこで, 汚水・排水を一切出さないこと を条件に交渉し,やっと許可が下りたのだという。 したがって このトイレは水を一切使っていない。 使用後は薬液が流れて汚物をタンクに落とす。汚物は,全てをタンクにため,タンクがい っぱいになったら予備のタンクと交換する。汚物の入ったタンクは,ヘリコプターで麓に下ろすのだ そうだ。使用量1回200円でも採算にはほど遠い。我々の立場で言うと,この場所のトイレは貴重 だ。 手洗いの水がなくてもそれは我慢しなければならない。 ![]() 沼尻 から2時間弱で 見晴 に着いた。熱中症対策のため,休憩を多く取り,スピードを抑えて歩いた。 ![]() 弥四郎小屋 で昼食を食べ,飲み物とお菓子,雨具を持って 三条の滝 に向かった。 三条の滝への道は,好天が続いたため, ぬかるみ が少なく,歩きやすかった。でも,熱中症予防のため,休憩を多く取りながら歩いた。 弥四郎小屋から三条ノ滝まで,休憩を含めて約2時間かかった。 時間には余裕があるのだが,遅くなると夕立が心配だから,あまりゆっくりもしていられ ない。 三条ノ滝は,水量が少なく,その名前の由来の一つという三本に分かれた滝の流れを見 ることができた。 ![]() 滝から戻るとき,小屋までもう少しと言うところで, 夕立の洗礼を受けた ひとしきり,かなり強く降った。 私は, 熱中症気味 で,疲れがひどく,歩くのが辛かった。 ![]() 夕食は トンカツ トマトやキャベツなどの 生鮮野菜 も提供されたが,これらは,たぶん 歩荷さん の肩で運ばれたものだ。 見晴地区では,鳩待峠から歩荷している。もちろんヘリも飛ぶが,費用などの関係から, ヘリによる荷揚げは1週間に1回ほどだという。 夕立は,強弱を繰り返しながら夜半まで続いた。 8月1日(水) 朝には雨は上がったが, 深い靄に包まれた 写真を撮ろうと4時30分に起き出して外に出た。5時頃には,何人かの生徒も起き出し てきた。このくらいの濃い靄があり,上空から日射があれば 「白い虹」 が見られる。 しばらく待っていたが,上空にも雲があり,太陽の光は差し込まなかった。白い虹を見 るのは諦め,部屋に戻った。 ![]() 朝食 ![]() 朝食後,準備をして小屋の前に集合。記念写真を撮って出発した。 雲は多めだが,青空も見える。 至仏山 の雲はまだ取れない。 ![]() 沼尻川の拠水林 その向こうの 至仏山 は雲が取れてきた。 ![]() ヒツジグサ の葉が紅葉していた。木道で日陰になっている葉はまだ緑色だったので,どうやら 日焼け したらしい。 ![]() ヒツジグサ の,咲いている花は少なかった。蕾は少なくなかったので,これから咲くのかもしれない。 ![]() この花は, 原の川上川橋 」の近くで見られる珍しい花だ。この花を見つけようと,足下を見ながら歩いた。この花 は オオマルハノホロシ (大丸葉保呂之) 別名は オゼナス と言って,茄子とよく似た花を咲かせる。 花の後,1cmほどの 丸い実を 付ける。実は緑色から黄色,赤色となるが有毒なので食べられない。 ![]() 山の鼻小屋 に着いた。ここで昼食を食べ, 鳩待峠 に向かった。 少しずつ雲が増えてきた。今日も,遅くなると夕立があるかもしれない。 ![]() 標準タイム通り,1時間30分で 鳩待峠 に戻り着いた。夕立に遭わずに鳩待峠まで登ってこられた。帰りのバスは既に駐車場に待 機している。汗を拭き,トイレを済ませて駐車場に向かった。 ![]() 鳩待峠 から 至仏山頂 はすぐ近くに見える。雲が湧いてきて,山頂が日陰になってきた。 ![]() 駐車場 で,迎えのバスに乗り込み,学校に戻った。帰路は,日光湯元の駐車場でトイレ休憩後, 学校まで直行する予定だった。帰路でバス酔いが出ることはあまりないのだがバス酔いが出た。馬返 しのトイレで臨時休憩をして学校に戻った。 このコースは何回も歩いているのだが, 今回は特に疲れた 体力の衰えもあるのだと思うが,高温によって更に疲労が進んだ。これほど疲れるのなら ば,もうガイドなど引き受けないほうが良いのかもしれない。 ページトップへ |