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硫黄岳-赤岳 2019年(令和元年) 6月17日(月)-18日(火) |
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コース・タイム 6月17日(月) 自宅発(3:45) ⇒ 横川SA(5:07-朝食-26) ⇒ 赤岳山荘駐車場着(7:00) 駐車場(7:30) → 堰堤広場(8:25-35) → 赤岳鉱泉(9:47-10:07) → 昼食(11:56-12:23) →赤岩ノ頭(12:50) → 硫黄岳(12:49-13:06) → 硫黄岳山荘(13:27-泊) 6月18日(火) 硫黄岳山荘(6:27) → 奥の院(7:29-33) → 三叉峰(8:00) → 地蔵の頭(9:00) → 展望山荘(9:05-45) → 赤岳頂上山荘(10:31-昼食-11:00) → 赤岳(11:05) → 阿弥陀岳分岐(11:40) → 行者小屋(12:50-55) → 赤岳鉱泉(13:35-45)→ 堰堤広場(14:41) → 駐車場(15:22) 赤岳山荘駐車場(15:30) ⇒ 八ヶ岳山荘(15:45) 入浴,夕食,車中泊 6月19日(水) 八ヶ岳山荘(2:25) ⇒ 自宅(5:40) 同行者 単独 |
この時期の
八ヶ岳
は,高山植物が一斉に花を咲かせ,申し分の無い
花の山
になる。
昨年もこの時期に登り,素晴らしい山
行を体験できたので,今年もぜひ行こうと考え,天気予報を確認しながら,その時を待った。
はじめは,6月13日,14日で計画していたのだが,直前に天気予報が悪く変わった ので,4日ほど後ろにずらし, 17日-18日 で実行した。宿泊予定の 硫黄岳山荘 には,宿泊の予約を入れた。 6月18日(月) 宇都宮の自宅を4時少し前に出て,コンビニで昼食のおむすびを買い, 壬生IC から高速道に乗った。北関東道波志江PAの少し先を走っているとき, ドアミラーに,朝日が昇った。 ![]() 壬生ICから 北関東道 に乗り,都賀JCTで 東北道 に,岩舟JCTで再び 北関東道 へ。高崎JCTで 関越道 に入り,藤岡JCTで 上信越道 に入った。 横川SA で休憩を兼ねて朝食を食べた。 上信越道を 佐久IC で降り,佐久市内から 国道142号 に入り,立科町から 県道40号 を白樺湖に向かった。 白樺湖から, 国道152号 を降っていくと,正面に 甲斐駒ヶ岳 が見えてきた。右隣には, 仙丈ヶ岳 も見える。 ![]() 美濃戸口 から細い山道を15分ほど登って, 赤岳山荘の駐車場 に着いた。満車と言うほどでは無いが,かなりの車が停まっていた。 駐車料金を集金に来た,赤岳山荘のおばちゃんに,2日分の2000円を払った。 さっそく,身支度をして出発した。 今日の服装は,ボトムは CWX に Fox fire の夏用トレッキングパンツ。トップは,ファイントラックの フラッドスキンメッシュシャツ に 同じファイントラックの ドラウトタフアルパインロング を着て, ダクロン の半袖シャツを重ねた。 ウインドブレーカー はザックの中に用意した。 靴は,夏用の TECNICA で, ストック2本をザックに着けて出発した。 ![]() 今日は平日なので,登山者は少ない。 美濃戸山荘 も人影は見えない。 ![]() 堰堤広場 までは 林道歩き だ。木漏れ日を浴びて,静かさの中を気持ちよく歩く。 ![]() 足下に咲いていたスミレ。これは タチツボスミレ 奥日光で見かけるタチツボスミレよりも,花が大きく,花びらに透明感がある。 ![]() 堰堤広場 まで約1時間。ほぼ予定通りだ。橋を渡っていよいよ 山道 が始まる。 ![]() 昨年の 大雨の爪痕 が至る所に残っている。橋の流されたところには 仮橋 が架けられていた。本格的な橋の建設のために,ヘリで運ばれた材木も準備されていた。 ![]() 堰堤広場から1時間10分ほどで 赤岳鉱泉 に着いた。これも,ほぼ予定通りだ。休憩し,おむすびを1個食べた。 ![]() 赤岳鉱泉から 硫黄岳 に向かうと,まず3本の流れを渡る。最初が 大同心沢 次が,この 裏同心沢 二つの沢とも,橋は完全に流されており,飛び石伝いに流れを渡る。三つ目の沢は ジョウゴ沢 だ。 ![]() 急な斜面をジグザグに登っていく。暑くも無く寒くも無く, 快適 な山登りだ。 ![]() サクラ が咲いていた。多分 ミネザクラ だろう。 ![]() 高度が上がってくると見晴しが良くなり, 横岳から赤岳への稜線 が見えてくる。 ![]() 赤岳 から中岳, 阿弥陀岳 時間も過ぎているので,稜線に出る前に昼食を食べることにした。 登山道の脇 に腰を下ろし,おむすびを食べた。 ![]() 赤岩ノ頭 に着いた。本当の「赤岩ノ頭」はここから左に100mほど進んだところ。ここで,単独 行の女性と立ち話。その人は,昨夜は行者小屋に泊まり,朝早く文三郎尾根から赤岳に登ったのだが, 強風と低温のために,尾根歩きを諦め,文三郎道を降り,赤岳鉱泉から再び硫黄岳に登ったのだとい う。やはり,今朝まで強風は残っていたのだ。 ![]() これから登る 硫黄岳 を眺める。手前に見える標識は,オーレン小屋に降る分岐 ![]() 硫黄岳の山頂からオオダルミまでは ,大きなケルン が道案内してくれる。 ![]() 山頂が近づくと,北方の見晴らしが良くなり, 天狗岳 や 蓼科山 が見えてくる。 ![]() 頂上は広い平坦地だ。古い 三角点標石 があった。現在の地図では,火口に沿って東に約500mほど回り込んだところに,三角 点の記号がある。 ![]() 平坦地のほぼ中央に, 古い小屋 が残されている。かつて, ロボット雨量観測所 だったところで,荒天時には非難小屋の役目も果たしていたという。現在は,老朽化のた め立ち入りが禁止されている。 ![]() 現在は,この大きなケルンがあるところが 山頂 とされている。山頂標識には 2760m と有るが,これは,ここから東に約250mほど行ったところの 最高地点 の標高であって,ここの標高ではない。ここの高度は,最高地点より数メート低い。 ![]() 自撮り棒による記念写真 風が冷たく,頂上に着く前にウインドブレーカーを着た。 ![]() 今まで行ったことは無かったのだが 最高地点 行けるところまで,まで行ってみることにした。火口壁に沿って大きな割れひびが入って おり,いつ崩れても不思議では無い状態だ。火口に近づきすぎないように,火口に沿ってロープが張 ってある。 ![]() ![]() 特別な標石は見当たらないが,ここが 最高地点 と思われるところ。小さな 石の祠 があった。地図の三角点の位置は,もっと東に行ったところなのだが,危険のため,立ち 入りが禁止されていた。 ![]() 山頂を後にして, 硫黄岳山荘 に向かった。 途中に咲いていた ミネズオウ とても小さな花だ。コンパクトデジカメで,マクロモードで撮影したのだが,風で花が 揺れたり,持ち手が震えたりして,なかなかピントが合わない。 ![]() これは イワウメ やっと咲き始めたところ。 ![]() 硫黄岳山荘 に着いた。一年ぶりだ。 ![]() 小屋に入って着替え,まずはこれ。ダウンのズボンとジャンパーを着たので寒くは無か ったが,手足は冷たかった。 ![]() 夕食 ![]() ここのオーナーは手作りにこだわっていて,野菜は殆ど,麓の畑で自家栽培していると 言う。味噌汁の味噌も自家製だ。 夕食は5時30分から だったので,夕食後でもまだ日は高い。付近を散策した。 ![]() 太陽は,もうじき稜線に沈む。 ![]() 部屋に戻り,他にすることも無いので布団に入った。いつものようにあまり眠れなかっ た。うとうとしながら朝を待った。 6月18日(火) 昨年の経験から,日の出の時刻は 4時25分ころ と分かっていたので,4時20分にカメラを持って外に出た。地平線は雲海に覆われてい たので,雲の上に太陽が顔を出したのは4時30分を過ぎていた。ガスが流れていき,ガスの切れ間 を待って,太陽が姿を現した。 ![]() 朝日が, 山荘の板壁 を照らし,登山者の影を写した。 ![]() 朝食の時間も5時30分 から ![]() 寝不足だが,体調は良いので,朝食も美味しく食べられた。 昨日の夕食時は, 40人 ほどが食事したのだが,今朝,食堂に集まった人は約 20人 朝食を食べずに出発した人がたくさんいたのだ。 そんなに急いでどこまで行くのだろう。 身支度をして出発した。気温が低く,風もあったので, ウインドブレーカー を着, オーバーズボン を履いた。 今回は ヘルメット を持ってきていたので,ヘルメットを被ってスタートした。 コメバツガザクラ 小さな壺形の花が可愛いい。 ![]() 阿弥陀岳 の手前の,草付きの岩峰が 大同心 今日は雲が多く,水蒸気も多いので,遠方はよく見えない。北アルプスも,最初のうち はかろうじて見えていたのだが,今はもう見えなくなった。 昨年はよく見えた。 ⇒昨年のレポ ![]() 横岳の主峰 「奥の院」 には登山者の姿が見える。 ![]() 阿弥陀岳と赤岳 の間に, 仙丈ヶ岳 が見える。 ![]() 最も手前が横岳の 主峰「奥の院」 ,その向こうが, 「大権現」 ,その向こうが 「三叉峰」 この3つのピークについて面白いことがある。 国土地理院の「電子国土web」によれば,奥の院2830,大権現 2826,三叉峰2825となっており, 奥の院が最高峰 になっている。一方,1998年発行の昭文社「八ヶ岳・蓼科」によれ ば,奥の院の標高記載は無く,大権現2829,三叉峰2825となっており, 大権現が「横岳の最高点」 と書かれている。同じ昭文社が1980年に発行した地図では, 奥の院2835 と書かれ,大権現の記述は無く,三叉峰の記述はあるが,標高の記載は 無い。まあ,新しいものほど正確なのだろうとは思うが,ちょっと面白い。 ![]() キバナシャクナゲ ![]() オヤマノエンドウ 青紫の花は,よく目立つ。 ![]() 奥の院 には, 「横岳2829」 の標識があるが,国土地理院の「電子国土web」によれば,奥の院の標高は 2830 となっている。 ![]() 赤岳と阿弥陀岳 の間に, 北岳,甲斐駒ヶ岳,仙丈ヶ岳 が見える。 ![]() 富士山 もやっと姿を現した。今日は雲が多く,富士山の姿も隠されがちだ。 ![]() イワカガミ ![]() 探していた ツクモグサ をやっと見つけた。花の後の綿毛が,老人の白髪( 九十九髪・・ツクモ髪 )を想起させることからツクモグサと名付けた。 ![]() ツクモグサ の花びらは,もともとあまり大きくは開かない。この程度でほぼ満開 ![]() オヤマノエンドウの間から ハクサンイチゲ ![]() ツクモグサ の別の群落 ![]() ほぼ満開 ![]() チョウノスケソウ 名前は,明治の中頃,ロシアの植物学者 マキシモービッチ の助手として本種を発見した 須川長之助 にちなんで付けられた。 花びらは8枚で, チングルマ に似ているが,チングルマでは花びらは5枚。 ![]() チョウノスケソウ ![]() コメバツガザクラ ![]() ミヤマキンバイ シナノキンバイに似るが,シナノキンバイより小形。 ![]() ミヤマタネツケバナ ![]() 地蔵尾根分岐 疲労の具合や天候によっては,ここから下山することも考えて居たのだが,とりあえず 赤岳展望荘 まで行くことにした。 ![]() イワウメ ![]() 赤岳展望荘 ![]() ガスに覆われる時間が増えてきた。風も強くなった。 展望荘 の休憩所に入り, ホットコーヒー を注文した。 ![]() この状態だと, 赤岳の頂上 まで登っても展望は期待できない。このまま,地蔵尾根を降ろうか。 いろいろ考えたのだが,今回は,展望は無くても,頂上を踏むことに意義を見つけ,頂上 まで行くことにした。 時々 ガスが晴れ 見通しが得られるときもある。 ![]() 少し登って展望荘を 振り返った 今日歩いてきた, 硫黄岳からのルート も見渡せる。 ![]() むき出しの岩壁 にクサリが取り付けられている。私は,クサリを使わず,四つん這いになり, 三点確保 で登った。 ![]() 振り返ると,その 高度感 にドキドキする。 ![]() 頂上山荘 が近くに見えてきた。相変わらず,ガスは流れている。 ![]() 頂上山荘 に着いた。赤岳には,南北二つの頂上がある。頂上山荘が有るのは 北峰の山頂 だ。ここで,硫黄岳山荘で作ってもらったお弁当を食べた。あまり食欲はなかったが,エ ネルギーの元と割り切って頑張って食べた。 ![]() 北峰に30分ほど居て, 南峰 に向かった。 ![]() 山頂(南峰) でに記念写真 写りが悪いのは天候のせいだ。 ![]() 展望は無いので,まもなく山頂を後にした。 昨年来たときに,頂上山荘のスタッフに, 「どこを降りるのが最も楽で安全ですか?」 と聞いてみたところ,「ここまで登ってきてしまうと,降りるのも一苦労です。どのコー スを降りても,危険度も,大変さも殆ど変わりません。」 と言うことなので,昨年と同じに, 文三郎道 を降ることにした。 急傾斜で 足下は崩れやすく ,最大限の注意が必要だ。こんな急斜面がしばらく続く。先行者がいるので,絶対に石を 落としてはならない。 ![]() 少し降ると, 権現岳方面 への分岐がある。 ![]() 更に降ると, 中岳,阿弥陀岳方面への分岐 がある。時間と体力に余裕があれば,阿弥陀岳経由で降っても良いのだが,今日は無理は しない。 ![]() 足下が 崩れやすい。 ![]() ザレ場が終わり, 樹林帯 まで降ってきても急傾斜は変わらない。 ![]() ミネザクラ が咲いていた。 ![]() 行者小屋 に着いた。山頂から1時間45分かかった。足腰の筋力が弱まり,踏ん張りがきかないか ら,特に降りは慎重になる。 この先は危険な箇所は無いから,ここで ヘルメット を脱ぎ,帽子を被った。 ![]() 少し休んで 赤岳鉱泉 に向かった。こんな道ならば,いくら歩いても疲れないのだが。 ![]() 約30分で 赤岳鉱泉 に着いた。多くの登山者で賑わっていた。 ![]() 少し休んで駐車場に向かった。 足下に コミヤマカタバミ が咲いていた。 ![]() これは シロバナヘビイチゴ ヘビイチゴという名前が付いているが,オランダイチゴの仲間で, 食用 になる。 ![]() イワカガミ ![]() 美濃戸山荘 まで降りてきた。 ![]() 駐車場 に着いた。 赤岳鉱泉から1時間40分だった。さすがに降りは早い。 ![]() 昨日の行動時間は6時間 今日の行動時間は9時間 さすがに疲れた。 駐車場で身支度を解き,美濃戸口の 八ヶ岳山荘 に向かった。今日は,珍しく対向車と出会い,私がバックして,やっとの事ですれ違うこ とができた。今まで,この道ですれ違ったことは記憶にない。 八ヶ岳山荘の駐車場 に車を止め,入浴,そして生ビール。夕食を食べて車に戻り, 車中泊 とした。 今回は,あまり眠れなかった。午前4時に起きて自宅に向かうつもりでいたが,腕時計 を見たら,午前3時少し過ぎだったので,そのまま起きて準備をした。走り出して,大きな間違いに 気づいた。腕時計を見間違いし,まだ,午前2時過ぎだったのだ。 そのまま自宅を目指したが,さすがに深夜は車が少なく,順調に走ることができた。で も自宅まで 3時間15分 かかったから,それほど時間短縮にはならなかった。 八ヶ岳は大きな山だ。スケールが大きいく,それだけに,登ったとき の喜びも大い。当然に楽に登れる山では無いが,また登りたくなる山だ。年齢のことを考えると,も う,無理はできないが,あと数年は登らせてもらいたい。 |