閉じる
尾瀬(キャンプ下見)

2019年(令和元年) 7月3日(水)-4日(木)



コース・タイム
7/3(水)
 宇都宮(4:50) ⇒ 戸倉第一駐車場(6:45)
  戸倉第一駐車場(6:55) ⇒(タクシー)⇒ 大清水(7:15-30)  ⇒(シャトルバス)⇒ 一ノ瀬(7:41)
   一ノ瀬(7:45) → 岩清水(8:24) → 三平峠(9:08-30) → 三平下(10:05-15) → 長蔵小屋(11:00-45) →
    → ヤナギランの丘(12:00-10) → 沼尻(13:02-40) → イオドマリ沢(14:55) → 見晴(弥四郎小屋)(15:23)
7/4(木)
  弥四郎小屋(8:32) → 竜宮小屋(9:15-25) → 牛首三叉路(10:23-40) → 山の鼻小屋(11:20-12:34) → 鳩待峠(13:57) 
 鳩待峠駐車場(14:20) ⇒ 戸倉第一駐車場(14:40-55) ⇒ 宇都宮(17:00)   

同行者
    文星芸大附属中 M先生,H先生


 宇都宮市内にあるこの私立中学校では,毎年8月に2年生が 尾瀬キャンプ を実施している。私がかつてその学校に勤務していたこともあって,毎年そのガイドを頼まれている。今回はその 下見のために,中学校の先生二人と 尾瀬に行ってきた。天気予報は良くはなかったのだが,当日の 雨への対応訓練にもなるので出かけることにした。

 7月3日(水)

 宇都宮市内の学校に集合し,今年は,私の運転する車で,尾瀬に向かった。宇都宮から2時間ほどで 戸倉第一駐車場 に着いた。平日の上に,天気予報も良くなかったので,停まっている車は少なかった。



 戸倉の駐車場から大清水 までタクシーに乗った。代金は3,000円を越えるのだが,定期バスに適当な時間が無いので仕方ない。 でも,定期バスでも一人600円以上するので,3人で乗れば,驚くほどの割高ではない。


 大清水でタクシーを降り,シャトルバス に乗った。当日も利用させてもらうので,時間や人数などを告げて,対応をお願いした。
 一ノ瀬の休憩所 は,一昨年から売店の営業を止めていたが,今は,内部を改造し,無料休憩所として整備されていた。



 戸の閉まった売店の前で身支度を調え,出発した。まず,立派なコンクリート製の橋を渡る。かつて 福島県と群馬県を結ぶ観光道路が計画され,その一部になるはずだったところだ。 橋を渡った先から山道に入る。しばらくは冬路沢 に沿って登る。いつもは澄んだきれいな水が流れている冬路沢は,今日は濁流が流れていた。
 足元に黄色い花が咲いていた。オオバミゾホオズキだ。平地にあるミゾホオズキより,花も葉も大きい。葉には,先の尖った鋸歯がある。


 これはズダヤクシュ  ズダは,信州の方言で喘息のこと。喘息薬という意味。


 岩清水は昔のものとは違うが,ここが石清水と言われてもう50年になる。


 工事を中止した道路の斜面では,ヨーロッパ・北アフリカ原産のエニシダ が黄色い花を咲かせていた。 水分の少ない場所でも生育し,根を絡ませることから,道路の法面を固めるために意図的に植えられたものだという。


 イワハゼは,別名アカモノ という。花の後,赤いガクが実を包み,丸い赤色の実になる。中央に写っている花弁は花冠から落ちたもの。


 イワナシの小さな花も咲いていた。


 一ノ瀬から1時間半かからずに三平峠 に着いた。天気は回復し,雨の心配は要らなくなった。


 峠の木道の脇には,マイヅルソウ が小さな花をつけていた。葉の形と葉脈の紋様が,家紋の「鶴丸 」に似ていることからその名前が付いた。


 4枚の葉が輪状に付くのはツクバネソウだ。


 エンレイソウでは,大きな葉が3枚,輪状につく。 花びらは無く,濃い紫のものは がく片


 コミヤマカタバミは,花弁にある紫色の線が特徴だ。


 三平峠から少し降ると,尾瀬沼 が見えてくる。


 三平下で休憩し,長蔵小屋に向かった。 コバイケイソウが花をつけていた。


 早稲沢湿原からみた燧ヶ岳 は,上半分が雲の中だった。


 タテヤマリンドウは,漏斗型の花弁の奥に縦線の模様がある。


 タテヤマリンドウは,平地にある フデリンドウの高山型。フデリンドウは,蕾が筆のようなところからその名前がついた。


 イワカガミも咲いていた。


 明るいオレンジ色はレンゲツツジ


 ニリンソウ 花柄が2本出ることからその名前が付いたが,1本のときやまれに3本のときもある。


 ウラジロヨウラク この種は,ガク片が長いので, ガクウラジロヨウラクという。日本海側に多い。


 ミツガシワ 3枚の葉が名前の由来


 イチリンソウは,ニリンソウに比べ,葉が薄く,葉の周囲の切れ込みが細かい。


 オオバタチツボスミレ  低山の タチツボスミレより,葉も花も大きい。タチツボスミレより,ツボスミレ(ニョイスミレ)に近い種だ。


 オオバタチツボスミレ 花弁の紫色の線がきれいだ。


 長蔵小屋で打合せをし,昼食を食べて出発した。
 まず,沼尻に向う前に,平野長蔵家族の眠っている墓所「 ヤナギランの丘」に行ってみることにした。ここから見る 大江湿原のシンボルツリー


 例年ならば,ワタスゲ の穂が一面を埋め尽くす頃なのだが,今年は数が少なかった。


 大江湿原を横切り小高い場所から,振り返ると, 三本唐松と,木立の中の長蔵小屋 が見える。私は,この景色が気に入っている。特に紅葉の秋が良い。三本唐松の立つ場所を尾瀬塚という。


 木道上にシカネットのゲートが作られていた。これは, 燧ヶ岳から,大江湿原 に向かうシカを防ぐためのものだ。


 多くのミズバショウ は花の時期を終え,白い苞を落としていたが,ここでは僅かだが残っていた。


 沼尻休憩所は2015年の9月下旬 火災 で焼失してしまったが,経営者の長蔵小屋の尽力で再建され,昨年から営業している。 しかし,再建には環境省から厳しい条件がつけられ,焼失以前のような営業はできなくなってしまった。 売店もトイレも水を一切使えなくなった。排水が全く認められないため,トイレの後の手洗いの水も無い。


 トイレのシステムを見せてもらった。トイレは高床式で,床下に設置した タンク に全てを溜め,いっぱいになったら空のタンクと交換し,汚物の入ったタンクはヘリで麓に下ろすのだ。 タンク1個の満タンの重量が1トンで,ヘリは1回に1個しか運べないのだという。 タンク1個の運搬料が25万円と言うことで,1人1回200円を全員が支払っても, 実際にかかる経費の半分くらいにしかならない。赤字は当分の間は長蔵小屋が負担する。
 見晴に向かう前に,尾瀬沼の流出口 を見に行った。小さな橋の下に水門がある。ここから流れ出た川が沼尻川 で,尾瀬ヶ原を流れ,只見川となって日本海に注ぐ。また,福島県と群馬県の県境にもなっている。



 沼尻から1時間40分ほどで,見晴の弥四郎小屋 に着いた。まず,打合せをして,後はゆっくりさせてもらった。この日は雨は降って来なかった。



 7月4日(木)

 夜半過ぎから雨が降り始め,雨の勢いは徐々に強くなり,周囲が明るくなり頃には,外に出るのがためらわれるほどに強くなった。「天気と暮らす」というサイトで, 尾瀬の天気予報 を確認すると,雨は徐々に弱まり,昼頃には上がるという。そこで,出発時刻を少し遅らせることにした。


 8時30分,まだ雨は降っているので,カッパを着て安全装備 で弥四郎小屋を出た。


 ヒメシャクナゲもまだ蕾のものが多い。


 オゼタイゲキは,尾瀬大戟と書く。 ハクサンタイゲキ の変種で,尾瀬以外では玉原高原などごく一部でしか生育が確認されていない,尾瀬特産の種。黄色いものは花ではなく,葉。花はその中央にある小さいもの。この葉が,秋には真っ赤に紅葉する。近縁の ナツトウダイに比べ,葉の枚数が多い。


 竜宮小屋 に寄って,主人の萩原澄夫さんに挨拶した。もう雨は殆ど上がったので,私はカッパを脱いだ。


 ニッコウキスゲ が咲いていた。殆どの株では,まだ蕾だったが,僅か数輪だけ,咲いているものもあった。


 今年は,トキソウ も数が少なかった。この冬は雪が多かったというので,花がきれいなはずなのだが,時期が合わなかったのか,花は少なかった。


 少し経つと,至仏山に懸かっていた雲も徐々に昇り始めた。


 下ノ大堀川が蛇行する「 ミズバショウの群生地」に行ってみた。ミズバショウは終わっていたが, アヤメが咲いていた。


 望遠レンズで捉え,アヤメであることを確認した。
 これは。別の場所のカキツバタ



 雨が続いたために,下ノ大堀川 は川幅が2倍以上になっていた。


 至仏山に懸かっていた雲も,頂上の一部を残して取れた。


 頂上まで見えるようになった。


 山の鼻小屋の前にオオウバユリ の大きな株があった。


 山の鼻小屋で打合せを行い,昼食を食べてから, 鳩待峠に向けて出発した。


 川上川橋を渡って鳩待峠 に向かう。水量は多いが,濁ってはいなかった。


 陽が射してきた。暑くて汗が出る。


 タニウツギがたくさんの花をつけていた。


 山の鼻から1時間20分で 鳩待峠に着いた。


 出発前から,天気予報は良くなかったが,雨対応の練習にもなるので,予定通り下見を実行した。 ところが,予報に反して天気は良く,カッパを着て歩いたのは,2日目の朝だけだった。 コースのポイントポイントで確認をしながら,無事に下見を終えることができた。あとは,当日の好天を祈るばかりだ。
 鳩待峠から戸倉駐車場まで乗り合いタクシーで移動し,戸倉駐車場からは私の車に乗り換えて宇都宮に向かった。

ページトップへ