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クロバナロウゲ
黒花狼牙
バラ科 クロバナロウゲ属

 北海道,中部地方(栂池,日光,尾瀬など)以北の本州の亜高山帯の湿地や湿原に生育す る多年草。北海道では低地にも見られる。
 茎は上向きの伏毛が密生する。下部は地を這って分枝し,高さ30〜100cmになる。
 葉は互生し,奇数羽状複葉。小葉は3〜7個,長さ4〜7cmの狭長楕円形。また葉には 浅い鋸歯があり,葉裏は白っぽく絹毛がある。葉の基部に托葉がある。
 花期は6〜8月。葉腋から柄を出し,まばらな集散花序をなす。花は暗紫色で,径は 15〜25mm。花弁はがく片より小さく,暗紫色の披針形。がく片は5個で,水平に開出し,卵形で, 先が尖り,内側は暗紫色で,外側は緑色にやや褐色を帯びる。副がく片は5個で,がく片より細く短 く,両面とも緑色。雄しべは多数ある。花後に花床が膨れる。
 名前は,花の色が暗紫色で,全体が ミナモトソウ (漢名で 狼牙 と書く)に似ていることに由来する。


 2016.07.04 尾瀬ヶ原


 2017.07.15 尾瀬ヶ原