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クルマユリ
車百合
ユリ科 ユリ属

 中部以北の本州と北海道に分布し,亜高山〜高山の草原に生育する。
 茎の上部に,朱赤色の花を1〜数個,斜め下向きにつける。 花の大きさは5〜6cmで, 花びらは6枚。
 葉は線状披針形〜狭卵形で輪生する。茎の中段に,葉が輪状に付くのが名前の由来。
 亜高山帯以上で見るオレンジ色のユリはこれだけ。花びらに光沢がある。

 長野県の 小諸 から 鹿沢 に抜ける 地蔵峠道 の途中に 奈良原 という集落がある。子どもが小学校の低学年だった頃の夏休みに,何度かそこにあった友 人の別荘を借りて1週間ほど滞在した。
 奈良原 から 地蔵峠 までは車で直ぐに着けた。地蔵峠から 高峰林道 を高峰に向けて少し走ると, 池ノ平 の駐車場に着く。ここから, 池ノ平湿原 にはすぐだ。まだ,その頃は訪れる人も少なく,豊富な高山植物をゆっくり観察できた。 ここで名前を覚えた花もたくさんある。 クルマユリ に出会ったのもここだった。
 池ノ平を横切り,対岸の斜面を少し登ると 三方が峰 に着く。その,樹林帯の道の脇にクルマユリが咲いていた。30cmにも満たない小さな 体で,僅かな木漏れ日を精一杯に受けとめようと,背伸びするように咲いていた。花はたったの1輪, しかし,茎の下の方には,輪生した葉が,クルマユリであることをしっかりと主張していた。


 2007.07.24 白馬岳


 2016.07.23 谷川岳