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ミヤマハンショウヅル
深山半鐘蔓
キンポウゲ科 センニンソウ属

 本州,北海道に分布し,高山帯の礫地やハイマツの間などに生えるツル性の木本。ツル の長さは30〜100cm。
 花期は6〜8月,ほふく性の茎から出た長い柄の先に下向きに紅紫色の1個の花をつけ る。4枚のがく片が花びらのように見える。花の大きさは25〜30mm。がく片は4枚で内側に白い 花弁がある。
 葉は2回3出複葉で,長だ円形の小葉の縁はギザギザ。葉の付き方は対生。
 ミヤマハンショウヅル という名前は,深山に生え,花の形が火事の時に鳴らす半鐘に似ていることから付いた。
 「半鐘」を知らない人も多いが,と言うより,半鐘の実物を見た人の 方が少ないが,かつては,集落には必ず「火の見」があり,そこに吊り下げてあった。火事が起こる と,その役目を持った人が火の見に登り,半焼を打ち鳴らして,住民に知らせる。その打ち方には決 まりがあり,火事に近さによって半焼を打ち鳴らす間隔が変化する。遠い場合には,「カーン,・・ ・カーン・・・」と間隔があり,近い火事の場合には,「カンカンカンカン・・・・」と連続して打 つ。
 そんな半鐘も,戦時中の金属供出によってほとんどが姿を消してしま った。




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 2008.06.30 秋田駒ヶ岳