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ミズバショウ
水芭蕉
サトイモ科 ミズバショウ属

 兵庫県以北の本州と北海道に分布し,山地の湿原や流れの縁に生育する多年草。北海道 では平地にも生育する。
 白いフード状のものは仏炎苞と呼ばれ, 本当の花は,その中の淡黄色の円柱状のもの。
 開花時期は低地では4〜5月,高地では融雪後の5〜7月にかけて。普通,1枚の苞に 包まれるが,まれに2枚の苞に包まれるものもある。苞の大きさは8〜20cm。
 葉は花の後に出る。根出状に出て立ち上がり、長さは40〜80cmで,幅は30cmに達 する。
 名前の「バショウ」は,花の後に伸びる大きな葉が,芭蕉布の材料に利用されている イトバショウ の葉に似ていることに由来する。
 春から夏の湿原に咲く代表的な花で群生する姿は美しく,日本の各地に多数の群落があ る。
 「夏の思い出」(作詞:江間章子,作曲:中田喜直)で歌われているが, 実際に 尾瀬沼 でミズバショウが咲くのは5月末ごろ,これは尾瀬の季節でいうと春先にあたる。江間は ミズバショウが夏の季語として歳時記に掲載されていることから夏と表現した。また二十四節気にお いても夏にあたる。
 北海道南部の大沼国定公園においても群落が多数あり場所により開花の時期が違う。駒 ヶ岳の噴火によってできた湿地であったり,水の溜まる地形が多い為にミズバショウには適した地と いえる。
 田中澄江が『新・花の百名山』で,薬師岳と北ノ俣岳の間にある「太郎兵衛平」を代表 する花の一つとして紹介した。


 2005.06.26  尾瀬 アヤメ平




 2011.06.12  尾瀬 大江湿原


 2016.07.04 尾瀬沼