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ムラサキシキブ
紫式部
クマツヅラ科 ムラサキシキブ属

 ほぼ全国に分布し,山地の広葉樹林に生育する落葉低木で,高さ3m程度に成長する。 小枝はやや水平に伸びる。
 初夏に薄紫色の花を咲かせ,秋に垂れた枝に紫色の小球形の果実を多数付ける。幹に近 いところから枝先に向かって色付く果実は,鳥が好んで食べる。
 葉は対生で長楕円形,鋭尖頭,長さ6〜13cm。細かい鋸歯がある。葉は黄緑で洋紙質, 薄くて表面につやはない。初めは表側に細かい毛があることもある。
 花は淡紫色の小花が散房花序をつくり葉腋から対になって出て,6月頃咲く。秋に果実 が熟すと紫色になる。果実は直径3mmで球形。栽培品種には白実のものもある。
 名前の由来は平安時代の女性作家「紫式部」だが、この植物にこの名が付けられたのは もともと ムラサキシキミ と呼ばれていたためと思われる。「シキミ」とは,重る実=実がたくさんなるという意味。
 ムラサキシキブ と似た植物に,同科同属の コムラサキ があるが,通常,家庭の庭で見られムラサキシキブと呼ばれるものは、実際には,コムラ サキであることが多い。コムラサキの方が果実がまとまって付き,見栄えがする。


 2005.11.07  中禅寺湖北岸遊歩道