ムシトリスミレ

ムシトリスミレ
虫取菫
タヌキモ科　ムシトリスミレ属

　中部以北の本州と四国，北海道に分布し，高山の湿った草津や岩場に生育する多年草。
　長だ円形で内側に巻いた根生葉には，表面から粘液が分泌され，これで昆虫を捕獲・消化する。昆虫を捕らえると葉はさらに内側に巻く。
　根生葉の中心から５～１５cmの長い花茎を伸ばし，１本の花茎に１個の花をつける。結実すると，花茎はさらに伸び，種子を遠方に飛ばそうとする。花びらは５つに裂け，スミレに似るが，分類上は縁遠く，本科は水中に適応した食虫植物が多い。
　足尾の庚申山に生育する コウシンソウ も，ムシトリスミレ属で，全体的に小形だが，花の形や葉の形などはよく似ている。