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オクキタアザミ
奥北薊
キク科 トウヒレン属

 高山〜亜高山帯の草原に生育する。 アザミ の名前があるが, トウヒレン の仲間。1903年 鳥海山 で見つけられ, 鳥海山固有種と思われていたが,後に 焼石岳・羽後朝日岳 でも生育が確認された。鳥海山では群生が見られる。
 茎は直立し,高さは30〜100cmになり,分枝しないか上部で多少分枝し,上部に短 い縮毛があり,幅の狭い翼がある。花時には根出葉はふつう存在しない。
 葉は互生し,茎の下部から中部につく葉は草質で,葉身は広卵形から卵形または細長い 三角形になり,長さ3〜8cm。先は鋭尖頭,基部は切形から心形で,縁に粗い鋸歯がある。葉の両面 にはまばらに細毛があり,長さ3〜9cmの葉柄があり,翼がある。茎の上部につく葉はしだいに小さ くなり,基部は茎を抱く。
 花期は7〜8月。頭状花序は散房状または複散房状に10個内外が密集してつき,花柄 は3〜8mmと短い。総苞は上部が黒紫色で,長さ8〜12mm,径4〜5mmになる狭筒形。総苞片は6 〜7列あり,片は圧着し,外片は広卵形で,先は尾状に伸びる。総苞の表面に縮れたくも毛がある。 頭花は筒状花のみからなり,花冠の長さは9〜10mmで,紅紫色。
 果実は長さ4mmの痩果になる。


 2009.08.17  鳥海山


 2009.08.17 鳥海山