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タニウツギ
谷空木
スイカズラ科 タニウツギ属

 北海道の西側,本州の東北地方,北陸地方,山陰地方に分布し,高さ2〜3mになる落 葉低木。日本海型気候の山地の谷沿いや斜面に多く見られる。雪崩が多発する急傾斜地ではブナ林な どの高木林は成立しにく,本種などのしなやかな低木類の群落となることが多い。
 樹皮は縦に裂け,新しい枝は赤みを帯び,無毛か2毛条がある。葉は長さ3〜10mmの 葉柄をもって対生し,葉身は長さ4〜10cm,幅2〜6cmになり,徒長枝につく葉はさらに大きくな る。形は卵形,長楕円形または倒卵形,先端は鋭先頭で尾状となり,基部は円形またはくさび形で, 縁には鋸歯がある。
 花期は5〜6月。今年枝の先端か葉腋に散房花序をつけ,多数の花をつける。5裂する 萼裂片は長さ4〜7mm。花冠は淡紅色の漏斗状で,長さ25〜35mm,径2cmになり,先端は放射相 称に5裂する。花冠の内側より外側が色が濃く,開花しているものより蕾のほうが濃い。雄しべは5 本あり,花柱はそれより長い。さく果は長さ12〜18mm,径2〜3mmの細い筒状になり,種子は長 さ1mmの楕円形になる。
 白花とピンクの花が混じったものは ニシキウツギ (二色空木)という。
 日本特産


 2009.06.27 浅草岳


 2013.06.27 尾瀬




 2015.05.26 佐渡


 2015.06.24 霧降キスゲ平