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トビシマカンゾウ
飛島萓草
ユリ科 ワスレナグサ属

 山形県酒田市の酒田海岸とその北西にある飛島,および新潟県の佐渡島のみに分布し, 海の近くの断崖などに生育する多年草。
 花期は5〜6月頃で,高さ100〜150cmほどの花茎の先に鮮やかな黄橙色の6弁花 を10数輪付ける。花は朝開き夕方に閉じる一日花だが,次々に開花するため花期は比較的長い。
 葉は幅広い線形で,根生する。
 花の後にできる実はさく果で,熟すると下部が裂け,種子が散布される。
ニッコウキスゲ に似ているが、全体に大形で,花の時期が早い,1本の花茎に付く花数が多いなどの特徴 がある。
 トビシマカンゾウ は,もともと山形県酒田沖の離島, 飛島 で発見されたのが最初のため,鶴岡市出身の植物学者・佐藤正巳博士が飛島萱草と命名し た。
 飛島と佐渡島の間には,粟島(新潟県岩船郡粟島浦村)もあるが,なぜか粟島にはトビシ マカンゾウが生育していない。
 飛島と佐渡の共通点といえば、寒冷系の植物と沖を流れる暖流の影響で比較的温暖なこ とが上げられる。とくに佐渡は島内で北海道・沖縄両地方特有の植物が同居する特異な場所といわれ ている。




 2015.05.26 佐渡大野亀