閉じる
ツルコケモモ
蔓苔桃
ツツジ科 スノキ属

 中部地方以北の本州と北海道に分布し,寒地の高層湿原でミズゴケ類の中に自生する。
 茎は細く,長さ20cmくらいになり,まばらに分枝する。
 葉は無柄で茎に互生し,形は卵状長楕円形または狭卵形で, 葉身の長さ5〜15mm,幅 2〜5mm。葉の先端は尖り,縁は全縁でやや裏面側にまくれ,裏面はやや粉白色になる。
 花期は7月。前年の枝先にできた花芽から短毛が密にはえた1〜4本の花柄をだして, その先端に下向の淡紅色の花を1個ずつ咲かせる。花冠は4裂し,裂片は長さ7〜9mmで,カタクリ の花のように背面に反り返る。
 果期は9〜10月。果実は漿果となり, 径1cmほどの球形で赤色に熟す。
 ツルコケモモ亜属の果実は, クランベリー として食用にされる。クランベリーは非常に酸味が強く,生食には向かないが,菓子やジ ャム,クランベリージュースの原料となる。七面鳥の丸焼きに添える甘いクランベリーソースは,ア メリカ合衆国とカナダの感謝祭には欠かせない。
 アメリカのニュージャージー州では,クランベリーを大規模に栽培している。クランベ リー農園では,加工用など傷が付いてもさほど支障のない場合,クランベリー畑に木が完全に沈むほ どまで水をはり,水中で木を揺すると果実が外れて水面に浮かぶので,大型機械で果実をすくい取っ て収穫する。なお,畑にはった水はクランベリーの木を冷害から守る効果もあるため,春まで水を抜 かずにそのまま越冬させるという。


 2018.06.21 戦場ヶ原


 2010.06.27 サロベツ湿原


 2009.07.11 尾瀬小沼湿原


 2008.07.05 戦場ヶ原


 2006.07.08 尾瀬ヶ原


 2014.09.07 戦場ヶ原