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ウスユキトウヒレン
薄雪唐飛廉
キク科 トウヒレン属

 北海道の,大雪山系,夕張山系,北日高山系,羊蹄山に分布し,高山帯の風衝砂礫地に 生育する多年草。丈は5〜20cmだが,岩や地面にへばりつくように葉を広げる。全体に蜘蛛毛や縮 れ毛があり白っぽく見える。
 葉は質が厚く披針形や卵形など,変異が大きい。葉の両面に蜘蛛毛があるが,裏に白い 綿毛はない。
 花期は7月下旬から8月。茎頂の散房状花序に,赤紫色の頭花を4〜8個かたまってつ ける。頭花はすべて筒状花。総苞は筒状鐘形で直径は1cmほど。
 トウヒレン属は,日本には60数種が分布する。日本産の種は,氷期の遺存的な傾向が あり,とくに高山帯に生育する種群にはその傾向が強い。したがって、山系によって総苞や総苞片な どの形が少しずつ異なるものがあり,日本国内において充分な調査が行われていない地域では,未記 載の分類群が見出される可能性があるという。




 2005.08.06 大雪山黒岳