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ヤブデマリ
藪手鞠
スイカズラ科 ガマズミ属

 本州,四国,九州の標高1300mまでに分布し,沢などの水辺や湿り気のある林縁に 自生する落葉低木。樹高は3〜4mくらいになる。
 葉は枝に対生し,形は長楕円形で10cmほど,葉の先端は尖り,基部はか円形か広いく さび形。縁には鋸歯がある。
 花期は5〜6月で,やや黄色を帯びた小さな両性花が集まる花序のまわりに,白色の大 きな5枚の花弁の広がった装飾花が縁どる。装飾花は無性花で,花弁だけが広がったものだが,その 5枚のうち1枚が極端に小さく ユニークな形であり,他の似た種との区別がしやすい。おおよそ小さい花弁が花序の内側 を向き,花序の外周を大きい花弁が彩る。 夏に赤い実をつけ、秋には黒紫色に熟す。

 2014年6月に雄国沼に行ったとき,小学生のグループを連れてい たガイドが,この花を指して 「オオカメノキ」と説明していた。でも,この花がオオカメノ キではないことはすぐに分かった。まず,葉の基部がハート型ではなく,花びらの1枚が極端に小さ いのだ。そのとき,私はまだこの花の名前が分からなかった。帰宅後,山行レポをネットに載せたら, 山の友人が「それはヤブデマリでしょう」と教えてくれた。やはり,ガイドたるもの,ガイド する地域に生育している主な生物の名前ぐらいは勉強しておかないといけない。間違ったことを言っ たら,ガイドとしての資格はない。


 2014.06.27 雄国沼


 2013.06.27 尾瀬ヶ原