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ヤマブドウ
山葡萄
ブドウ科 ブドウ属

 四国,本州,北海道に分布し,寒冷地に自生するつる性落葉低木。
 茎は褐色で,若い枝や葉にはくも毛がある。葉に対生する巻き髭で他の植物等に巻き付 き,高く上る。
 葉は10〜30cm程の大きさで互生し,柄元に窪みのある五角形様で裏面に茶褐色の毛 が生える。秋には紅葉する。
 初夏に開花し,花は葉に対生する花柄に黄緑色の小花が多数着花する。がくは輪形で, 花弁および雄しべは5つ,雌しべは1つ。
 雌雄異株で,雌しべは健全であるが,発芽能力のない花粉しか持たない雄しべを有する 雌花しか咲かない雌株と,発芽能力のある花粉を持つ雄しべは有するが,雌しべの柱頭および花柱が 退化しているため,受粉・受精ができない雄花しか咲かない雄株に分かれる。
 果実は雌株のみに着生し,雄株は花粉提供のみである。栽培品種と違って,1樹だけで は果実が成らない。
 果実は球形で秋に熟し黒紫色になる。甘酸っぱく,生食できる。品質は安定しないが, 日本の在来種として見直されている。
 日本語古語ではブドウを, エビカズラ と言い,日本の伝統色で山葡萄の果実のような赤紫色を えびいろ と呼ぶのはこれに由来している。


 2014.07.06 戦場ヶ原


 2014.07.27 戦場ヶ原


 2011.07.26 戦場ヶ原


 2010.08.01 戦場ヶ原