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ヤマトリカブト
 山鳥兜
キンポウゲ科 トリカブト属

 キンポウゲ科トリカブト属 の植物を総称して トリカブト と呼ぶが,これはその中の ヤマトリカブト 。ヤマトリカブトは,中部以北の本州に分布し,山地の林の中や草地に生育する。沢筋な どの比較的湿気の多い場所を好み,草丈は40〜100cmで,関東地方に多い。
 ヤマトリカブトは種子から発芽し成長し,年内に枯れて世代を終える 1年草 。乾燥した殻が割れ,中にある小さな種が地上こぼれ落ちて来年に備える。(図鑑によっ ては多年草と書かれているものもある。)
 トリカブトの名の由来は,花が古来の衣装である 鳥兜・烏帽子 に似ているからとも、鶏の 鶏冠(とさか) に似ているからとも言われる。鳥兜に見えるのはガクで,花びらはその中にあって外から はよく見えない。
花期は8〜10月で,茎の先と葉のわきから出た花序に散房状に付く。花の色は青紫色 で,花びらに見えるがく片は5枚で,花の大きさは3〜4cm
 葉は掌状で3〜5裂し,互生する。 
 種類,場所によって毒性の強さは異なるが,根が最も毒の含有率が高いといわれる。塊 根を乾燥させたものは漢方薬や毒として用いられ,烏頭(うず)または附子(生薬名は「ぶし」,毒に使う ときは「ぶす」)と呼ばれる。




 2017.09.21 那須沼原