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オダマキ
(苧環)とは,紡いだ麻糸を巻いて中空の玉にしたもので,花の形がそれに似ているという。
ミヤマオダマキが高山帯に生育するのに対し,
ヤマオダマキは低山に生育する。 長野県の小諸から 鹿沢に抜ける途中の地蔵峠 から高峰林道を高峰に向けて少し走ると, 池ノ平湿原に着く。そこで出会ったのが ヤマオダマキだ。 八ヶ岳や浅間山塊 のヤマオダマキ は紫色が薄く,殆ど黄色に見える。そのため,これを,特に キバナノヤマオダマキと呼んでいる。 この花がとても気に入った私は,何とか持ち帰りたいと考えた。しかし,引き抜いて持ち帰ることが許されないことぐらい, 私でも分かった。考えながら車を走らせていると,湿原でなくても,道ばたなどに自生していることに気がついた。 ヤマオダマキはいわゆる高山植物ではなく,低山にも自生しているのだ。 しかし,たとえ道ばたに生えているものでも,引き抜いて持ち帰ることはためらわれた。 「そうだ,種子を持ち帰って蒔いてみよう」 。 幸運なことに,高度の低いところに生えているオダマキ は,既に花の時期を過ぎ,実を結んでいるものもあった。 私は,種子を持ち帰り,自宅で植木鉢に蒔いた。 秋に蒔いた種子は,冬が過ぎ春になっても芽を出してはくれなかった。諦めかけていた 夏のはじめ ,たくさんの小さな芽を出した。 その年は花は咲かなかったが,かなり大きくなった。次の年,可愛い花を咲かせてくれた。 2007.08.07 霧ヶ峰 |