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 ブログ 独 り 言 2008


2008.09.30
 お金がお金を生むと言うこと

 ずいぶん前のことになるが,六本木ヒルズが建てられたとき,そのマンションの家賃が1日当たり30万円とかいう話を聞いて,どのような人が入るのか不思議に思ったことがある。
 親の遺産を食いつぶしている人は問題外として,どんな仕事をすれば1日に30万円もの付加価値を付けることができるのだろうか。物を作るという仕事では,到底無理だろうし,商取引でも無理な話だ。
 唯一可能なのは,
金融取引である。「お金にお金を生ませる」こと以外では,1日に30万円もの利益を得るのは無理なことである。
 株式にしろ為替にしろ,一瞬で膨大な利益を生むことができる。多くの金融商品を巧に乗り換えながら,その上がり下がりを利用して利益を得ていくのが金融取引である。
 各種報道によれば,アメリカの
サブプライムローンに端を発した世界的な経済混乱は,いまや極めて危機的な状況になっている。
 日本でも数年前にバブル経済が破綻し,多額の公的資金を投入して,なんとか切り抜けつつあるが,アメリカでも,巨額の公的資金を導入するらしい。アメリカの大手銀行の経営者たちは,年に数百億円もの報酬を得ていると言い,彼らのしでかした不手際を救済するために国民の税金を投入するのは納得できないと,議会がその法案を否決したという。感情的には同感だが,救済しなければ,経済混乱は激しくなるだろうし,そのツケは最後には一般庶民に回ってくることになるのだから,やむを得ないのかも知れない。いずれにしても,経営者の個人財産など没収しなければ気が治まらないが,経営者の責任は有限であり,違法行為がない限り,個人財産まで没収はできないのが今の法律だ。




2008.09.15
 吾亦紅(ワレモコウ)


 今年の中秋の名月は奥日光戦場ヶ原で迎えた。
 前日に
磐梯山に登り,喜多方の道の駅で車中泊。そのまま会津街道(会津では下野街道という)を南下して帰宅するつもりだったのだが,予報に反して天気が良く,戦場ヶ原に寄り道をしてしまった。
 日の傾いた時刻の
戦場ヶ原は,普段とは違った静寂の美しさがある。湯元温泉で立ち寄り湯に入り,赤沼の駐車場に車を停め,夜明かしすることにした。
  広い駐車場に車はわずかで,キャンピングカーで賑わう
湯元駐車場光徳駐車場とは全く別の世界だ。途中の雑貨屋で買ってきた即席麺を作り,カップ酒を飲んで寝袋に潜り込んだ。
 物音が殆どしない,怖いほどに静かな世界に,
中秋の名月が氷のような光を注いでいる。隣に寝ている妻は,睡眠導入剤が効いたのか,もう寝息を立てている。
 眠れないまま,
ポケットラジオのスイッチを入れた。ダイヤルを回していると聞こえてきたのが,”すぎもと まさと”「吾亦紅」
 私の母は18年前に85歳で他界した。最後は,嫁ぎ先の姉の元で義兄や孫達に大切にされながら息を引き取った。8人の子どもを育て,戦前・戦中・戦後の混乱期を生きてきた母は,幸せな最後だったと思う。
 
「吾亦紅」を聞きながら母を思い出した。この歌を聴くのは初めてではないのだが,無性に胸が締め付けられる。具体的に何をどう謝りたいと言うわけではないのだが,「あなたに あなたに 謝りたくて」が,胸に響いてくる。
「親のことなど 気遣う暇に  後で恥じない 自分を生きろ」 直接にそう言われた記憶はないが, 後ろ姿でそう言っていたような気がする。
 「あなたに あなたに 見ていて欲しい
  髪に白髪が 混じり始めても
  俺,死ぬまで あなたの子供・・・」



2008.07.16
 早池峰山のトイレ問題

 ハヤチネウスユキソウ
 早池峰山の山頂に,避難小屋の新設に合わせてトイレが設置されたのは1988年だった。それまでは,山頂の岩陰のあちこちに白いテイッシュの花が咲く,ひどい状態だったが,頂上トイレの設置でテイッシュの花は見られなくなった。
 折から
「百名山ブーム」で,登山者が急増し,年間25,000人もの登山者が訪れるようになると,このトイレが地下浸透式のトイレであったため,冨栄養化が起こり便槽近くの植物が通常の2倍もの大きさに育ってしまうなど,生態系に大きな影響が現れてきた。
 その状況に対し
,山を守ろうと果敢に取り組んだのが地元花巻市の菅沼賢治さんとその仲間達だった。全国でも初めての,ボランティアによるし尿担ぎ下ろしである。1993年11月に始まり,現在に至っている。
 早池峰山では,行政,自然保護団体,登山関係者が一体となって,
 @ 出発前に登山口で用を足し,山頂トイレはなるべく使わない。
 A 携帯トイレを持参し,緊急の場合は携帯トイレを使用して持ち帰る。
ことを呼びかけている。
 その効果が現れ,ボランティアが担ぎ降ろすし尿の量は,
最大時の十分の一以下になっているという。
 登山とトイレの問題は,登山者が少ない時代には,問題にならなかった。と言うより,敢えて目をつぶってきた。現在でも,登山者の少ない山域では,さほど大きな問題にはなっていない。
 現在の山登り事情は,世の中の動きと同じで,二極化が進んでいる。人気のある山には,わんさと人が押しかけ,人気のない山には誰も行かなくなり,登山道は廃道になってしまう。
 問題は,登山者がわんさと押しかける
「人気のある山」の場合である。もともと,自然には,物質を分解して浄化する能力が備わっており,多少の排泄物ならば分解されてしまう。しかし,登山者が増加し,排泄物の量が自然の浄化能力を超えてしまうと,環境を変化させ,動植物に悪影響を与えてしまう。特に,寒冷な高山では,微生物の分解能力は極端に微弱になり,排泄物の大部分は分解されずに,蓄積されてしまう。
 
菅沼賢治さんとその仲間達がこだわったのは,登山者に,自分の物は自分で責任を持つという,極めて当たり前のことを求めたことだ。出発前に登山口で用を足し,途中で用を足さなくて済むようにすること,緊急の場合は持参した携帯トイレを使用して持ち帰ることを呼びかけた。
 行政は,山頂に「バイオトイレ」を設置しようとしたが,彼らは反対した。
「緊急用として,山頂にトイレはあっても良い。そのし尿は自分たちが担ぎ降ろす。」と。
 全国的に,登山者に携帯トイレ持参を呼びかける山が増えてきている。これも,菅沼賢治さんたちが呼びかけてきたことが,徐々に浸透してきたためと思う。我が国でも,携帯トイレを持参して山に登るのが当たり前のことと言う時代が来るのだろう。



2008.05.27 
 裁判員制度

 ヤマオダマキ
 1年後から「裁判員制度」がスタートする。私は,いまだに,何のために一般人が裁判に参加しなければならないのかが納得できない。我が国には,専門的な知識と判断力を持ったプロとしての裁判官がいるのに,なぜ一般の人が裁判に参加しなければならないのか。
 そもそも,この制度が取り入れられるようになったのは,裁判における判決のいくつかが,
「庶民感情から遊離している」と指摘されるようになったからである。このような世論形成に積極的な役割を果たしているのがマスコミであり,「被害者感情」を前面に押し出したマスコミの報道によって,世論の方向が大きく誘導されているのもまた事実である。
 「庶民感情から遊離している」と指摘される判決の多くが,
「刑が軽すぎる」というものだ。特に,最近話題になっているのは,凶悪犯罪における判決が軽すぎるのではないかという報道だ。凶悪事件の被害者または被害者家族からすれば,犯人を憎むのは当然であり,「殺してやりたい」と思うことすら感情論としては納得できる。しかし,この感情のままに刑罰を与えるとしたら,それは「私刑(リンチ)」であり,「目には目を,歯には歯を」の時代に逆戻りしてしまうことになる。
 我が国は
「法治国家」であり,「法」に照らして刑罰を与えなければならない。事実を調べ,法に照らして刑罰を決定する作業が「裁判」なのだ。刑罰が軽すぎるという印象を持つことになるのは,裁判に問題があるのではなく,法律に不備がある場合が多いのだ。
 このような状況下では,裁判員制度が開始されても,直ちにみんなが納得できるような裁判になることは期待できない。



2008.05.26 
 「サマータイム」 2

 キバナノヤマオダマキ
 昨年もこの時期に,自民党が「サマータイム」の導入を進めようと経団連と話し合いを持ったが,今年も,同じ時期に同じ話題がでている。
 どうしてこうも
「古い頭の持ち主」は何でもかんでも欧米に追随しようとするのか。悲しいと言うより,腹が立ってくる。

 経団連が推進に一役買っていることから見て,
経営者側にメリットがある制度ではあるのだろうが,我々庶民にとっては何のメリットも無いばかりか,この非科学的な制度は,科学技術の世界ではとんでもない厄介者なのだ。
 各種の
科学観測データには,観測日時の記録が欠かせない。当然,その記録は,標準時(世界または各国)であり,サマータイムではない。
 例えば,「地震が○時○分に発生」という情報は,どの時点でサマータームに修正されて発表されるのか。混乱は起こる。
 推進者は,実施のメリットとして
「省エネ」を挙げているが,信頼性のある試算が行われているのだろうか。「洞爺湖サミット」を旗印に何でもかんでも「省エネ」と言えばまかり通ると思っているのだろうが,とんでもない思い違いだ。ガソリン税の暫定税率延長でも「税が上がればガソリン消費が抑えられ,省エネ効果がある」と言っていたが,庶民の苦労をごまかすとんでもないこじつけだ。
 私は,サマータイムを導入してもそれほどの省エネ効果はないと思っている。「省エネ」と言うと,反論できなくなる雰囲気があるが,これは,単なる個人の光熱費の節約の問題ではなく,社会全体のトータルで考えなければならない問題なのだ。
 サマータイムの効果として,
「仕事が終わった後,日没までの時間が増え,アフターファイブを充実して使えるようになる。」と言っているが,優雅にアフターファイブを楽しむことのできる人は,はたしてどれくらいいるのか。現実は,勤務時間が終わっても帰宅できず,サービス残業を強いられている人がたくさんいる。私の周囲を見回しても,優雅にアフターファイブを楽しめる人は殆どいない。
 この問題に経団連が一役買っているのは,ホワイトカラーエグゼンプション制度と相まって
サービス残業を合法化しようとたくらんでいるとも疑いたくなる。



2008.05.12  
 日光パークボランティア

 環境庁は,昭和60年に全国の国立公園数カ所に自然解説のボランティア組織を作ることにした。日光はこの中に含まれていなかったが,独自に「日光パークボランティア活動運営協議会」を立ち上げ,パークボランティア活動をスタートさせた。
 環境庁が作成したボランティア組織は
「自然解説」を主な活動としたが,日光パークボランティアでは,地域の特性を考え,自然解説に限定せず,利用者指導,野生動植物の保護管理,調査,公園利用施設の維持修繕及び美化清掃をその活動内容とした。現在では全国の多くの地域でこの考え方が取り入れられている。
 現在,
日光パークボランティアとして,68人が活動している。パークボランティアの募集は不定期で行われ,前回の募集は平成13年(4期生)だった。今回,奥日光に増えすぎた鹿が植物に与える影響を継続的に調査することを主な目的とした第5期生の募集があった。
 3月15日,16日に行われた
「日光パークボランティア新会員養成研修会」に参加し,修了証をもらった。1年間は研修期間だが,パークボランティアとして活動することになった。
 基本的には,1年間に200回ほど計画されている活動の中で,参加したい活動に
希望して参加するのだが,今回募集のあった第5期生は,植生モニタリング調査を中心に活動することになる。
 最初の活動がいよいよ18日にある。ボランティアだから,何の利益や特権もないが,大好きな日光の自然保護のために活動できて嬉しい。




2008.04.08  
 立山・劔岳,自然ふれあい集会

 この週末,「立山・劔岳,自然ふれあい集会」に参加する。
 この集会は,
社団法人日本山岳ガイド協会が環境省の許可を受けて実施するもので,積雪期に立山・室堂地域の利用をどのような形で行うのが好ましいのかを,自然環境保全,安全管理対策の視点で調査,研究するために行うものだ。
 実施期間中は,
一般者の立ち入り及び利用の制限されている地域を利用することとなるため,下記のようなルールが設定されている。
・環境保全のため,必ず携帯トイレを利用し,登山終了後,一括して集め,処理すること。
・一般利用者の立ち入りが制限されているため,そのことを理解したうえで,参加者証を提示し,交通機関を利用すること。
・扇沢,黒部平,室堂の各交通機関利用入口に本事業の開催目的とその内容を明示した説明文を掲示すること。

 日本山岳ガイド協会は事業の目的を,
調査研究を通じ,積雪期の立山・室堂における適切な自然公園利用の仕組みを確立することにあると言っている。協会では積雪期を,富山県登山届出条例に明示された5月15日までと考えており,いわゆるゴールデンウイークにおいても,適切な利用制限を設けることにより,環境保全の有効な手立てになると考えている。
 協会では,適切な利用の仕組みの例として次のようなことを挙げている。
・ 積雪期の入域人数を制限する。
・ ガイドを伴い,ガイドが利用の指導を行うという条件のもとでのみ入域を認める。

 ガイド協会が提案するように,環境先進国においては,保護地域には,ガイドを伴う場合のみ立ち入りを認める場合が多く,またガイドが同行しなければ,登山道すら歩くことが許されない場合も少なくない。
 このようなことを考慮すると,立山・室堂地域においても,積雪期における公園の適正利用の方法を検討してい行く必要があるのだと思う。




2008.02.26 
 「劔岳 点の記」


 「劔岳 点の記」を最初に読んだのは,2003年に剣岳に登る直前だった。新田次郎の記述は,単なる作り物ではない真実味があり,感動した。
 
「劔岳 点の記」が映画化されることになり,2009年公開に向けて,現在撮影中だ。第1次ロケが昨年4月から10月にかけて行われ,この3月から8月にかけて第2次ロケが行われる。
 映画のキャスティングも発表になった。その顔を思い浮かべながら読んでいくと,イメージがより具体的になり,わくわくしながら一気に読み終えた。
 測量手の
柴崎芳太郎浅野忠信,案内人の宇治長治郎香川照之,測士の生田信松田竜平,柴崎と初登頂を競ったという日本山岳会の小島烏水仲村トオル。柴崎の先輩で幾度か劔岳に挑戦して登頂を果たせなかった古田盛作役所広司柴崎の新妻宮崎あおい等,かなり豪華なキャストだ。
 監督がカメラマンの
木村大作ということもあり,現地での撮影にこだわった。木村大作の最初で最後の監督作品という。
 山岳を題材とした映画やTVドラマの多くで,偽物の画面が現れ,多少山を知るものにとっては違和感を持つことがある。そう言う意味でも,この映画は大いに期待が持てる。
 もう30年以上も映画館に行ったことはなかったが,この映画だけは見に行こうと思う。



2008.02.12
 アンチスノープレート自作

 クランポン(シャルレ)のスノープレートを自作した。

 2003年にクランポンを購入したときには,スノープレートは別売りで,かなりの値段だった。現在はスノープレート付きで販売しており,トータルでは安くなった??
 シャルレオリジナルのスノープレートは優秀で,他のメーカーのクランポンでダンゴが付く状態でも,まったく問題なかった。特殊なゴム製で,弾力があるのと,断熱性があるのが良いようなのだが,詳しくは分からない。
 しかし,さすがに購入して4年も過ぎると,材の劣化がひどく,べたつくようになってしまったので,思い切って自作することにした。
 スノープレートで最も肝心なのはプレートの材質なのだが,とりあえず入手できる物で作ってみた。ポリプロピレンで0.7mm厚のものだ。
 先日の,雲龍で試してみた。帰路では気温も上がり,かなりベタ雪になったが,特にダンゴができることもなく,合格点を得られた。