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狸 窪


 中禅寺湖の南岸に狸窪 という地名のところがある。
 「狸窪」と書いて 「むじなくぼ」と読む。
 「むじな」にはれっきとした「狢」という文字があるのだが,ここではなぜか「狸」「むじな」と読ませている。
 ムジナは動物学的にはアナグマのこととされているが,タヌキヤマネコのことなどもムジナと呼ぶ地方もある。
 栃木県では有名な「ムジナ,タヌキ裁判」 が行われており,この問題,なかなか面白い。

 「ムジナ,タヌキ裁判」とは
 大正14年のある日,栃木県大萩村の猟師橋本伊之吉は猟に出,運よくムジナを仕留めた。 ところが3月1日以降は禁猟となっているタヌキを捕らえたとして「狩猟規則違反」の罪で訴えられ,罰金20円に処せられてしまった。 裁判に納得できない伊之吉は,「自分が捕らえたのはムジナであってタヌキではない」と大審院に控訴した。 大審院は専門の学者に意見を聴いた。学者によれば,地方によりタヌキのことをムジナと呼んだり,アナグマのことをムジナと呼んだりして, 呼び方に錯綜があると言うのだ。概ね,東日本ではムジナ,西日本ではタヌキと呼んでいる傾向がある。  その結果,伊之吉は無罪となった。
 一般にタヌキ汁アナグマの肉を用いたもので,秋口からの肉は脂がのってコクがあり, 実においしいものだという。 一方,その点タヌキは肉が少なく,モミの葉の様な匂いの強い植物を食べているので肉は臭くてうまくない。

 埼玉県自然史博物館ホームページ 自然史だより に  「ムジナ,タヌキ裁判」 についての解説がある。
 狸窪には2軒の民宿 があったが,2012年に取り壊されまった。2軒の民宿のうち,手前の1軒は取り壊されたままだったが,奥の「半月山荘」の跡地には,翌年に新しい宿泊施設が建築された。
 ここから,半月峠に登る道が分かれており,1時間ほどで半月峠に着く。

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