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ピ ッ ケ ル


 ピッケルが欲しいと思うようになっていた。  「雪山はやらない」が私の基本姿勢だったが,最近少しおかしくなってきた。
 もともと,雪山が嫌いなわけではなかった。若い頃, 「汗かきの体質の人は冬山はやらない方が良い。自分のかいた汗で凍死するおそれがあるから」 と言われ,汗かき体質を自覚していた私は,そのまま,「雪山はやらない」 と決めていた。
 そのころ,10月始めに尾瀬 に行ったとき,思わぬ雪に見舞われ, 汗をかきながら雪の中を歩いた ことがある。当時,今のような速乾素材のシャツなどはなく,立ち止まると汗が冷えて寒いので,3時間以上休まずに歩いてしまった。 そのことが, 「雪山はやらない」を決定的にしてしまった。
 しかし,決して雪山が嫌いなわけではなかった。スキーが滑れないにもかかわらず,雪山が見たいばかりに, 友だちの誘いにのってスキーに行ったこともある。

 山歩きを再開しても,しばらくは雪のある場所へは行かなかった。冬場はもっぱら 古賀志山 太平山など里山を歩いていた。ところが, 1999年の2月 ,奥日光の赤沼から小田代原へ行くコースならば,普通の靴で歩けるという話を聞き,半信半疑で出かけてみた。 コースの大部分は踏み固められてており,足が潜ることは殆ど無かった。天気の良かったことも幸いして,すっかり 「雪の戦場ヶ原」の虜になってしまった。 スノーシュー も買い,スノーハイキングを楽しんでいた。
 2003年の3月末黒斑山 に登る機会があった。前夜泊まった高峰高原ホテル の薦めで,黒斑山に登った。この時期,黒斑山の雪は完全にクラスト しており,スノーシューは要らなかった。 夏用のトレッキングシューズに軽アイゼンを着けただけ で山頂まで行くことができた。赤ゾレの頭から見た 浅間山の姿に感動し,また絶対この時期に来たいと思った。そのために, 冬でも履ける革靴を買い,本格的な 12本爪のアイゼンも買った。 

 山の仲間も増え,仲間に助けられながら, 2004年の12月4日と,2005年の1月3日に,日光湯元から前白根山に登った 。同行者が ピッケルを使っているのを見て,やはり, 雪山ではピッケルが必要だと思うようになった。


 GRIVEL Air Tech Special Japan  #PI295 (2005.3 購入)


 3月始め,宇都宮のICIイシイスポーツに行ったら,ネットなどで見て以前から欲しと思っていたピッケルがあった。 ピッケルの場合,体格によって最適な長さが決まっているというので,店にあるものが必ずしもちょうどいい長さとは限らない。
 グリベルというブランドのエアテックという商品で, 長さは63.5cm。私の身長(足の長さ?)ならば,58cmくらいがベストらしいが, 縦走時にステッキとして使うことが多い ので,ちょっと長めのものが欲しかった。丁度良かったのでさっそく買ってきた。 リストバンドも買ってきて,見よう見まねで付けた。


 3月27日に栃木県勤労者山岳連盟の雪山訓練 があり,ピッケルの基本的な使い方を教わった。
 4月23日,雪の谷川岳に登った。天神平 までロープウエイで上がり,天神尾根を山頂まで往復 した。本格的な雪山だったが,天候も比較的良く,無事山頂を踏むことができた。この山行では, ピッケル が大変役に立った。特に,急斜面の登りでは,雪面にピッケルを刺し,そこに手を掛けて登った。 ストックにはない信頼感があった。

 不思議なもので,ピッケル だけは他のアイテムとは異なり,持っているだけで満足感とともに妙な興奮も感じるものだ。
 (2005.9.5 作成)


 GRIVEL Monte Rosa plus NEPAL GV-PIMROS+S  (2009.3. 購入)

 チコと二人で雪山に登る場合を考え, 2009年3月に,ピッケルをもう1本購入した。 長さは 66cm。杖代わりに使う事を考えて少し長めのものにした。
 ネットで探して,今持っているものと同じGRIVEL Monte Rosa plus にした。外見は,よく似ているが,値段が安い分だけ,作りは普及品 のレベルだ。



 シャフトやグリップには差はないが,ピックとブレードが溶接 になっており,ピックの歯の加工も雑だ。単品で見ると気づかないレベルなのだが, GRIVEL AIR TECHが, ピックからアッズブレード全体が1個のクロモリ綱の鉄塊から熱鍛造されている のと比べると見劣りがしてしまう。しかし,価格を考えると”まあ仕方ないかな ”と納得できる範囲だ。もちろん,私が使うレベルでは性能に問題はない。 ピックの先端だけは,グラインダーで研いで鋭角にした。
 (2009.4.9 作成)

 シャフトの延長



 グリベル エアテック  は,私が最初に手にしたピッケルということもあって,たくさんの雪山に同行した。 作りも丁寧で,手にしっくりと合い,気に入っていたのだが,やはり, 杖代わりとして使うには長さが少々短い。「 ピッケルとはこんなもの 」として使っていたのだが,思い切ってシャフトを延長してみることにした。 以前,ネットでそのような記事を見たような気がしたので探してみたのだが,見つからなかった。
 ピッケルは,滑落のときなど,自分の命を預けるものだから, 信頼できるもので無ければならない 。そこで,強度や使いやすさなどを十分に考えて,なんとかできそうだったので,改造に踏み切った。 いつでもオリジナルの状態に戻せるように, ピッケル本体には加工を加えなかった




  パーツは,家にあったものの他は,ホームセンターでそろえた。まず, シャフトを延長するパーツ は,鉄パイプを切って使った。できれば,もう少し肉厚のパイプが欲しかったのだが,手元にあったものを使った。 新しく石突きになる先端部 は,ホームセンターで鉄金具を見つけて,それを使った。できれば が欲しかったのだが,鋼は加工が難しく,素人では加工できない。 使っているうちに先端が摩耗するだろうが,その都度研ぐことにした。
 これで,全長が約8cm伸びて, 71.5cm になった。おかげで,緩傾斜地でも着くことができるようになった。 2018/3/26の谷川岳 で初めて使ったが,強度も申し分なく,快適だった。
 (2018/03/31 追記)

 改造再挑戦

 何度か雪山で使ってきたが,延長に使った鉄パイプの肉厚がたりないため,力を入れると曲がってしまう。
 そこで,強度を高めるため,別の方法でシャフトの延長を行った。今度は強度的には,十分の強さがある。
 パーツは,すべてホームセンターで調達した。





 ピッケルは,滑落のときなど,自分の命を預けるものだから, 信頼できるもので無ければならない 。そこで,強度や使いやすさなどを十分に考えて,改造した。ただ,いつでもオリジナルの状態に戻せるように, ピッケル本体には加工を加えなかった
(2019.03.28 記事追加)