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仙 丈 ヶ 岳 2006年(平成18年) 8月27日(日)-28日(月) |
コース・タイム 8月27日(日) 北沢峠テント場(5:30) → 大滝頭(7:30) → 小仙丈ヶ岳(8:55-9:10) → 仙丈ヶ岳(10:20-11:05) → 千丈小屋(11:25-35) → 馬の背ヒュッテ(12:15-20) → 北沢峠テント場(14:30) 8月28日(月) テント場(9:00) → 北沢峠(9:30) 北沢峠(10:00) ⇒(バス)⇒ 仙流荘(10:50) 仙流荘(入浴・昼食-12:00) ⇒ 宇都宮(17:00) 同行者 キクさん |
4 第3日 仙丈ヶ岳登山 外が明るくなったのでテントを開けてみると, 霧雨が降っている もし雨が降り続くようならば,テントをたたんで下山するしかないと覚悟を決めた。 朝食は,コンビニおむすび1個を卵スープで 雑炊 にして食べた。おむすびは,作られてから時間が経っていたのだが,臭いや味に変化は なく,念のために熱を加えることで大丈夫だと判断した。とにかく,準備をして待機した。ガスは 残ったが, 間もなく雨は止んだ ので,登山に出かけることにした。 ![]() テント場から林道に出たところから, 直接に二合目に出る道 ができており,これを登った。登り始めてすぐに 「北岳展望台」 と言う矢印があったが,今日はガスの中なので何も見えないだろうから通過。 厚いガスに覆われた樹林帯は薄暗く,薄気味が悪い。ただ黙々と登り, 二合目でバス停から来る縦走路に出た。 縦走路は道幅もかなりあり,しっかりと整備された良い道だ。 登り始めて2時間で五合目の 大滝頭 についた。ここで, 小仙丈ヶ岳 方面と 藪沢 方面に分かれる。私たちは 小千丈ヶ岳から廻る ことにした。 ![]() ここからは傾斜がきつくなる。見晴のない樹林帯を我慢して登ると,徐々に視界が得 られるようになる。ガスも時々切れ間を見せるようになった。 大滝頭 から1時間30分ほどで 小仙丈ヶ岳 に着いた。 甲斐駒ヶ岳 の頂上を隠していたガスが流れ,少しの間山頂が姿を現した。昨日の今頃は,山頂を目 指して岩と格闘していた。 ![]() 小仙丈ヶ岳 から 仙丈ヶ岳 へ向かう尾根道は,ハイマツ帯につけられた 天上の散歩道 だ。 見晴らしはいま一つはっきりしないが,快適な尾根歩きを提供してくれる。 ![]() なかなか見えてこなかった 山頂 が見えると,そこにはたくさんの登山者が集まっていた。 ![]() 山頂での記念撮影 ![]() 山頂で腰を下ろし,眺望が開けることを期待してじっくりと待った。しかし, 北岳 も 鳳凰三山 も 甲斐駒ヶ岳 も最後まで姿を現さなかった。諦めて11時5分下山を開始した。 イワギキョウ ![]() オオダイコンソウ ![]() タカネヒゴダイ ![]() チングルマ ![]() 山頂から 千丈小屋 を目指して歩いていると,目の前に ライチョウ の雛(と言ってもかなり大きくなっていたが)が,3羽現れた。続いてもう1羽雛が現れ て,その後から親鳥が現れた。親鳥は,勝手に動き回る雛たちに目を配りながら,低い声で鋭く 「ガッ,ガッ」と鳴いていた。 ![]() タカネミミナグサ ![]() ホソバトリカブト ![]() 千丈小屋 付近は,一面のお花畑だった。今は,花の時期も過ぎ,チングルマの綿毛が風に揺れて いるだけだったが,ぜひ満開のときに来てみたいと思った。 馬の背ヒュッテ の前を通り,少しくだって藪沢を渡った。 藪沢ヒュッテ は無人で閉鎖されていた。数人のグループと前後しながら降っていった。二合目で北沢 峠のバス停へ向かう道と分かれ,直接にテン場へ向かう道を下った。 この頃からガスが霧雨となり,テン場についたときには,かなり降っ てきた。 今日は 日曜日 ,テン場では,小雨の降る中,テントを撤収しているグループがたくさんあった。私た ちはもう1泊して,明日下山する。 5 第4日 下山,帰宅 今日は,朝から良い天気だ。 3日間の中で最も良い天気だ ゆっくりと起きだし外に出てみるとテントの数はずっと少なくなっていた。 朝食を食べたが,テントを片付け始めるにはまだ早すぎるので, 「北岳展望台」 に行ってみることにした。この3日間, 北岳 の姿を見ることができなかったので,是非見たいと思った。 ![]() 北岳展望台 からは, 朝日に輝く北岳 を見ることができた。 ![]() 北沢峠発7:20のバスは,8月31日まで毎日運行すると 「南アルプスネット」には載っ ていたのだが,実際には毎日運行は8月21日で終了していた。しかたなく,10:00発のバス に乗った。 バスの運転手の名ガイドに, 仙流荘 までの50分が短く感じられた。 スーパー林道 は, 仙流荘と北沢峠間 で 標高差が1200m あり,山肌を削って道が作られている。かなりしっかりした道だが,路肩が崩れかかっ ている所などもあり,かなりスリルを味わうことができる。 ![]() 仙流荘 で入浴し,汗を流した。軽く昼食をとり,あとはきくさんの運転に身を任せ,帰途に就 いた。 きくさんとは,テントを担ぎ, 5月に雲取山, 7月に尾瀬 に行っている。お互いに体力や歩く速さなどもよく分かっているので,一番安心できる パートナーだ。今回は,往復の車の運転も任せてしまい,ほんとうに御世話になった。 甲斐駒ヶ岳 も, 仙丈ヶ岳 も,それぞれ素晴らしい山だ。 甲斐駒ヶ岳 は,岩場歩きが好きな私にとってはとても楽しい山だったし,山頂付近の巨大な岩の重 なりは他に類を見ない素晴らしいものだ。 仙丈ヶ岳 の,小千丈ヶ岳から山頂に向かう尾根歩きは,とても楽しく歩くことができた。見晴ら しは利かなかったが,この山には,甲斐駒ヶ岳のダイナミックさとは異なった繊細な美しさがあっ た。 この二つの山は,北沢峠を基地にすれば,1回の山行で両方登れるから, 二つで1セットのように考えていたが,それは,この二つの山に対し, あまりにも失礼なことなのだった。 ページトップへ |