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月 山 2009年(平成21年) 8月18日(火)-19日(水) |
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コース・タイム 8月18日(火) 鳥海山鉾立駐車場(11:20) ⇒ 吹浦湯楽里(入浴) ⇒ 月山八合目駐車場(14:45) 駐車場(15:05) → 御田原参篭所(15:20-泊) 8月19日(水) 御田原参篭所(6:50) → 佛生池小屋(8:15-20) → 山頂(9:20-昼食-10:10) → 佛生池小屋(11:10-35) → 御田原参篭所(12:15) → 駐車場(12:35) 月山八合目駐車場 ⇒ 庄内あさひIC ⇒ 宇都宮IC ⇒ 自宅 同行者 キクさん |
8月18日 鳥海山 を降りて, 月山 の 八合目駐車場 に向かった。 羽黒山(出羽三山神社) から月山へ向かう道路は,幅が狭く,登山口に向かう道としては 約20km と長い。しかも,普通車さえすれ違いが難しい道幅のところに, 大型バス がどんどん入ってくる。すれ違うための場所はたくさん設けられているが, 大型バスはバックしない から,結局,こちらが交換場所までバックしなければならなかった。 八合目 には(鳥海山の鉾立ほどではないが)広い 駐車場 があり,大型バスがたくさん停まっていた。 ![]() 月山レストハウス には,休憩所と売店がある。 ![]() 駐車場 の周辺には 遊歩道 が整備されている。 ![]() 遊歩道に入ったところに,付近の 案内図 がある。 ![]() 遊歩道周辺 には高山植物が多いが,この時期は多くの花が終わっていた。 イワショウブ が花を着けていた。 ![]() モウセンゴケ が 緋毛氈 のようにまっ赤になっていた。 ![]() 御田原参篭所(みだはらさんろうしょ) は, 月山 に参詣する人たちの宿舎だ。今回はここに泊まったが,宿舎や寝具は衛生的できれい, 世話をしてくれた職員の態度も良く,また泊まりたくなった。 ![]() 参篭所 の1階は休憩所になっており,お茶とお茶菓子が用意されている。側に 「お茶代」 を入れる箱が用意されており,気持ちを入れるようになっている。 鳥海山の御室参篭所 では 休憩料300円 となっており,それに比べるとずいぶんと良心的だ。 ![]() この付近は 「弥陀ヶ原」 という湿原になっている。この参篭所が「弥陀ヶ原」という言葉を使わず 「御田原」 となっているのは, 阿弥陀様 は 仏教 の如来様で, 神道 の神様ではないからなのだろう。ここには, 月山神社中ノ宮 で 御田原神社 が祀られているが,敷地の中には お地蔵様 も祀られており,ともに職員の方がお参りをし,管理している。 もともと,日本の宗教では 仏と神は厳密な区別など無く,両方を信仰していた。 ある時期,政治的な意図があって両者を分離しようとしたが,人間の心など簡単には 変えられるものではない。 夕食 は,揚げたての天ぷらなど,とても美味しかった。ワンカップも 300円 と,飲んべえにとってはこれもうれしかった。 ![]() 今夜の宿泊者 は,東京から来たという単独行の 男性1人 と,私たちの 全部で3人 広い食堂もガランとしている。 ![]() 寝所 は屋根裏だが,十分な広さがある。(もっとも宿泊者が3人だから当然かな)ふかふか の布団で新しいシーツも着いており,これはもはや「山小屋」ではない。 ![]() 8月19日 昨日までとは打って変わって空は雲で覆われている。ところどころ雲の切れ間があり, そこから朝日が射してきた。 ![]() 朝日の当たる参篭所 このときまではまあまあの天気だった。 ![]() 朝食までの時間,小屋の前に居ると, ナップザックを背負った3人連れ が駐車場の方からやってきた。見るとは無しに見ていると,ナップザックを開け,持っ てきた饅頭やお菓子を取り出した。それを お地蔵様 に御供えし, 蝋燭 を灯し,お祈りを始めた。別の一人は社務所に行き,祈祷の申し込みをしてから同じよ うにお祈りをし始めた。しばらくしてお祈りが終わると,何事もなかったように再び駐車場の方に 下りていった。この人たちは, この神社にお参りするためだけに ここまでやってきたのだ。この神社が篤く信仰されている姿の一端を見ることができ, ちょっと感動した。 朝食も美味しかった いつものことだが,山に来るとしっかりと食事をするので,帰宅して体重を量ると,増 えている。 今回もそうだった。 ![]() 食事を終え出かけようとしていると 雨が降ってきた かなりしっかりした降りだ。雨の中出かけても仕方ないので,しばらく様子を見ること にした。 もし,雨が止まなければ,このまま降りても良いと思って覚悟を決めた。 同宿だった男性は,登頂を諦めて駐車場に降りていった。(でも結局,登ることにな り,山頂で出会ったのだが) しばらくすると 雨が止んだ ので,出かけることにした。雨が強くなったらそこで引き返す。 山頂へは, この鳥居 をくぐって進む。この鳥居をくぐればそこはもう 神域 なのだ。 ![]() 参篭所周辺は 「弥陀ヶ原」 という湿地帯。遊歩道もあり,ほぼ平坦だ。なだらかな斜面に 石畳道 が延びている。 ![]() 山頂方向 にはガスがかかっており,時々,ガスとも霧雨とも分からないものが吹き付けてくる。 雨衣を着たり脱いだり,慌ただしかった。 ![]() ガスの中に 九合目佛生池小屋(ぶっしょういけこや) が見えた。 ![]() 小屋の前には お地蔵様 が並んでおり,いろいろなお供え物が供えてあった。今も続いている信仰心の強さを感 じた。 ![]() 小屋から少し登ると再び 石畳道 となる。もう,急な登りはない。 ![]() ミヤマウツボグサ ![]() 尾根に出て左折するとすぐに 木道 が始まる。ここは,風が強く,大きな樹木が育たないようだ。 ハクサンイチゲ がきれいに咲いていた。 ![]() 木道を進み,尾根を右に曲がると 頂上の神社 が見える。 ![]() ウサギギク は,北アルプスではたくさん見られるが,月山では珍しかった。 ![]() 頂上直下まで来て再び雨が強くなった。急いで,頂上の 休憩小屋 に駆け込んだ。 しばらくすると雨も止み,日がさしてきたので, 奥社 にお参りすることにした。 ![]() 奥社にお参りしたあと,鳥居の前で休憩した。目の前には 頂上小屋がある。 ![]() 西の方を見ると ,姥が岳の方に向かう登山道 が見えた。 ![]() 頂上 にいる間にも,空模様は目まぐるしく移り変わった。今日は,下山後に 宇都宮 まで 帰らなければならないので,名残は惜しかったが下山することにした。 歩き始めると,神社の前で手を振っている人がいる。昨夜同宿だった男性だった。一 度は登頂を諦めて駐車場まで戻ったのだが,天気が回復してきたので,再び登って来たのだという。 イワイチョウ ![]() ミヤマダイモンジソウ ![]() 雄大な景色 が広がる ![]() この地域のアザミ には何種類かがあるが,これは オクキタアザミ かな? ![]() ハクサンシャジン ![]() ハクサンイチゲ ![]() ヒナウスユキソウ ハヤチネウスユキソウに近い ![]() 木道 を下る ![]() トウウチソウ(白花) ![]() トウウチソウ(赤花) ![]() ミヤマアキノキリンソウ ![]() 途中,登山道から30mほど入ったところに お地蔵様 が祀ってある。その近くで,祖母らしい人と小学生くらいの男の子2人と出会った。祖 母は子どもに何個かの飴を渡し, 「お地蔵様に飴っこあげれ」 と命じていた。地元の言葉の優しい響きとともに,生活に根付いた信仰というものを感 じた。こんな風にして子ども達へ信仰心が受け継がれるのだ。 これは ウゴアザミ ![]() 御田原参篭所 が見えた ![]() エゾオヤマリンドウ ![]() 八合目駐車場 ![]() 月山 は,想像以上に 「信仰の山」 だった。この日も, 白装束 で登る人が多く,登山者の約半数は白装束だった。 私も感化され 金剛杖 を買ってしまった。 佛生池 と 山頂神社 で焼き印も押してもらった。再び月山に登るときはまたこの杖を持って行こうと思う。 今回の2泊3日の 「東北山行」 は,急な思い立ちだったのだが,きくさんの案内のおかげで,無事に多くの感動ととも に終わることができた。いつものことながら,きくさんにはお世話になりました。 この雄大な山容と東北人の優しい心遣いが私の心の中に大きく残った。また行きたい と心から思った。 ページトップへ |