閉じる |
会津駒ヶ岳・中門岳 2017年(平成29年) 9月9日(土) |
![]() |
コース・タイム 自宅(4:04) ⇒(東北道)⇒ 上三依(5:21) ⇒ 山王峠(5:28) ⇒ 登山口駐車場(6:34-昼食) 駐車場(6:57) → 登山口(7:04) → 水場(8:34-42) → 展望所(9:41-51) → 駒の小屋(10:07-19) → 駒ヶ岳山頂(10:41) → 中門大池(11:15-昼食-36) → 駒の小屋(12:31-42) → 展望所(12:52-55) → 水場(13:42-46) → 登山口(14:52) → 駐車場(14:57) 登山口駐車場(15:02) ⇒ 道の駅「尾瀬檜枝岐」(15:13) 入浴,夕食,仮眠 (翌日) 道の駅(3:30) ⇒ 鬼怒川温泉 ⇒ 自宅(5:52) 同行者 単独 |
9月9日,10日
の2日間は,高気圧に覆われ,全国的に良い天気になると言う。さて,どこに出かけよう
かと思案の末,
会津駒ヶ岳
に登ることにした。まだ,草モミジには少し早いのだが,
駒ヶ岳から中門岳にかけての稜線
は,何はなくてもそれだけで十分に魅力のある山だ。 会津駒ヶ岳 は,私の最も好きな山の一つだ。好きな理由は色々あるが,まず簡単に登れないことがい い。 中門岳 まで行くと, 累積標高差 は ±1110m,距離 は 往復で15.0km ある。これははかなり覚悟してかからないといけない。コースに危険な場所はないのだが, 体力・気力的に厳しい山だ。 でも,頑張って稜線まで上がってしまえば,そこには 池塘や湿原が点在 し, 高山植物が咲き乱れる別天地 なのだ。 会津駒ヶ岳 には,今までに 6回 登っている。全て日帰りで,初夏に2回,秋に3回,残雪期に1回である。前回登ったの は昨年7月年だった。 日帰りと言うことで,宇都宮の自宅を 午前4時 に出発した。東北道を西那須野ICまで走って,塩原から上三依に抜け,山王峠を越えて 福島県に入った。 檜枝岐 に向かうと,正面の山は中腹から上にガスがかかっている。好転することを期待して車を 進めた。 ![]() 予想はしていたのだが,既に 多くの車 が空き地や路肩に停められている。ざっと数えて50台は越えている。 私も路肩の広くなっているところに車を停めた。速いときには,自宅からここまで2時 間で来ることもできたのだが,今日は車が多く,2時間30分かかった。 気になっていたガスもすっかり上がり,既に強い陽射しが照りつけている。車の車外温 度計は 14℃ を示している。爽やかで,絶好の登山日和だ。 ![]() 登山口のポストに, 登山届け を出してスタート。 ![]() 木漏れ日 が登山道に降り注いでいる。地面は濡れていてややスリッピーだ。 ![]() 登山口から1時間30分で 水場 に到着した。標準タイムどおりだ。多くの登山者が休んでいた。 ![]() 水場から少し登ると,木立の間から南方が見渡せるようになる。 日光白根山 は特徴的な山の形から,すぐにそれと分かる。 ![]() 更に少し登ると, 駒ヶ岳から東に延びた稜線 が見えてくる。中央が 2098mのピーク だ。 ![]() 登山道はよく整備されている。 ぬかるみが全く無くなった訳ではないが,以前に比べると格段に歩きやすい。 ![]() 尾根に出て少し歩くと, 展望所 がある。ここからは, 駒の小屋 と 駒ヶ岳の山頂 が望める。 ![]() 古い木道はかなり傷んでいる。 会津駒ヶ岳 は 日光国立公園 から 尾瀬国立公園 が分離したときに国立公園に繰り入れられたのだから,もう10年になる。この際,きち んと整備したらどうだろうか。 ![]() 駒の小屋 への最後の登り。なかなか近づかない。 ![]() 駒の小屋前のベンチ にはたくさんの人が休憩していた。既に山頂に向かっている人も多く,山腹の登山道にそ の姿が見える。 ![]() 少し休憩して, 駒ヶ岳の山頂 に向かった。振り返って 駒の池 と 駒の小屋 を見る。駒の小屋に泊まるには予約が必要だが,食事の提供はない。たぶん今日は満員な のだろう。 ![]() 駒ヶ岳の山頂手前から 駒の小屋 と 燧ヶ岳 を望む。私はこの光景が大好きだ。均整の取れた燧ヶ岳の右肩には 武尊山 が見える。そして左には, 荷鞍山 から, 四郎岳 ,特徴的な形の 白根山 まで確認できる。いつまで見ていても飽きることはない。 ![]() 間もなく, 駒ヶ岳の山頂 だ。山頂周囲の樹木を切ったのか,少し見晴らしが良くなったようだ。山頂標識には 「会津駒ヶ岳」 とあるが,国土地理院の表記は 「駒ヶ岳」 だ。全国に 「駒ヶ岳」 と名前の付く山はたくさんあるので,便宜的に頭に地域名を付けて, 越後駒ヶ岳 とか, 甲斐駒ヶ岳, 木曽駒ヶ岳, 秋田駒ヶ岳 などと呼ぶが,殆どの場合,地形図の表記は 「駒ヶ岳」 である。ただ「駒ヶ岳」とだけ言う場合は,北海道大沼公園の北にある駒ヶ岳を指すこと が多い。 ![]() 山頂を後にして 中門岳 に向かう。中門岳までの2.2kmは, 池塘が点在し,高山植物が咲き乱れるまさに天上の散歩道 なのだ。 ![]() 途中, 緩やかなコブ を2つ程越える。 ![]() 木道の傷みも進んでいる 特に痛みの激しいところを修復するためだろうか, 材木など がヘリで運ばれて置いてあった。 ![]() 正面に見える山の左奥が 三岩岳 だ。2009年の10月に登ったことがある。登るにはなかなかきつい山だが,登山道の 紅葉はすばらしい。苦しくてもまた登りたくなる山だ。 ![]() 中門大池 に着いた。この標識には, 「中門岳(この一帯を云う)檜枝岐村」 とある。私が初めて来た 2002年には既に傾いていた。 中門岳には, はっきりとした山頂 がない。最高点はこの先に行ったところにあるが,三 角点はなく,2060mの 水準点 があるだけだ。水準点と言っても,三角点のように基準の石などがあるわけではないので, どこが水準点なのかは分からない。 ![]() 今日はここまでとし,ベンチに腰を下ろし, 昼食タイム とした。先客がたくさんいたのだが,ちょうど席を立つ人がいてベンチが空いたので,入 れ替わって座ることができた。 ![]() ゆっくりしたかったのだが,登山者が次々と到着し,ベンチの空くのを待っているよう なので,下山にかかることにした。 登りでは,歩くことに専念しようと,途中での 写真撮影は自粛していた ので,降りでは思う存分写真を撮ることにした。この時期は,咲いている花は少ないが, その中でも最も目だったのが イワショウブ だった。 ![]() 花が終わると 赤い実 になる。 ![]() この 赤色の実 もきれいだ。 ![]() 中門岳周辺には モウセンゴケ が多い。栄養の少ない湿原で,小動物を粘液で捕らえ,その窒素分を栄養とするのだ。 ![]() 駒の小屋の近くまで戻ってきた。 稜線に懸かる雲が増えてきた ようだ。上空を雲が通過し,陽射しが遮られる時間も増えてきた。 ![]() これは ミヤマリンドウ タテヤマリンドウ よりは色が濃く,喉の所の縦線の文様がない。 ![]() チングルマ は綿毛になっていた。名前の基になったという 「稚児車」 を想起させる。 ![]() イワイチョウ は イチョウ(銀杏) のように黄色に黄葉する。 ![]() ミヤマアキノキリンソウ アキノキリンソウ の高山型で,アキノキリンソウより背は低いが,個々の花はやや大きい。しかし,両種は 混在しており,厳密な区別は難しい。 ![]() コバイケイソウ 2010年7月に登ったときコバイケイソウが満開だった。このコバイケイソウの花を 見ようと,2016年に再び訪れたのだが,そのときは1本も咲いていなかった。今年はどうだった のだろうかと,花穂の名残を探したのだが,見つけることはできなかった。ここのコバイケイソウは 4〜5年置きにしか開花しない のだという。 ![]() そんな中で,わずか数本だが, 咲いている株 を見つけた。もしかしたら来年は満開になるという前兆なのかな? ![]() オニアザミ 花は,茎の先端に2〜3個まとまって付く。オニの名にふさわしく大きくごつい。 ![]() イワハゼ 実は赤い が花は真っ白だ。別名の アカモノ は アカモモ(赤桃) が転訛したという。 ![]() タケシマラン 花はとても小さく,撮影に苦労するのだが,赤く熟した実は大きく,驚くほどだ。 ![]() マイヅルソウ 実(液果)は始めは緑色だが,徐々に赤褐色の斑点が増えていき,最後は全体が 赤く熟する。 ![]() 登山口の階段 まで下ってきた。水場から1時間6分だった。特に急いだわけではなかったのだが,今ま での最短タイムだった。 ![]() 駐車場の車は,少なくなってはいたが, 停めてはいけないと指示されたところに 我が物顔で停めている車が 目だった 左側に何台かの車が写っているが,ここは車がUターンするためのスペースなので 駐車しないように という張り紙がされている場所だ。朝に出発するときには車はなかったのだから,遅くな って到着した車が,強引に停めていったと言うことなのだろう。 ![]() 今日は,午後になって 上空を横切る雲が増えてきた が,終日良い天気で,すばらしい山登りができて大満足だった。それにしても,会津駒ヶ 岳でこれほど多くの登山者を見たのは初めてだった。それだけ好天を待ちわびていたと言うことなの だろう。 久しぶりの本格的登山で,足はフラフラになったが,膝や腰の痛みも出ずに歩き通すこ とができて良かった。 下山後は, アルザ尾瀬の郷 で温泉に入った。アルザ尾瀬の郷は 道の駅「尾瀬檜枝岐」 になっており,トイレを含んだ建物が新設され,駐車場も新しく作り直されていた。 入浴後は,隣の食堂で生ビールを飲んで夕食を食べた。今日は車内泊の用意をしてきた ので, 車内で仮眠 し,翌朝帰宅の途についた。 ページトップへ |