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ハクサンシャクナゲ
(ツツジ科) |
私がはじめて
ハクサンシャクナゲ
に会ったのは,学生の時に登った
奥白根山
だった。でも,当時は花には興味が無く,印象も薄く,記憶にも残っていない。
次に見たのは,たぶん,1980年に 奥穂高岳 に登ったとき, 涸沢 手前の雪渓の脇に咲いていたものだった。印象としては白よりも,薄黄色だったような気 がしている。もしかしたら, キバナシャクナゲ だったかもしれない。 身近なところでは, 那須清水平周辺 で シャクナゲ の群生が見られる。これは アズマシャクナゲ だ。一方, 日光白根山 (奥白根山)とその周辺でも群生が見られるが,これは ハクサンシャクナゲ だ。もっとも,全てチェックしたわけではないので, アズマシャクナゲ も混じっているかも知れない。 ![]() 長い間, アズマシャクナゲ と ハクサンシャクナゲ をどのようにして見分けたらいいのか悩んでいた。高山植物の本に, 「葉の裏に茶色の毛が密生しているのがアズマシャクナゲ」 と書かれていたのを頼りに,葉の裏を見ていたが,どうもはっきりしない。決定的な違い が見いだせない。 最近になって,植物図鑑を詳しく読み,決定的といえる違いを見つけた。それは, 葉の付け根の構造 だった。 アズマシャクナゲ では,葉の縁が 流れるように 葉柄に繋がっている。それに対して, ハクサンシャクナゲ では,葉の縁と葉柄が 90度以上の角度 で接していることだ。さっそく,実際に山に登って実際の葉で確認すると,その違いは明 確だった。長い間の疑問が解決した。 ![]() 一方, キバナシャクナゲ は,シャクナゲの仲間では最も高いところに生育する種類で,ハイマツと混生している場 合などが多い。この場合は背丈は低く,全体として小形になっているが, ハクサンシャクナゲ と樹形で区別するのは難しい。 キバナシャクナゲ では,葉は全体に丸形で,葉柄は短く, 葉の縁とは流れるように接している。 葉柄の形は アズマシャクナゲ に似ているが,両者は生育場所や,葉の全体的な形で区別することができる ![]() |