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北海道ドライブ 2005  その1

第1日(8月3日)  宇都宮 の自宅から 仙台港 まで
第2日(8月4日)  苫小牧港 から支笏湖観光後 小樽 まで
第3日(8月5日)  小樽 から札幌市内観光後 層雲峡温泉 まで

その2へ


プロローグ 

 「私が退職したら夫婦二人で旅行をしよう」 が,私たち夫婦の口癖だった。今までは,年に1〜2度の温泉旅行が関の山で,あとは登 山の後に民宿に泊まる程度だった。私は昨年定年退職したが,すぐにフルタイムの職場に再就職し, その年は旅行に出かけるのは無理だった。今年になって,職場の協力もあって旅行に出かけられるよ うなった。
 旅行期間は 8月3日から10日間程度 で,場所は 北海道  できれば,計画など立てずに行き当たりばったりの旅行をしたかったのだが,夏休みの 北海道はラッシュアワー並の混雑の場所もあると聞いており,最低限でもフェリーの予約だけではし なくてはならない。結局, 往復のフェリーと7泊の泊まる場所を予約した   泊まる場所が決まってしまうと 旅行の自由度はかなり低下するが,初めての試みなので 我慢することにした。
 計画した日程の概要
8月3日
  宇都宮 ⇒ 仙台港 ⇒ (フェリー泊)
8月4日
  苫小牧港 ⇒ 支笏湖 ⇒ 小樽(ペンション)
8月5日
  小樽 ⇒ 札幌 ⇒ 層雲峡(ペンション)
8月6日
  層雲峡 → 大雪山(黒岳) → 層雲峡 → 東藻琴(キャンプ場)
8月7日
  東藻琴 ⇒ 阿寒湖 ⇒ 摩周湖 ⇒ 屈斜路湖 ⇒ 斜里(YH)
8月8日
  斜里 ⇒ 知床 ⇒ 納沙布岬 ⇒ 釧路(ペンション)
8月9日
  釧路 ⇒ 襟裳岬 ⇒ 洞爺湖(キャンプ場)
8月10日
  洞爺湖 ⇒ 大沼 ⇒ 函館(民宿)
8月11日
  函館港(フェリー)青森港 ⇒ 宇都宮

 8泊の内,フェリーに1泊,キャンプ場に2泊,ペンションに3泊,ユースホステルに 1泊,民宿に1泊と言うことになった。北海道のホテルや旅館では,夏休み期間中は 割増料金 を取るところが多く,かなり高額になるためこれを避けた。


1 宇都宮から仙台港まで(8月3日(水))

 自宅発(12:00) -(昼食)- 仙台FT(16:20) 乗船(18:20) 出港(20:00)

 宇都宮から北海道にフェリーで渡るには,
 1 仙台 ⇒ 苫小牧 (太平洋フェリー)
 2 大洗 ⇒ 苫小牧 (東日本フェリー)
 3 八戸 ⇒ 苫小牧 (東日本フェリー)
 4 八戸 ⇒ 室蘭 (東日本フェリー)
 5 青森 ⇒ 室蘭 (東日本フェリー)
 6 青森 ⇒ 函館 (東日本フェリー)
 7 大間 ⇒ 函館 (東日本フェリー)
 などがあるが,長距離フェリーほど,予約をするのが難しいらしい。 大洗⇒苫小牧航路 は,売り出し初日に売り切れてしまうと言う。 太平洋フェリー 仙台⇒苫小牧航路 に乗ることに決めて,発売3日後にネットで予約をしたが,1等船室は2人部屋の特別室 が1室しか空いていなかった。大奮発して,そこを予約した。

 ○ フェリー
 仙台港発のフェリーは 午後8時 出港。2時間前までに乗船手続きをしなければならない。そのため,宇都宮を12時に出 て,途中で昼食を食べて仙台港に向かった。
 東北道から仙台港まで高速道が接続した ので,ずいぶんと早く着いた。船上で食べるものを仙台港の近くのコンビニで買って,乗 り込むことにした。
 仙台港フェリーターミナル では,乗船車両用の駐車場に車を置き,ターミナルビルで乗船手続きをした。4番目だっ た。

 乗船を待っている間に夕立があり,かなり強い雨が降ったが,乗船が開始になったとき は,雨は殆ど止んでいた。


 乗船した フェリーは太平洋フェリーの 「いしかり」 1万4千トン,7階建ての大きなビルが海に浮かんだようなものだ。


 ○ 乗船


 同乗者は,安全のため,自動車に同乗しての乗船はできず,ターミナルビルからデッキ を通り 徒歩で乗船 しなければならない。
 自動車の乗船順は手続き順ではなく,駐車場に車を停めた順だった。船首の入口から車 を乗り入れ,スロープを2回下り,最後は バックで停車位置に停めさせられた  今までにも何度かフェリーを利用したことはあったが, バックで停車させられたのは初 めてだった。誘導はあったが,暗い船倉で,狭い隙間にバックで停めるのはかなり苦労した。結局, 後ろの壁際から2台目 と言うことになり,下船も最後の方になってしまった。船の構造などによって,いろいろ な乗せ方があるのだからしかたないが,これも運が悪かっただけと割り切ろう。

 船室は, 1等の特別室 で,進行方向に窓がある, 204号室

 途中のローソンで買ってきた夕食。ビールは,船内の自動販売機で購入

 これほどの大きさでも,波があれば揺れることもある。 しかし,今回は, 全くと言っていいほど揺れなかった
 この航路には, 今までに2度 乗船したことがある。いずれも 苫小牧から仙台 へ向かったのだが,2度ともかなり揺れた。特に最初のときは,出航後に低気圧が急速で 接近したため,三陸沖まで来たところで函館湾に戻って待避し,翌日昼過ぎに函館湾を出て仙台港に 向かった。仙台港に着いたのは苫小牧を出た2日後だった。このときは,さすがに船酔いがひどく, ほとんど食事ができなかった思い出がある。
 1等船室(個室)はさすがに快適で,ゆっくりと眠ることができた。



2 苫小牧港から小樽(8月4日(木))

 苫小牧港着(10:30) 下船(11:10) - 支笏湖(12:00-遊覧船-13:00) - 小樽着(16:40) - 祝津海岸(17:42) - 小樽運河(19:00) - 宿


 ○ 海の上


 例によって朝は早くから目が覚めてしまい,明るくなるのを待って甲板に出てみた。 少し強めだったが,爽やかな風が気持ち良い。昨夜降った雨が,デッキに水たまりを作っていた。 海の色は神秘的な藍色で,船首がかき分けた水が,水面に真っ白な波を作っている。

 朝食はレストランで 一人900円のバイキング  このあとの船酔いが心配されるほどたくさん食べた。おかげで,この日は昼食抜きにな ってしまった。

 ○ 支笏湖へ
 定刻通りに 苫小牧港 に着いたのだが,下船に手間取り,苫小牧港を後にしたのは, 11時を過ぎて いた。

 今日は, 支笏湖 を通って 小樽 まで行く。

 一路, 支笏湖 を目指した。  苫小牧港からの道路は 片道4車線  さすがに「北海道は広い」。まず近くのガソリンスタンドで給油。単価125円で38 リットルを給油した。
 北海道の道路で面白いものがある。それは上方から矢印で路肩を示している 路肩マーク  中には,夜になると電気がつくものもある。積雪時に路肩の位置を示すものだが,これ はそれだけ雪が深いと言うことを示すものでもある。

 支笏湖畔の駐車場 に車を入れる。駐車料金は410円。 財団法人自然公園財団 が運営するもので, 全国一律 の料金だ。
 まず,支笏湖ビジターセンターへ。

 支笏湖で「ニジマス料理」を食べる予定だったのだが,二人とも腹が空かないというの で,パス。
 その代わりに,往復30分の 遊覧船 に乗った。この遊覧船は 「水中遊覧船」 といい,水面下の船腹が ガラス張り になっており,水中が見渡せるようになっている。魚の姿は殆ど見えず,溶岩が急に冷え てできた 「材木岩」 や,水温が低いため水没したままで腐らない大きな木 などを見た。 樽前山は雲の中で見えなかった。

 「山線鉄橋」は,明治末期に王子製紙が資材運搬のために設置した鉄道の鉄橋。昭和2 6年に廃止され,以後は歩道橋として利用されている。赤い橋は,観光の名所。



 ○ 小樽へ
 支笏湖 から 真駒内 の方に下り, 定山渓温泉 を目指して再び山に入った。定山渓温泉から, 定山渓レークライン を通って 小樽 に行こうとしてしばらく進んだところで,いきなり 通行止  土砂崩れの工事のため,昨日から通行止めになったとのこと。そう言えば,途中の 道路情報板 「○○方面通行止」 の表示があったのを思い出した。しかし,道路には立て看板など何もなく,そのまま進ん できてしまった。仕方ないので,再び 真駒内 に戻り,札幌市内を通り,札幌西インターから 札樽道 に入った。終点の 小樽インター から,今日の宿へ直行した。

 ○ ペンション ヴィラ・マウンテング
 今日の宿は 天狗山 の麓にある 「ペンション・ヴィラ・マウンテング」  もともとユースホステルだったものを最近になってペンションに変えたものだ。朝食付 きで一人5500円。ここに車を置いて小樽の町に出ることにした。



 ○ 小樽の街
 事前の調べでは,ペンションから 小樽運河まで3.6km  歩いて行けない距離ではないので,ペンションの人に「歩いていけますか?」と聞いて みたところ, 「坂を下るので20分くらいで行けますよ」 という。ほんとうかなとかなと思いつつも,地図を書いてもらい,歩いてペンションを出 た。

 外はカンカン照りの暑さで, 「北海道がなんでこんなに暑いの?」 と恨み言を言いながら坂道を下っていった。30分ほど歩いたがいっこうに海に近づかな い。 後で分かったことなのだが,どうやら別の観光名所の一つである 「メルヘン交差点」 への道順を教えてくれたらしい。
 疲れたので,そこでタクシーを呼び,小樽運河まで乗ろうとした。すると運転手が, 祝津海岸 にある小樽市水族館の上にある 展望台 が良いというのでそこまで行くことにした。

 運転手に写真のシャッターを切ってもらったりしてから,麓の 青塚食堂 まで連れて行ってもらい,タクシーを降りた。食事が終わった頃,電話すればまた迎えに 来ると言ってタクシーは帰って行った。

 ○ 特製ウニ丼
 小樽では,ぜひ, うまい寿司 か, 新鮮な魚 を食べたいと思っていたので,少し遠かったが,ちょうど良かったわけだ。ここでしか食 べられないという 「ウニ丼」 を食べることにした。
 バフンウニのウニ丼 3700円


 ムラサキウニのウニ丼 2700円,  かなりいい値段だ。それらを一つずつ取り,二人で半分ずつ分けてごはんに乗せること にした。

 生ビールとイカ焼きも一つずつ頼んだ。やはりバフンウニは甘さが違った。最初からこ んなに金を掛けてしまい,明日からは財布のひもを引き締めなければならない。

 帰路は,タクシーを呼ばずに,路線バスで 小樽駅前 まで戻った。バス代は,なんと市内一律料金の200円。タクシーを呼ばなくて良かった。
 バスを,終点の一つ手前で降り, 小樽運河の赤レンガ倉庫群 を見たが,ここは観光客でごった返していた。近くでタクシーを拾い,宿に戻った。



3 小樽から層雲峡まで(8月5日(金)) 

 出発(8:40) - 藻岩山(9:50-10:10) - 羊ヶ丘(10:40-50) - 札幌テレビ塔(12:00) - 時計台(12:30) - 層雲峡温泉着(17:45)




 ○ カーナビ
 宿で朝食を食べ,札幌に向かって出発した。昨日通った道を札幌西インターまで戻り, 藻岩山展望台 を目指した。
 今回の旅行では, カーナビ のお世話になった。カーナビがなかったら,こんなにスムーズに運転できなかったと思う。 そう言う意味で,カーナビにはとても感謝している。しかし,何度か 「迷走」 もあった。 GPSの電波が受信できない のか,あるいは本体に内蔵されている コンパスが誤作動 するのか,自分の向きが分からず,設定したルートを外れて 円運動 を始めることが何度かあった。場所が分かっているところで,現在位置と向きを修正して やれば復帰することがわかったので,二度目からは落ち着いて対応できた。GPSの電波を受信して いるときは,画面に「GPS」と表示されるのだが,長時間この表示が出ないことがあった。私の車 では,GPSのアンテナが,ダッシュボード中央の見えないところに有るのだが,後付のETC本体を, ダッシュボード中央に付けてしまったため,GPSのアンテナに電波が届かなくなってしまったらし い  帰宅後に,ETCの位置を動かしたら正常に動作するようになった。

 ○ 藻岩山展望台
 藻岩山展望台 は,札幌市街が一望の下に見渡せる場所だ。


 これは, google で見つけた現在の藻岩山の姿。当時は,山頂展望台のすぐ下まで車で上れたが,現在は中 腹駐車場までしか入れない。

 山頂展望台


  駐車場のまわりには ハマナス が咲いていた。

 藻岩山展望台 からの眺め。 写真のもう少し右には,霞んではいたが, 札幌ドーム が見えた。双眼鏡で探して テレビ塔 も確認できた。 さすがに札幌は大きな街だ。


 ○ 羊ヶ丘展望台
 次ぎに, 羊ヶ丘展望台 に向かった。

 ここは入口で 入場料 を取られた代わりに,駐車料金はなし。「丘」といってもそれほど高さがあるわけではなく 「クラーク博士」 の銅像だけが有名な観光地だ。後ろに札幌ドーム。


 ○ 札幌市内
 いよいよ,札幌の中心へ向かって車を走らせた。

 中心に近づくに従い,渋滞が始まったが,それも少しの辛抱で, 大通公園の地下駐車場 に入ることができた。
 大通公園 の地下は,大きな地下街になっており,地下街を通って テレビ塔 を目指した。テレビ塔は札幌のシンボルであり,観光から外すことはできない。有料のエ レベーターで展望台まで上り,展望を楽しんだ。

 テレビ塔を降りた後,予定では, 大通公園 を散策しながら, 時計台,赤レンガ庁舎 などを見て,どこかで昼食を食べることになっていた。しかし,今日は 猛烈に暑い  時計台だけ見てさっさと地下街へ避難してしまった。


 今日はこの後,旭川を通過し, 層雲峡温泉 まで行かなければならないので,とにかく先に進むことにして駐車場を出た。途中で ファミレス でもあればそこで昼食にしようと考え,キョロキョロしていると, 「回転寿司」 の看板が目に入った。よし,ここに入ろう。二人で13皿,1573円だった。さすがに 新鮮で, 100円寿司 とは思えない美味しさだった。




 ○ 層雲峡へ ・・・あわや!
 札幌インターから道央道に入り 旭川北インター(比布JCT) まで高速を走った。交通量は少なく, スピードオーバー に注意ながら走った。高速道は単線区間も多く,そのため所々に追い越しのための 追越車線 ができていた。
 旭川 の少し手前,単線が2車線になったので, 前の車を追い越そう として,右車線に出てアクセルを踏んだ。ちょうど前車の真横に並んだとき,数台後ろで, 赤色灯を着けた車が追い越し車線に出てきた のが分かった。その車は赤色灯を回転させたまま近づいてくる。徐々に パンダ模様 もはっきりしてきて, サイレンの音 も聞こえてきた。これはやられたかなと思ったが,スピードは 110km/h 程度だ。このスピードで捕まるのだろうかと思いながら,追い抜いた車の前に入ってスピ ードを落とした。パンダ模様の車が横に並んだとき,当然停車を命じられるのだろうと思っていたら, その車は,そのまま高速度で 私の横を走り抜け  前方に走り去っていってしまった。ほっと胸をなで下ろした。そのあとは,スピード違 反には十分注意して走るようになった。と言っても,前後にも対向車線にも他の車が全く見えない畑 の中の直線路を,制限速度で走れというのは無理なことだった。
 明日は, 大雪山の黒岳 に登る。そのため,高速を降りたところで,コンビニを探し,行動食のためのパンを買っ た。

 ○ 花ペンション・ユーカラ
 層雲峡温泉は,こぢんまりとしたきれいな温泉街だ。

 今日の宿は,黒岳に登るロープウエイ駅のすぐ前にある 花ペンション・ユーカラ  1階が土産物屋で,2階が客室になっている。 「花ペンション」 と言うだけあって,たくさんの花で埋め尽くされたきれいなペンションだ。


 到着後すぐに風呂に入り,コインランドリーで洗濯もすませた。ここの風呂は温泉では ないが,明日,下山後に 黒岳の湯 に入る予定なので今日は我慢しよう。
 夕食時,ネットで手に入れたクーポン券で,グラスワインをサービスしてもらった。  料理は,女性が喜びそうな,しゃれたコース料理で,ビールを追加して飲んだので,十 分満足した。

 ここの売店で,お土産に 「日高昆布」 を買った。安いと思ったのだが,そのあと,どの店でも同じ値段だった。