北海道ドライブ 2005  その2

 第4日(8月6日)  黒岳登山  と 東藻琴 まで
 第5日(8月7日)  東藻琴 から 清里(斜里) まで
 第6日(8月8日)  清里 から知床経由で 釧路湿原塘路 まで

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 4 黒岳登山と東藻琴まで(8月6日(土))

 ロープウエイ山麓駅(6:00)-(黒岳登山)-下山(12:50) - 入浴・昼食 - 銀河の滝(14:50) - 大函(15:00) - 藻琴山キャンプ場

 まずは,始発のロープウエイに乗って,黒岳に登った。 黒岳登山のレポは別項とする。

 ○ 層雲峡温泉
 下山は 12時50分  車に置いてあった「入浴セット」をもって 黒岳の湯 へ。この時間は客も少なく,ほぼ独占状態だった。涼しい風が吹き,露天風呂が最高だっ た。

 車に戻り,宿を後にした。少し移動して屋根付きの駐車場(無料)に車を入れ,再び黒 岳の湯へ戻り,レストランで昼食にした。 野菜カレー がエスニック風で美味しかった。
 層雲峡温泉 は,最近,地区全体の整備をしたらしく,たいへんにきれいで感じが良く,素晴らしいと ころだった。

 ○ 銀河の滝・大函
 層雲峡 を後にして, 銀河の滝 へ向かった。

 以前に来たときには,川沿いを道路が通り,車窓から眺めたのだが,今はトンネルを掘 ったバイパスが通り,走りながらでは見えない。旧道に入り少し行くと有料駐車場があり,大型バス などたくさんの車で賑わっていた。ここには 「流星の滝」  「銀河の滝」 の2本の滝があるが,駐車場からよく見えるのは 「銀河の滝」 だ。さすがにスケールが大きい。


 もう一つの名所 「大函・小函」 も,バイパスから少し旧道に入る。ここの駐車場は無料だが,観光客も少ない。


 見事な 柱状節理 が見える。



 これで,今日の観光予定は終わったので,一路,今日の宿泊地 「藻琴山キャンプ場」 に向かう。 「藻琴山」 芝桜 で有名な所で,満開の時期には必ずTVで紹介されるところだが,今は咲いていない。

 ○ 留辺蘂
 石北峠 から 留辺蘂 に向かう。留辺蘂は,かつて私の両親が 開拓で入植した 場所だ。母は, 「苦労以外の何ものもなかった」 といって多くを話してはくれなかったが,入植した年から8年連続の冷害で実の成るもの は 燕麦 以外何も収穫できず,命を繋ぐのが精一杯だったという。生前,母を北海道旅行に誘って も, 「苦しいことを思い出したくないから行かない」 と,二度と北海道の地を踏むことはなかった。実際の入植地は JRの金華駅 の近くの ポンムカ というところで,前回来たときに, 石北線 を走る 気動車 の窓からその辺りを眺めることができた。今回も行きたかったのだが,先が長いので諦め た。
 当時, 留辺蘂 には私の祖父が起こした 木工場 があった。 留辺蘂川 の流れを利用して,ドイツから輸入した 水力発電機 を仕掛け, 電力による動力製材 を行うなど,建築材の生産を中心に大々的に商売していたと聞く。私の従兄弟が跡を継い で,最近まで木工場を経営していたが,今は止めている。そこには今も従兄弟の子どもが住んでいる のだが,特に行き来しているわけではないので,立ち寄るのは遠慮した。

 ○ 藻琴山温泉
藻琴山温泉キャンプ場 をカーナビにセットし,カーナビの指示通りに車を進めたのだが,肝心の目的地が少しず れていた。 東藻琴 から 川湯温泉 に向かう 道道102号線 には, 藻琴山温泉 の他に 藻琴山高原温泉 がある。藻琴山高原温泉にもキャンプ場があり,誤ってそこを目的地に設定してしまった。 そのため, 美幌 から国道334号を 東藻琴 に進みここから道道102号に入るのが正しいルートだったのに, 美幌から山を越えて102号に 入った。更にここで左に山を降るように曲がれば良かったものを,反対に曲がってしまっ たから,ますます目的地から離れてしまった。藻琴山温泉に電話して,遅くなることを知らせようと 思ったのだが,メモしておいたはずの電話番号が見つからない。そこで,持参したノートパソコンを 起動し,位置と電話番号を調べた。ここで初めて設定の誤りに気づいた。キャンプ場に遅くなると言 う電話を入れ,Uターンしてキャンプ場に向かった。


 ○ キャンプ場
 このキャンプ場には 29のオートサイト があるが,オートサイトはほぼ満杯だった。使用料金は 車1台1500円+1人300円 で2100円だった。オートキャンプサイトでは,大きなテントを,食事用と就寝用の2 張り用意した本格的なオートキャンパーが多かった。また,フリーサイトもあり,家族連れでなどで 賑わっていた。

 私たちは,車の中で寝ることを考えていたので,テントはもってこなかったが,これは 失敗だった。車の荷物室で食事をしてから,寝る場所を作るのが一苦労。また翌朝,寝床を片付ける のもたいへんな苦労だった。やはり, テントはもってきた方が良かった  この反省を生かし,次のキャンプ地洞爺湖ではテントを借りることにした。
 このキャンプ場には 温泉 があり,午後8時30分まで入れたが,先刻温泉に入ってきたばかりだったので,入らな かった。温泉には レストラン があるとパンフレットには書いてあったが,今は, 宿泊者に食事を提供するだけ になっていた。夕食は,私はビール,千枝子は, 温根湯 のコンビニで買ってきたブドウパン。
 荷物室を何とか片付け,寝る場所を作った。他の荷物がなければ,かなり広い空間なの だが,今回は,登山のときより荷物が多い。荷物を運転席や助手席に移動してやっと寝られる空間を 作り,エアーマットを広げ,シェラフを伸ばした。ナイロン綿の方を私が使い,ダウンの方を妻が使 ったが,ダウンの方は生地の肌触りが良くなく,寝心地があまり良くないという。次は交換してみる ことにした。 

5 東藻琴から清里(斜里)(8月7日(日))

 出発(7:40) - 阿寒湖(9:20-35) - 双湖台(9:55) - 摩周湖(10:55-11:30) - クッチャロ湖(12:50) - 清里着(15:10) - 日帰り温泉- 夕食

 今日は, 阿寒湖・摩周湖 を見て,清里(斜里)のユースホステルまでの予定で,時間には余裕がある。

 ゆっくりと寝ているつもりが,やはり早く目が覚めてしまう。
 朝食は,パック入りの御飯を,カップスープの素と一緒に温めて「雑炊」にした。御飯 のパック1個に対して,ワカメスープの素と卵スープの素を1袋ずつ加えたが,けっこう美味しかっ た。

 ○ 阿寒湖
 まず, 阿寒湖 に向かった。阿寒湖の 湖岸駐車場 は2時間まで600円と高い。おまけに 「まりも」 が展示してある所に行くには遊覧船に乗らなければならない。あまりにももうけ主義のや りかたに,素直に遊覧船に乗る気にもならず,船着き場をうろうろして写真を何枚か撮り車に戻った。
 湖畔の 案内看板

 雄阿寒岳 がきれいな姿を見せていた。

 阿寒湖 から 摩周湖 に行くため,国道241号を 弟子屈 に向かった。途中 双湖台 という展望台で車を停めた。 雄阿寒岳 を挟んで 阿寒湖の反対側 にある2つの湖 「ペンケトー」 「パンケトー」 が見られるところだ。

 更に少し進むと 「双岳台」 という看板が路肩に立っている場所があった。たぶん, 雄阿寒岳と雌阿寒岳 の二つが見られるところなのだと思ったが,そこには車は停められず,少し行ったところ にある駐車スペースからは,山が見えない。ここに車を停めて,看板のあるところまで歩けと言うこ とらしい。歩きたくなかったのでパス。

 ○ 摩周湖
 摩周湖 の駐車場は例によって410円。広い駐車場だが,大型バスを含め,満車に近い状態だっ た。早速展望台( 第一展望台 )に登った。


 霧に覆われることが多く,湖面が見られることが少ないと言われる 「霧の摩周湖」 だが,このときは霧など全くなく, 湖面も,摩周岳のガレた斜面も全部見えた  このようによく見えるのは珍しいことだというが,今日のようすからは俄には信じ難い。

 摩周湖の売店に,美味しそうな メロン があった。孫への土産を何にしようかと考えていたところなので,これを送ることにした。 これならば,8か月の孫も汁くらいは飲めるだろう。悪徳業者も多いと言うので用心したが,この売 店は 弟子屈町振興公社 が運営しているというので,信用することにした。
 ここで, トウモロコシ を1本と, ふかした男爵いも 2個(バター付き)を買い, 第三展望台 へ移動して,2人で分けて食べた。これが今日の昼食となった。

 ○ 屈斜路湖(アイヌ民俗資料館)
 このまま宿に行くには,あまりにも早すぎる。そこで, 屈斜路湖 へ行くことにした。湖畔に アイヌ民俗資料館 があるので,そこを見ることにした。
 再び 弟子屈 に戻り,国道243号を 屈斜路湖 に向かった。 アイヌ民俗資料館 は屈斜路湖の手前を右に入ったところにあった。観光客は少なかったが, 弟子屈町教育委員会 が作った立派な施設だった。 古いアイヌの民家を模した建物 があり,内部に入ることができた。内部には,いろりなどがあり,土産物などを販売して いた。記念に,バンダナを買った。湖畔を散策してから宿に向かった。 


 ○ 居眠り運転
 宿に向かう途中, 居眠り運転 をしてしまった。長い運転歴の中で初めての経験だった。今までも,車を運転していて眠 くなったことは度々あったが,なんとか克服してきた。本当に眠い時間は 数分から10分程度 の間である。この時間を乗り切れば,あとは眠くならない。このときも,何とか我慢して この時間を乗り切ろうとしたのだが。 一瞬,意識がとぎれた。 ハッと気づくと,センターラインをまたいで走っている。これはまずいと思い,すぐに路 肩に車を停めた。さいわい,対向車がいなかったから事故にならなかったが,極めて危険な状態だっ た。目をつむっていたのはほんの一瞬だったように思うが,眠っていたのだから,長さなど分かるは ずがない。これからは,眠くなったら,乗り切ろうとせずに休むことにした。

 ○ 清里イーハトーヴユースホステル
 今日の宿 知床ツーリスト 「清里イーハトーヴユースホステル」 には15時少し過ぎに着いた。

 (翌朝の写真)

 チェックインしたあと,時間があるので 温泉 に入りに行くことにした。宿で 「共通温泉券」 を@300円で購入し,温泉の場所を聞いた。近くには 「パパスランド」 ,少し離れて 「緑の湯」 があり,緑の湯のほうがゆっくりできるというので,緑の湯に行くことにした。「パパス ランド」は宿に来るときにその前を通ってきたところで,緑の湯はその先になる。来た道を戻る方向 に車を走らせたが,なかなか「緑の湯」は現れない。結局宿から 18km 25分 かかった。途中ではパトカーに捕まった車もいて,慎重に,速度違反をしないように走っ た。温泉は,単純泉ながら,設備もきれいで快適だった。
 宿に戻り,コインランドリーで洗濯をすませた。この宿は夕食を提供しない。その代わ り,食事のできるところへ送り迎えをしてくれる。連れていってもらったのは, 清里駅前の「ひさご」という食堂 だった。定食の他にホッケの焼き物を頼んだ。勿論ビールも。

 この宿では,サービスとして,1人に ジャガイモ10kgを無料で くれるという。ところが,ジャガイモが収穫されるのは10月で,その後に宅配便で送っ てくれるという。そのための送料が10kg1箱につき1780円かかる。2人なので2箱もらえる のだが,1箱をたのんだ,後で考えたのだが,送料が高く付いてしまった。このユースホステルは, 自動車で来る人よりバイクで来る人の方が多く,翌朝にはたくさんのバイクが並んでいた。


6 清里から知床経由釧路湿原塘路まで(8月8日(月))

 出発(7:40) - 知床五湖(8:40-9:15) - 知床峠(9:45-50) - 釧路湿原展望台(13:40-14:30) - 塘路着(15:30) - 茅沼(夕食)

 ○ 知床五湖
 初めの計画では, ウトロ から遊覧船で カムイワッカの滝 までを往復するつもりだったが,始発の船に乗るには,宿を6時には出なければならない。 少し疲れてきて,朝はゆっくりしたかったので,遊覧船は取りやめることにした。
 車で 知床五湖 まで行けば,知床の雰囲気が多少は感じられるのではないかと思い,そこまで行くことに した。

 斜里 の町を過ぎると,道はいよいよ 知床半島 にかかる。左手に オフォーツク海 が開け,その斜面を縫って道路が通じている。

 象の鼻 の断崖では,車を停めて見物した。


 知床五湖 の先, カムイワッカ湯の滝 まで車が入るのだが,一般車は入れない。知床峠の分岐点に作られた駐車場に車を置き, シャトルバス に乗り換えなければならない。自家用車はその途中の 知床五湖 まで入れるのだが,ここからシャトルバスに乗り換えることはできない。上手くできてい る。
 知床五湖 は,大小5つの湖(沼)があり,その間をハイキングコースが繋いでいる。

 五湖そのものはハイカーも多く,秘境の湖という感じはしなかった。

 この黄色い花は, ネムロコウホネ あの オゼコウホネ の母種といわれる。花の中央にある柱頭板が,オゼホウホネでは赤いが,ネムロコウホネ では黄色だ。



 ○ 知床峠
 知床峠への分岐点まで戻って, 知床峠 を目指す。走っていると正面に端正な形の山が見えてくる。頂上を尖らせた富士山のよう な形で, 知床富士 の別名も納得する 羅臼岳 だ。知床峠では一段と雄々しく美しい姿の全体を眺めることができる。

 知床峠 では, 根室海峡 を挟んで 国後島 がはっきりと見えた。多少霞んではいたが,手の届きそうな近くにしっかりと横たわって いた。こんなに近くに 日本の支配権が及ばないところ が見えるなんて,複雑な気持ちだった。


 ○ 釧路湿原へ
 羅臼町 に下り,道の駅に寄った。この後,はじめの計画では 納沙布岬 に行き,それから 釧路湿原の塘路 にいく計画だった。しかし,時間が過ぎていることで,少し無理になった。そこで納沙布 岬を諦め, 根室 の方には行かず,直接 釧路 に行くことにした。しかし,宿に直行するには時間が早すぎるので, 「釧路市湿原展望台」 に行ってから宿に向かうことにした。 釧路湿原 には展望台が何カ所もあるが,この 「釧路市湿原展望台」 がもっとも規模が大きいようである。ただ,この湿原展望台は,宿から見て湿原の反対側 にあるため,大回りをすることになる。カーナビに目的地を入れてルートを探させると, 標津 から 中標津 を通り再び(三度?) 弟子屈 へ,さらにそこから南下して 標茶 を通り 湿原展望台 へ行くルートを示した。メインルートでない道を通るのも一興かなと思い,カーナビの指 示通りに進むことにした。



 ○ 「でっかいどー北海道」
 ナビの指示に従い,細い脇道に入ると,見渡す限り 真っ直ぐな直線道路 が延びている。スピードを出したくなるのを押さえながらそのまま4〜5km走る。ナビ の指示に従って曲がると, また直線路が数km続く  こんなことの繰り返しで, 「でっかいどー・北海道」 を体感することができた。

 弟子屈の COOP のレストランで昼食にした。このレストランは,クーラーをかけずに,窓を開けていたが, 北海道といえどさすがに暑かった。

 ○ 釧路市湿原展望台
 釧路市湿原展望台 は釧路の市街地に近いところにあった。立派な建物(展望台)と2.5kmの遊歩道が整 備されている。
 遊歩道を歩いてみた。車にばかり乗っていると足腰がおかしくなる。このように時々は 車を降りて歩いた方が良い。

 遊歩道の真ん中付近にある 「サテライト展望台」 からは,湿原を上から覗くことができる。細かい植生などは分からないが,とにかく 「広い」。


 ○ とうろの宿
 釧路市展望台 から一度釧路に出て湿原を回り込むように塘路に向かった。塘路は 塘路湖 のほとりで, JR釧網本線 の駅がある。

 宿は駅近くの高台に最近建てられたドーム型の建物で, 「釧路湿原 とうろの宿」 という。僅か 6部屋 の小さな宿だが,室内もきれいで,周囲の自然にとけ込んだ素晴らしい宿だった。

 ここも,夕食は出さないので,近くのレストランを紹介してもらい食べに行った。



 塘路湖の北隣に シラルトロ沼 というのがあり,その湖畔に 「憩いの家茅沼」 という温泉施設がある。そこのレストラン 「白い鳥」 で夕食にした。車で出かけたので,ビールが飲めないのが残念だったが,とにかく,夕食 にありついた。そこで缶ビールを買ってきて,宿で飲んだ。 翌朝は早立ちとしたので,早く床につ いた。