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切 込 ・ 刈 込 湖

2007年(平成19年) 1月20日(土)


コース・タイム
 宇都宮(7:20) ⇒ 日光湯元駐車場(8:30)
  湯元(8:50) → 金精道路(9:15) → 小峠(10:15) → 刈込湖(11:05) → 切込湖(12:45) → 涸沼(12:15-軽昼食) → 山王峠(13:15) → 光徳(14:00)
 光徳温泉(14:45) ⇒(路線バス)⇒ 湯元(15:01)   湯元駐車場 ⇒ やしおの湯 ⇒ 自宅

同行者
 妻

 高気圧に覆われ,穏やかな天候が予想されたので,今年最初の雪遊びに出かけること にした。
 一昨年の同時期 に歩いた 切込刈込湖コース を,再び辿ってみることにした。 (一昨年のレポ)  一昨年は単独行だったが,今回は妻も一緒に行くというので,楽しく歩けそうだ。
 7時半少し前に宇都宮の自宅を出, 冬季割引中の日光宇都宮道路 を通って湯元を目指した。スキーやスノーボードを屋根の上に載せた車がチラホラ走っ ているだけで,道路は空いていた。 いろは坂 も明智平の近くで凍結箇所があった以外は乾いており,安心して走ることができた。 中宮祠 で極端に遅い車に着いてしまい,戦場ヶ原で追い越すまで,我慢の走りだった。それに しても,凍結道路ならやむを得ないが,乾燥している路面でも 30km/h とは。違反してまで追い越すのもしゃくに障ったので,ずっと後ろに付いていった。私 の後ろにも追いついた車が数台列を作った。
 そんなわけで, 湯元駐車場 についたのは8時半になっていた。
 車の外に出ると,やけに 暖かい。 手袋をせずに身支度を始めても,手が冷たくならない。車に付いている外気温度計を見 ると −6℃ を示していたが,信じられず,そのときは温度計が壊れたと思った。帰宅後調べてみる と, 中宮祠 で観測したその日の 最低温度は −10℃  最高温度は−0.9℃ であり, 午前8時の気温は−8℃ と言うことだったから,温度計は壊れていなかったのだ。殆ど無風状態で陽射しもあっ たため,体感温度はかなり高かった。
 早速身支度をして出発。 スノーシュー はザックに付けて, 6本爪アイゼン を履いて歩き出した。

 温泉街の東端から 源泉 の脇を通って登り始める。まず,写真の正面上部に見える 金精道路 まで登るのだが,これがかなりきつい。ペースを落としてゆっくりと登ったが,汗をか いてしまった。

 金精道路 から先の冬道は,一度 蓼ノ湖 まで下り,そこから 小峠 に登り返す。一昨年に来たときは,雪が少なく,このルートは通れなかったが,今回は しっかりとトレースができており, 安全に通れる ようだ。
 でも私たちは, 夏道 を行くことにした。夏道では, 斜面をトラバース するところが何カ所かあり, 滑落 には十分注意しなければならない。アイゼンを脱ぎ, スノーシュー を付けて歩いた。
 新しい足跡は殆ど無く,唯一あった足跡も,途中で谷底の冬道の方に向かっていって しまった。 小峠の手前の急登の前で,冬道と合流する。


 小峠の標識 が,下四分の一ほど埋まっている。 積雪40〜50cmというところか。
 一昨年の写真と比べると,今年の方が20cmほど雪が深い。ここから 刈込湖 までは, アイゼン を付けて歩いた。


 小峠 を超えて少し行くと 標識 がある。登山道はここから 右の斜面を巻くように 進んでいく。

 数十年前 ,私が学生だった頃は,ここから沢沿いに下って行くルートが正式なルートだった。大 きな岩の下を巻き,沢を渡りながら歩くコースは,私の大好きなコースだったのだが,崩壊の防止 と植生保護のために 通行禁止 になってしまった。現在,夏には入る人はいないが,積雪期にはこのルート( ドビン沢コース )を歩く人がかなりいるらしく,多くの足跡が付いていた。
 私たちは右へ進み,急な斜面を少し登ると, 林道 (今は使われてはいない)に出る。  ここは平坦で歩きやすい。トレースはしっかりと固められており,つぼ足でも潜るよ うなことはない。

 地図のA点 で林道から分かれ, 刈込湖 へ下る。
 この斜面には 木製階段 がたくさんあり,雪を被ると 滑り台 になる。ここは,スノーシューを履いていたのでは危ない。私たちは,つぼ足のかかと に力を入れ,アイゼンの刃を効かせて下った。

 刈込湖 は真っ白な平面だ。


 湖面を横切って, スノーシューの足跡 が付いていた。切込湖方向から縦断してきた人 がいたらしい。 完全凍結 すれば渡ることは可能だと言われているが,今の時点ではかなりの危険を覚悟しなけれ ばならない。
 ちなみに,この日は暖かく,私はアンダーシャツの上に夏用の速乾シャツだけで歩い た。
 刈込湖の湖畔 では,トレースもしっかりと付いており,安心して歩くことができる。

 樹の間から見た 刈込湖


 切込湖の標識 から先は,足跡が少なくなった。どうやら,ここで折り返して,湯元の方に戻るハイカ ーが多いようだ。

 でも, 本当は,ここから先が面白い。
 足元は湖に向かって傾斜しており,注意しないと湖に落ちそうで緊張させられる。 この辺りの積雪は平均で40〜50cm程度で,スノーシューならば沈み込みも少なく歩き やすい。


 小さな峠を越えて 涸沼 に入る。夏道は,山腹を巻いてベンチのある休憩所に向かうのだが, その斜面(地図のB点の先)は雪が深くトラバースが難しい  しかたなく,先行者の足跡を辿り 涸沼の底 に降りた。

 ここは,無雪期は 立ち入り禁止の場所 であり,ここから見る景色は初めて目にするものだ。


 ここのベンチで 昼食 にする予定だったが,思った以上に時間が押しているので,立ったままおむすびを食べ, 出発した。
 涸沼の底 から 山王峠 の車道まで,急な斜面を登らなければならない。夏道に沿って登っていくのだが,トレ ースが殆ど無いため 斜面のトラバースが大変 だった。傾斜のきついところが何カ所かあり,思った以上に時間がかかってしまった
 斜面の途中から 涸沼 を振り返る。

 先行していた単独行の人が,山王峠から先の夏道を行こうとして戻ってきた。 トレースが全くないという。やはり 積雪期は夏道は通らない方が良い ようだ。
 山王峠の車道から 男体山 を望む。ここから見ると山頂が平になり,きれいな 富士山型 に見える。アンテナは, ロボット雨量観測用 のアンテナ。


 峠から車道を少し下り,車道が大きく左に迂回するところ (地図のD) から次ぎのカーブ (地図のE) までショートカットした。ここは,一昨年は雪が少なく,歩くことができなかった ところだ。
 ここから先はトレースがしっかりと付いており,それに従って下ればいい。 ピンクのテープ もルートを示してくれる。
 おおよそ方向を決めて,敢えて足跡のないところを歩いた。一昨年は笹が顔を出して いたが,今回はすっかり雪で覆われ,楽しく歩くことができた。楽しく歩きすぎ,写真を撮るのを 忘れてしまった。
 山王峠から45分で 光徳牧場 に着いた。


 急いでいけば 14:10 のバスに間に合うだろうということで,妻と荷物を 光徳牧場の売店 に残し,私一人がバスに乗り,湯元に車を取りに行くことにした。
 ところが,慌てたため,車のキーを持たずにバス停に向かってしまい,気づいて戻っ たときには,バスの時間には間に合わなくなっていた。売店で一休みし,最初の予定通り 14:45 のバスで湯元に向かった。
 バス停は アストリアホテル の玄関前

 帰路は,毎度おなじみの やしおの湯 で汗を流し,温まって家路に就いた。
 真冬とは思えない穏やかな1日で,風も殆ど無く,体感温度はかなり高かった。 このコースが,ますます気に入ってしまった。特にハイカーの少ない,切込湖から涸沼 までのコースがいい。寂しいくらいに静かな場所で,どっぷりと自然に浸ることができる。

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