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燕  岳

2011年(平成23年) 11月22日(火)-23日(水/祝)


コース・タイム
11月21日(月)
 自宅(20:00) ⇒ 壬生IC ⇒ 都賀JCT ⇒ 岩舟JCT ⇒ 高崎JCT ⇒ 藤岡JCT ⇒ 更埴JCT ⇒ 豊科IC ⇒ 中房温泉登山者用駐車場(23:50-車中泊)
11月22日(火)
  駐車場(7:15) → 登山口(7:35-40) → 第1ベンチ(8:27-40) → 第2ベンチ(9:19-17) → 第3ベンチ(10:09-17) → 富士見ベンチ(11:09-29) → 合戦小屋(12:12-26) → 合戦頭(12:56:13:01) → 燕山荘(14:15-30) → 山頂(15:13-22) → 燕山荘(15:55-泊)
11月23日(水・勤労感謝の日)
  燕山荘(8:15) → 合戦頭(8:45-54) → 合戦小屋(9:07-14) → 富士見ベンチ(9:35-22) → 第3ベンチ(10:08-22) → 第2ベンチ(10:49-11:05) → 第1ベンチ(11:27-32) → 登山口(12:05) → 駐車場(12:14) 
 駐車場(12:15) ⇒ 穂高「上條」(13:13-昼食-53)  ⇒ 豊科IC(14:18) ⇒ 更埴JCT ⇒ 東部湯の丸SA(15:01-休憩-55) ⇒ 藤岡JCT ⇒ 高崎JCT ⇒ 岩舟JCT ⇒ 都賀JCT ⇒ 壬生IC(17:37) ⇒ 自宅(17:51)

同行者
 forestさん

 燕岳 山頂近くの稜線にある 燕山荘 は,11月23日の勤労感謝の日を含む週の週末で営業を終える。登山口の 中房温泉 有明荘 も,同じ時期で宿を閉じる。それに伴い,中房温泉までの道路もゲートが閉じ 冬季閉鎖 に入る。その直前をねらって 燕岳 に登った。 昨年 も同時期に登ったのだが,事情があって途中で引き返してしまった。昨年 は, forestさんご夫妻 と, 私たち夫婦 の4人で登ったのだが,今年は forestさんと私 の2人での登山になった。
 forestさんも私も 前日仕事を終えてから自宅を出て,夜中に駐車場に着いた。私は 宇都宮市 の自宅を20時に出て,午前0時少し前に駐車場に着いた。forestさんは午前1時頃に到 着した。forestさんは 富士宮市 のお宅を21時に出たというから,ほぼ同じくらいの時間がかかったことになる。
 21日は,日中に雪が降ったらしく,駐車場に停めてあった車には雪が乗っていた。

11月22日
 朝 はかなり冷え込んだ。6時,周囲が少し明るくなり始めたので,起きだしてコンロに火を 点け,即席麺を作った。正直なもので,火を点けると車内が急に暖かくなる。温かい物を食べると, 身体も目覚めてくる。身支度を調えて,出発の準備をした。


 7時15分に 駐車場 を後にした。 駐車場の入口は急斜面  凍結すると怖いが,帰りに車を乗り出すのは日中なのでその心配は要らないだろう。

 駐車場 から,登山口の 中房温泉 までは20分ほどの距離なのだが,傾斜が強く,急いで登ると,登山口に着く前に息が切 れてしまう。 登山口 には, 「燕岳」 と一緒に 「穂高」 の表示もある。そう,ここは穂高の登山口でもあるのだ。書いてきた登山計画書をポスト に入れた。

 湿った雪が笹の葉にべったりと付いている まだ凍り付いてはいないので,足が滑るようなことはない。

 約50分で 第一ベンチ forestさんが,スローペースで先導してくれたので,あまり苦しまずに登ってこれた。

 少しずつ 積雪量が増えてきた が,歩きにくいほどではない。

 合戦小屋への荷揚げに使う 索道 の下をくぐると直ぐに 第二ベンチ

 第二ベンチ   この 合戦尾根 は, 北アルプス三大急登 の一つに数えられている急登で,登山口から山頂まで標高差が 1300m ある。ちなみに,北アルプス三大急登の残りの二つは,烏帽子岳の ブナ立尾根 と鹿島槍ヶ岳の 赤岩尾根 と言われている。(諸説ある)

 積雪量 も徐々に増えてきた。

 第三ベンチ 昨年はここでアイゼンを付けた。でも今年はもう少し ノーアイゼン で登ることにした。

 ガスが出てきた。向かいの山肌がガスで隠される。

 富士見ベンチ 昨年はここで引き返した。今年はなんとか上まで行けそうだ。

 ここに 富士山 が見えるはずなのだが,今日は見えない。

 高度が上がり,ガスの上に出てきたので, 横通岳 から 前常念岳 にかけての稜線が見えてきた。

 進行方向の左奥に 燕山荘 が見えた。近くに見えるが,あそこまで行くにはあと2時間はかかる。

 真っ白な 大天井岳 が見えた。左の肩には 大天荘 の建物も見える。


 富士山 が見えてきた。なぜか富士山が見えると嬉しくなる。


 槍の穂先 も見えてきた。

 積雪 が20cmほどになった。

 富士山の左側に 八ヶ岳 のシルエットが浮かぶ。


 合戦の頭 まで来ると一気に視界が開け, 槍ヶ岳 も大きく見える。

 燕山荘 も近づいてきた。

 燕岳と北燕岳

 日陰の道は寒い。歩くと雪が キュッ,キュッ と鳴る。

 木の枝に雪が着いて 花が咲いた ようだ。正確には 霧氷 ではないのだが,霧氷と同じくらいに美しい。

 浅間山 が見えた。白煙が上がっている。右側の切り立った山は 剣ヶ峰

 積雪期は,雪崩を避けるため,トラバースを避けて, 尾根を真っ直ぐに登って 燕山荘に達する。

 槍ヶ岳から穂高に繋がる稜線

 大天井岳から常念岳に繋がる稜線

 燕山荘 受付をした後,荷物を預けて,燕岳の 山頂 を目指した。今の気温が マイナス9℃  「たくさん着込んで寒くないようにして出かけて下さい」と言う山荘スタッフの言葉通り 寒かった。

 山荘の前から見た 燕岳 ピラミッド形をした端正な姿だ。

 少し進むと, 前穂高岳 が見えてくる。

 強風のためか,山頂近くの斜面には雪が少ない。

 木杭とロープに エビのしっぽ が発達していた。風の来る方向に発達するのが面白い。

 鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳 にはたっぷりと雪が積もっているようだ。

 山頂からのパノラマ1  (北方)

 山頂からのパノラマ2  (西方)

 山頂からのパノラマ3  (南方)
 この写真 には珍しい 自然現象 が写っている。それは,中央上部に写っている太陽の両側に見られる2つの光った点だ。 それは 幻日 と言うもので,空中に浮かぶ氷晶に太陽光が反射して見られるものだ。高空に水滴が浮か んでいれば 虹になるが,氷の粒が浮かんでいれば幻日になることもある。

 有名な イルカ岩 も雪の化粧。

 山荘 に戻って部屋に入った。身体がなまっていたせいか,今日はとても疲れた。ビールを飲む 気にもならない。
 部屋に戻って着替えたり片付けものをしていると,間もなく日没の時刻だ。カメラを持 って外に出た。
 夕日に照らされて,雪面が赤く輝く


 太陽は,笠ヶ岳の右側に沈む

 槍ヶ岳がシルエットで浮かぶ

 夕食 はハンバーグだった。 生ビール をforestさんと1杯ずつ飲んだ。

 食事を終えてストーブの側で雑談をしていると,「つかさん!」と声をかけられた。顔 は憶えているのだが,名前が出てこない。言葉を交わしている内に思い出した。 2008年4月に 立山室堂に一緒に行った キレンジャク さんだ。こんな山の上で知人に会うなんて驚いた。いろいろ懐かしい話をすることができ た。
 食事で同席したのは, 軽井沢にお住まいという若いカップル  登山を始めて間もないというお二人だが,登山に前向きに取り組んでいる爽やかな姿に, 少しばかり羨ましさを感じた。このような素敵な若者に会うと,大げさだが,日本の将来も安泰だと 思うのである。
 部屋は 6人用の区画に2人。 布団と毛布はあるだけ使って良いと言われた。封筒形の寝袋は,燕山荘とMIZUNOが共同開 発したもので,夏ならばこれだけで十分だが,さすがに冬は布団や毛布がなければ寒い。
 敷布団の上に,寝袋を置き,その上に毛布を3枚乗せた。ダウンジャケットを着て潜り 込んだら,朝まで寒さ知らずで眠れた。

11月23日
 日の出は6時30分頃 と山荘のスタッフから聞いていたので,少し前に起きだした。 forestさん はよく眠っていたので,声をかけずに身支度をして外に出た。外は未だ暗い。
 東の地平線が赤く輝き,そこに富士山と八ヶ岳がシルエットで浮かん でいる。

 カメラを向けたが,暗くて良く写らない。カメラをベンチに押しつけて固定し,長時間 シャターを切ったのだが,望遠ではどうしてもぶれてしまう。  刻々と明るくなってくる。 明るくなるに伴って朝焼けの朱色は薄くなる


 薄闇に浮かぶ槍ヶ岳 は,荘厳な輝きを持つ。

 燕岳 も,明るくなるにしたがってはっきりと見えてきた。

 テント場 にはテントが一つ寂しそうに立っていた。この時期のテント泊には,十分な装備と覚悟が いる。

 太陽が顔を出してきた。


 日の出は,いつでも,何処でも感動的だ。


 太陽が顔を出すと,急に明るくなる。


 槍ヶ岳にも陽がさしてき た。

 朝食を食べ, 好天に後ろ髪を引かれながら帰途に就いた。 燕岳をバックに記念撮影

 尾根伝いの冬路 は凍結していて,アイゼンが威力を発揮する。

 合戦の頭  槍ヶ岳には雲がかかってしまってもう見えない。

 合戦小屋  昨日は閉まっていたのだが,今日は私たちの後からやってきたスタッフが開店の準備を 始めた。そう言えば昨日は平日,今日は祝日た。

 富士見ベンチ

 第三ベンチ

 第二ベンチ  ここまでアイゼンを付けてきたが,ここで外した。

 第一ベンチ

 登山口  足の痛みも出ないで,無事に降りてくることができた。

 駐車場 に着いたのは,12時15分,下山に4時間かかった。


 身支度を取り,穂高町のそば処 「上條」 に向けて出発した。いつも混んでいる上條は,今日は待ち時間無しで食べられた。 forestさん とは, 来年もまた来よう と約束してここで別れた。
 豊科ICから高速道に入った。少し疲れて眠くなったので, 東部湯の丸SA で車を停めて休憩。気づいたら1時間近く経っていた。高速道を走り繋いで,自宅には6 時少し前に着いた。
 天気にも恵まれ,体調も良く,申し分なくすばらしい山行だった。あとは,この程度の 山行に耐えられる身体を作ること,維持することが課題と感じた。
 forestさん,お世話になりました。ありがとうございました。

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