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尾 瀬 沼

2018年(平成30年) 5月4日(金)-5日(土)



コース・タイム
5月4日(金)
 自宅(5:00) ⇒ 大清水(7:00-朝食)
  大清水(8:30) → 一ノ瀬(10:00-10) → 石清水(10:45) → 三平峠(12:00) → 三平下(12:30) → 尾瀬沼ヒュッテ(13:10-泊)
5月5日(土)
  尾瀬沼ヒュッテ(7:10) → 三平下(7:45) → 三平峠(8:10) → 石清水(8:55) → 一ノ瀬(9:25-45) → 大清水(10:45)
 大清水(11:10) ⇒ かもしか村(11:20-昼食-50) ⇒ 自宅(13:50) 

同行者
 BAKUさん,HIBARIさん,ドラ吉さん,ランさん 

 残雪期の尾瀬 を訪れるのは,2004年に始まり,今年までの14年間に9回になる。そのうち, 尾瀬沼 を訪れたのが4回で,今回で5回目になる。昨年は,この時期にアヤメ平から尾瀬ヶ原を 訪れている。(⇒レポ)  今年は,リーダーの BAKUさん の提案で,一泊で 尾瀬沼 に行くことにした。今までの4回はいずれも日帰りだったのだが,今回は山小屋に一泊す ることにした。そうすれば,ゆっくりと雪と遊ぶことができる。(はずだった。)
 初めの計画では,5月2日,3日だったのだが,低気圧の通過で天気が崩れるというの で,2日ほど後にずらせて,5月4日入山,5月5日下山と言うことにした。ところが,実行日が近 づくに従って,天気予報は悪く変わってきた。

 5月4日(金)
 大清水 に8時集合と言うことで,余裕を見て5時に宇都宮市の自宅を出た。 宇都宮では小雨 だったのが, 日光道路 を日光に向かって走るうちに雨が強くなり,ワイパーが高速でフロントガラスを掃くよう になった。

 いろは坂 を登るに従って,雨に加えて霧が出てきた。 「いろは坂で霧ならば奥日光は晴れ」 という法則があるのだが,今日は霧のほかに雨も降っているので,無理だろうなと思った。


 ところが,いろは坂を登り切って, 中禅寺湖畔 までくると,雨は上がり,青空が見えてきた。すっきりとした青空ではないが,路面は乾 いてきた。


 湖畔から眺める 社山 には,まだ雲がかかっていた。


 金精道路の入り口 までやってくると, 金精山の笈吊岩 に朝日が当たって輝いているのが見えた。


 依然として雲は多く,すっきりとした天気ではない。


 金精トンネル を抜けて群馬県に入った。いつも見られた雪の壁は今年は全くない。菅沼まで降りてきて, 白根山の登山口 を覗くと,登山者のものと思われる車が7〜8台停まっていた。今年も冬道を通って山頂 を目指したいのだが,今年はもう無理だろうか。


 昨年5月2日 には真っ白に凍結していた 菅沼 も,今年は既に氷が解け,水面が見えていた。


 尾瀬大橋 を渡ると, 「尾瀬に来たんだ!」 と言う思いが深まる。


 戸倉の 鳩待分岐 には 鳩待峠駐車場満車 の表示が出ていた。


 2時間かからないで 大清水の駐車場 に着いた。気温は8℃,意外と暖かい。売店前の 第一駐車場 にはかなりの車が停まっており,空きスペースは少なかった。


 まもなく BAKUさんたち も到着した。身支度をしているとサラサラと音がして何かが降ってきた。 霰(あられ) だ。その後も,霰や雨が降ったりやんだりだったので,ザックカバーを付け,雨の用意を して出発することにした。

 私の服装は,ボトムは CWX にモンベルの インスレイションパンツ  トップは,ファイントラックの フラッドスキンメッシュシャツ ダクロン の長袖シャツ。その上にネットで見つけた中国製の UNCO&BORORジャケット を着た。今日の靴は,夏用の TECNICA  軽いので履きやすい。ザックの中に 6本刃の軽アイゼン を持ち, ストック は1本を手に持ち,1本をザックに取り付けた。


 身支度を調えて出発した。この時期はまだ シャトルバス が運行していないので, 一ノ瀬 まで歩かなければならない。道路にも山の斜面にも雪の姿は無い。


 タチツボスミレ が咲いていた。


 これは ヤマエンゴサク(山延胡索)
 「北の国から」 「優しい時間」 に続く  倉本聰 脚本による “富良野3部作” の最終章となるTVドラマ 「風のガーデン」 で,中井貴一演じる末期癌の主人公が,自分が生きた証として,停めていたキャンピング カーの周りに, エゾエンゴサク を植えるシーンがあった。主人公が亡くなり,キャンピングカーが移動された後,キャン ピングカーのあった場所に,その形を残して エゾエンゴサク が咲き乱れている場面で物語が終了する。 エゾエンゴサク は,このヤマエンゴサクの近縁種だ。


 ニリンソウ  花びらの外側が淡いピンクに染まっている。


 キクザキイチゲ  花びらの薄い青紫色が特徴。


 雨は,相変わらず 降ったり止んだり している。この倒木は,シャトルバスが動くまでに撤去しなければならない。


 一ノ瀬休憩所 は昨年営業を止めた。トイレも戸が閉じられたままだ。一ノ瀬休憩所は,大清水休憩所が 管理していたのだが,シャトルバスが走るようになって利用者が減少したために廃止したらしい。大 清水休憩所は,もとは尾瀬林業観光が経営していたが,今は後継会社の 東京パワーテクノロジー が経営している。


 バス乗り場の表示 が立った。


 ヤマネコヤナギ (バッコヤナギ)


 積雪期には斜面のトラバースになり,緊張するところだが,今年は雪が無い。


 イワナシ


 ショウジョウバカマ


 登山道に が現れた。


 冬路沢 に架けられた橋が,老朽化したため, 2016年 に架け替えられた。


 石清水 も,雪解け時期には水量が多い。


 尾根に出ると 雪の上を歩く ようになる。踏み跡を外さなければ踏み抜くことは無い。


 三平峠の看板 も完全に姿を現している。


 雪の上を歩いて 三平下 に着いた。無雪期の木道歩きよりずっと歩きやすい。


 湖畔の 「尾瀬沼山荘」 は,まだ冬ごもり中だ。したがって,無料休憩所も閉鎖中。時々雪が舞ってくる。


 尾瀬沼 も解けて水面が広がっていた。対岸の 燧ヶ岳 も,上部は雲の中だ。


 もう, 凍結した沼の上を歩くことはできない。


 この バルタン星人 のような冬芽は オオカメノキ だ。


 雪が早く解けたところには 水芭蕉 が咲いていた。この時期に 水芭蕉 が見られるとは思ってもいなかった。


 今夜の宿は 檜枝岐村営 「尾瀬沼ヒュッテ」  私は初めて泊まる。


 雪が強くなってきた。


 ひとしきり雪が降った後,雪が止み, 燧ヶ岳 が姿を現した。


 夕食は,品数も豊富で美味しく, 評判通り だった。



 5月5日(土)
 翌朝 4時50分  カメラを持って散歩に出た。昨夜降った雪が,木道の上に薄く積もっていた。


 燧ヶ岳 の頂に朝日が当たり出した。


 長蔵小屋の裏手 の湖畔に,昨年来たときに工事していた 展望デッキ が完成していた。こんなもの本当に必要なのだろうか。人工的なものはできるだけ作らな いでほしいと思うのは私だけではないと思う。


 芽を出したばかりの 水芭蕉 が寒さに震えていた。霜に遭うと包の先が凍傷になってしまう。


 燧ヶ岳 の頂が僅かにピンクに染まった。


 朝食の準備 お膳の数を数えると,昨夜の宿泊客は 20人弱 だった。


 朝食も美味しく,しっかりと頂いた。


 急ぐ旅ではないのだが,準備ができたので,7時10分には 宿を後に した。


 ヒュッテと長蔵小屋の間には,大きな機械が入り,土を掘っていた。環境省が, 新しいビジターセンター を建てるのだという。大規模に自然を破壊してまで建設することはないという意見も多い のだが,環境省は聞く耳を持たず,工事を強行している。


 風とともに 雪が吹き付けて きた。 燧ヶ岳 が霞んで見えなくなった。


 雪が止めば, 燧ヶ岳 がよく見えるようになる。水面には薄く氷が張っている。


 三平峠 を目指して雪の斜面を登る。


 また,雪が強くなってきた。 ストロボ を光らせると,こんな写真が撮れる


 三平峠 を越えて南に少し降ると,雪も止み,日が差してきた。季節が一気に進む。


 三平橋 まで降りてきた。ここまで来れば,大清水まではもう少しだ。と言っても約1時間かかる。


 無事に大清水まで降ってくることができた。
 天気は不安定だったが,真冬とは違い,十分に楽しむことができた。それにしても,こ の時期にこんなに雪が少ないのは見たことが無かった。地球温暖化の進行なのか,年々雪は少なくな っているようだ。凍結した尾瀬沼の上を歩くことなど,もうできないのだろうか。
 帰路,戸倉の「かもしか村」で昼食を食べて解散した。
 BAKUさん,HIBARIさん,ドラ吉さん,ランさん お世話になりました。気心の知れた友 人と大好きな山を歩くことができる幸せをかみしめています。またお願いします。
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