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キバナノコマノツメ
黄花駒爪
スミレ科 スミレ属

 中部以北の本州と北海道,四国,屋久島に分布し,亜高山〜高山の湿った草地や岩場, 沢沿いの林縁などに生育する多年草。
 高さは5〜20cm程,高山帯では10cm程のものが多い。
 花期は6〜8月。直径15〜20mmの黄色の花を一つ付ける。唇弁は大きく褐紫色の筋 が入り,上弁と側弁がそり返る。花柱はY字形で無毛。
 葉は2〜4cmの腎円形ないし腎心形で,柔らかく短毛があり光沢が無い。縁には波状の 鋸葉がある。
  高山帯に多く見られるスミレでは,他に  クモマスミレ  や 秋田駒ヶ岳周辺に固有の  タカネスミレ  がある。
 キバナノコマノツメは,やや湿った草地などに生えるが,クモマスミレは乾いた砂礫地 を好む。キバナノコマノツメには葉の両面にまばらに毛があるが,クモマスミレでは葉に毛が無く, 緑が濃くつやがある。
 和名にスミレが付かない,数少ないスミレの種である。和名の由来は,黄色の花で葉の 形状が馬の蹄(駒の爪)に似ていることから。



 2008.06.29 早池峰山


 2003,06,21 太郎山