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ノハナショウブ
野花菖蒲
アヤメ科 アヤメ属

 ほぼ全国に分布し,酸性の湿原や草原に生育する多年草。
 葉は50〜100cmとなり,6月の後半から7月にかけて高さ1m前後の花茎を形成し て濃紫色の美しい花を咲かせる。湿原にも生育するが,このような大形の植物は生育に栄養分を必要 とするため,湿原では周辺部の中栄養の場所に生育することが多い。湿った放牧地などにも群生して いることがあるが,有毒であるために牛馬に食べられないことによって繁茂している。
 花茎の高さは50〜80cmで,花茎の先に1個花をつける。花の色は赤紫色で,花の大 きさは10〜13cm。花びらは,外花被片3,内花被片3。外花被片上面基部中央に黄色の線状の模 様がある。網目模様はない。内花被片は直立する。
 ノハナショウブ ハナショウブ の原種であり,和名は 野花菖蒲 であって,ハナショウブができてから後にできた名前ということになる。あるいは,花の 目立たない ショウブ に対比してハナショウブと呼ばれており,園芸的に改良されていく過程で園芸品がハナシ ョウブと呼ばれ,野生種がノハナショウブと呼ばれるようになったらしい。
  近縁種   アヤメ  ヒオウギアヤメ  カキツバタ


 2007.08.07 霧ヶ峰


 2011.07.03 戦場ヶ原



 2011.07.24 小田代原