北海道ドライブ 2005  その3

 第7日(8月9日)  塘路 から襟裳岬経由 洞爺湖 まで
 第8日(8月10日)  洞爺湖 から 函館 まで
 第9日(8月11日)  函館 から青森経由 自宅まで

その1へ その2へ


7 塘路から襟裳岬経由洞爺湖まで (8月9日(火))  

 出発(3:30) - 道の駅大樹(6:00) - 休憩(6:50) - 襟裳岬(7:35-8:35) - 昭和新山(14:00-45) - 洞爺湖キャンプ場(15:20) 温泉入浴(洞爺湖温泉)





 ○ 3時30分出発
 今日の走行予定は 洞爺湖畔 まで 約500km  朝,普通の時間に出発すれば,日没頃にやっと目的地に着くような日程になるだろう。そ こで,早朝発にすることにした。4時に出るつもりだったが,早く目が覚めたので3時30分に宿を 後にした。
 まだ外は真っ暗。走っている車は殆ど無い。釧路から 白糠,音別,浦幌,豊頃 と進み, 大樹 道の駅 によって小休止  広尾 のコンビニで,朝食用に牛乳とおむすび4個を購入した。
 襟裳岬 が近づくにつれ,山が海岸に迫ってくる。お札を敷き詰めるくらいにお金がかかったとい う 「黄金海岸」  道路を落石などから守る「覆道」のそばで小休止。

 少し高いところには霧が懸かっている。


 その場所を google で見つけた



 ○ 日高昆布

 海には 昆布取りの船 がたくさん浮かんでいる。道路には,船で運んだ昆布をトラックに引き上げるための簡易 クレーンを設置した小型トラックが止まっている。ここは 「日高昆布」 の産地なのだ。海岸には,小さな石を敷き詰めた 「昆布乾し場」 がいたるところに作ってあった。ここでは,依然として 「天日干し」 を貫いている。


 ○ 襟裳岬


 7:30に 襟裳岬 に到着したが,岬一帯は霧に包まれている。
 とにかく,岬の先端まで行こうと歩き出したのだが,妻は行きたくなかったのかグズグ ズしていた。私は思わず「来たくなければ来なくていい!」と大声を出してしまった。些細なことで 腹を立てるのは,やはり疲れているのか。僅か9日間の旅行なのだから,仲良くしようと思っていた のだが,つい腹を立ててしまった。反省している。
 襟裳岬灯台 は一般公開されていないが,大型灯台だ。

 高い崖の上に建っているので, 塔の高さ は低い。



 襟裳岬 周辺は風が強く。大きな樹木は育たない。岬周辺は 草原 となり,いろいろな植物が花を付けていた。
 トカチフウロ

 タカネナデシコ

 ツリガネニンジン

 駐車場の中でコンビニで買った牛乳とおむすびを食べて朝食とした。まだ,先は長いの で,長居せずに出発した。

 ○ 苫小牧へ
 様似,浦河 と進み, 三石 「道の駅みついし」 で休憩。更に, 静内,新冠 と進み, 「道の駅 サラブレッドロード新冠」 で休憩(仮眠)。居眠り運転をしないため,休みを多く取り,眠くなったら仮眠すること にした。 門別町の富川 沙流川 を渡る。昼食場所を探していたら,回転寿司が目に入ったので,また, 回転寿司 にはいった。2人で7皿,1240円。車に乗ってばかりだったのであまり食べられなか った。
 富川 を過ぎると 日高支庁 から 胆振支庁 に入る。 鵡川町 だ。高速道路に入る前に給油しようと思っていたので,鵡川町の大きな交差点にあったス タンドに入って給油した。 単価124円で48リットル 入った。高速道は, 苫小牧東 から 日高道 沼の端西 まで通じているが,実際にはその東, 鵡川 まで伸びている。 鵡川と沼の端西の間は一般道扱いで,通行料はかからない 北海道には,このほかにも,建設途中の高速道を, 暫定的無料供用 として開放しているところがたくさんあった。これは大歓迎だ。

 ○ 昭和新山・有珠岳
 鵡川 から 日高道 に乗り 苫小牧東 道央道 に乗った。まだ時間が早いので,明日見る予定だった 昭和新山・有珠山 を見ることにした。 伊達インター で高速を降り, 昭和新山 に向かった。

 突然目の前に赤茶けた三角形にとんがった山が見えてきた。 昭和新山 だ。数十年前に見た山はこんなではなかったような記憶がある。

 帰宅してから古い写真と比較してみたら,確かに 昭和新山 は山の形が変わっていた。中腹から下に生えていた木も大きくなっており,山の雰囲気が 変わっていた。 有珠山ロープウエイ (1人往復1450円)に乗って 有珠山頂駅 まで行った。
 有珠山 は,1977年に大噴火を起こし, 洞爺湖温泉 や,付近一帯に甚大な被害を与えた。私は,修学旅行の生徒を引率し, 1977年7月6日  昭和新山を見学し, 洞爺湖温泉に宿泊 していた。その 1年1か月後の8月6日午前  有珠山が突然噴火をはじめたのだ。
 ロープウエイの山頂駅から 「火口原展望台」 まで行ってみた。火口は大きく,全容を見ることはできなかった。

 山腹の噴気口からはさかんに白煙を上げていた


 ○ グリーンステイ洞爺湖
 昭和新山 を後にし,今夜の宿泊地, 「グリーンステイ洞爺湖」 に向かった。

 このオートキャンプ場は,オートサイトが120サイト以上もある大きなもので,温泉 街から少し離れた湖岸にあり,静かなすばらしいところだ。途中のコンビニで,缶ビールと牛乳など を買い込んでキャンプ場に向かった。サイトの利用料は1サイト4000円だが,「キャンプ場どっ どこむ」の会員に登録したので,クーポン券持参で10%offの3600円。 今回はテントを借りることにした。 4人用のテント(レンタル料1500円)で,中は広く,とても快適だった。フライシー ト付きで,両側と天井がメッシュ構造のため,通気性も良く,テントの中でガスバーナーを使っても 問題なかった。 車で移動するのならば,こんなテントがあってもいい と思った。
 洞爺湖温泉 の日帰り入浴が半額の400円になる割引券があったので,テントを立ててから温泉に入 りに行った。汗を流し,さっぱりしてキャンプ場に戻った。温泉街ではシーズン中の毎日,花火を打 ち上げるという。キャンプ場でも音が聞こえたが,樹木も多く,見ることはできなかった。
 夕食は,私はビール,妻はパン。私は,アルコールを飲んだときは主食は食べない。


8 洞爺湖から函館 (8月10日(水))

 出発(8:10) - 大沼公園(10:30) - 函館海鮮市場(13:24) - 旧公会堂(14:02) - 立待岬(14:28-35) - 民宿北洋(15:20)  夕食(18:00) 函館山(21:00)- 宿(22:00)



 今日も 良い天気 だ。朝起きてから付近を散歩したが,陽射しが強くジリジリする。朝食は昨日のおむすび を使った 「雑炊」 わかめスープと卵スープを入れて,汁だくの雑炊だ。朝の内は気温も低いので,熱い雑炊 もおいしい。

 夜露で濡れていたテントも乾いてきたので,たたんでバッグに入れた。陽射しが強く, テントをたたむだけで汗だくになってしまった。チェックアウトをすませ8時少し過ぎにキャンプ場 を後にした。


 ○ 大沼公園へ
 キャンプ場から 洞爺湖インター まで戻って高速に乗るのはもったいない気がしたので,先に進み,山を越えて海岸線に出 た。海岸を少し走り 豊浦インター から高速に乗った。今日は先を急ぐ必要はないので,一般道を走っても良かったのだが, 高速の方が運転が楽なので,高速に入ることにした。 道央道 は長万部の一つ先の 国縫(くんぬい) までできていた。 この先も工事中なので,函館まで繋がるのもそんなに先のことではない だろう。 (北海道に高速道路網が必要かどうかの論議は後にして)
 大沼公園 についたのは10時20分。少し散歩して写真を撮り,車に戻った。

 駒ヶ岳 は半分から上が雲の中で,その端正な姿は見られなかった。


 ○ 函館「海鮮市場」
 函館では, 「海鮮市場」 を目指した。函館は,駐車場が少ない。やっとのことで 赤レンガ倉庫街 の隣にある「函館海鮮市場」の駐車場に停めることができた。まず,ここで昼食にすること にした。 「海鮮市場」 の中にある 「いかいか亭」 で,@1580円の 海鮮丼 のほかに, 活イカ刺身 (1000円)をたべた。活イカは,身が透き通っており,歯ごたえがいい。ゲソをお箸で 持ち上げようとしたら,吸盤でお皿に吸い付いていて,なかなか剥がれなかった。食事後,海鮮市場 見て歩き,お土産を買った。

 その後, 赤レンガ街 を散歩したが,とにかく外は暑くて,店の中に逃げ込んだ。店の中にはしゃれたものがた くさんあったが,私たちが買うようなものではなかった。
 運河を挟んで赤レンガ倉庫が並ぶ光景は,異国情緒もあり,一見の価値はある。

 車に戻り, 旧函館区公会堂 に向かった。公会堂周辺には駐車場がないので,路上駐車をして,公会堂を見た。


 ○ 立待岬
 まだ,宿に行くには早すぎるので, 立待岬 に行ってみることにした。細い一方通行の坂道をしばらく進むと,立待岬の駐車場に着い た。

 ここから見る 函館山 には海霧が懸かっており,上の方は見えない。今晩の夜景見物が心配になってきた。

 海から吹き付ける風が,函館山の斜面に沿って上昇すると,海綿から 数十メートルの高さで,一斉に霧が発生し,斜面を登っていく。 一定の高さで,後から後から霧が発生する様子は,とても不思議な光景だった。
 函館山からの夜景見物は,宿で夕食を取ってから出かける予定だ。
 函館山の反対側を見ると,海を挟んで,湯の川の温泉街が見え,函館空港に着陸しよう として高度を下げて飛ぶ飛行機も見えた。今夜の宿もその辺りにある。いよいよ宿に向かうことにし た。

 ○ 民宿「北洋」
 今日の宿は,民宿 北洋 料理が自慢の宿と言うことなので, とても楽しみだ。宿に着いたのは1番乗り。湯が沸 くのを待って入浴し,部屋でくつろいだ。部屋は狭いが角部屋で, 海が両方の窓一杯に広がっている 潮が直接懸かるのだろうか,窓は 三重窓 になっていた。窓を開けると,寒いくらいに爽やかな風が入ってくる。
 夕食はなんといっても 刺身 が新鮮で美味しかった。刺身は,盛り合わせの他に 活イカの刺身 が1人に1皿ずつ付いた。
 そのほか,カレイの煮付け,エビの焙烙焼きなど,美味しいものをお腹いっぱい食べて, ビールもたくさん飲んでから,函館山の夜景見物に出かけた。

 出かける前に,部屋の窓から函館山を見た。この頃は,まだ 函館山 の山頂が見えていた。


 ○ 函館山夜景見物
 タクシーで行くことも考えたのだが,宿の前から路線バスに乗り,駅前で 「函館山登山バス」 に乗るのがいいと薦められたので,そうすることにした。路線バスに乗ったのは8時を過 ぎており,駅前で乗り換えて函館山の山頂に着いたのは9時だった。
 山頂では,辺り一面霧に包まれ,何も見えなかった。 8時頃までは見えていたらしいが,その後霧に包まれてしまったという。待っていても回 復しそうにないので,折り返しのバスに乗って函館山を下った。
 途中まで下り,霧の下限より下がると,木立の間から町の灯が少し見えるようになる。 展望できるポイントではタクシーが止まり,客を降ろして見せていた。バスガイドは「お客を降ろす のはルール違反だ」と怒っていた。

 駅前からはタクシーで宿に戻った。宿の窓からは,イカ釣り船の漁り火が見えた。


9 函館から青森経由自宅まで

 出発(8:20) - 函館港(8:40) - 出港(9:40) - 青森港(13:20) - 下船(13:30) - 青森IC - (東北道) - 自宅(21:16)

 函館発 9時40分 のフェリーに乗るため,朝食を7時にしてもらった。朝食後すぐに宿を発ち,フェリータ ーミナルに向かった。

 ○ フェリー
 まず,一般車の駐車場に車を停め,乗船手続きをした。乗船開始は放送で案内するとい うので待っていたが,何台かの車が乗船口に並びはじめたので,私たちもその後に続いた。

 乗船口に並んでからかなり待たされたが,乗船が始まると早かった。運良く乗船口と同 じデッキの 最前列から2台目 に停めることができた。目の前には,跳ね上げた船尾のスロープがあり,この位置ならば 下船も早くなりそうだ。仙台港で乗船のときと違い, 同乗者も運転者と一緒に車で乗船する。 船会社が違い,港の構造が違えば,乗船方法もまた違うのが当然なのだろうが,面白かっ た。
 この船では 2等寝台 を取った。一応寝台の場所を確認してから, デッキ に出てしばらく外の空気に当たっていた。陽射しは強く,ジリジリするが,日陰や,日の 陰ったときは,体に当たる風が心地いい。

 そのあと,船室に戻ってベッドに横になった。1時間ほどうとうとした頃, 食堂の営業が11時30分まで という船内放送があった。ここで昼食を食べる予定だったので,妻を起こし,レストラン に向かった。レストランには客は少なかった。カツカレーを食べ,再びベッドに戻って一休みした。

 午後1時 になったので,下船の準備をしてデッキに行った。右側には 津軽半島 が見えており,正面には 青森の市街 が見えている。今日も海は穏やかだった。海がこんなに穏やかならば,船の旅も言うこと 無いのだが・・・。
 1時20分,船内放送があったので,自動車に乗り込んだ。 うっかりして,降りる階段を間違えてしまい,自分の車まで,大型トラ ックの間の狭い隙間をすり抜けて歩かなければならなかった。大きなエンジン音と振動でとても怖か った。 大型トラックはエンジンをかけたままで,運転席には運転手が乗ったままだった。たぶん, 法令では,航行中に自動車を積み込んだ荷物室には立ち入り禁止ということのようだが,この船では, あまりうるさくは無いようだ。船室には行かず,最初から,エンジンをかけたままのトラックで,仮 眠している運転手もいた。

 ○ 下船
 下船は3番目,そのまま 青森市街 へ乗り出した。船内ではGPSの電波が受信できないので,カーナビはしばらく迷走して いたが,やがて自動的に復帰した。

 高速に入る前に 青森市内で給油 した。単価126円で36.8リットル入った。これで自宅まで帰着できた。

 ○ 東北道
 先は長いので, 1時間〜1時間半おきに休憩を取ることにした。 岩手山SA で休憩した。このSAは6月に 秋田駒ヶ岳 に来たときに休んだSAだ。(そのときは下り線だったが)ここから先は「初めて」の道 ではないと思うと,少し安心する。
 仙台宮城インター までは,意外とすんなり走ることができた。ここまでは何度も来たことがあり,あと僅か だ。と安心したのだが, これから自宅までが,最も大変だった。 仙台宮城インターを過ぎる頃から周囲が暗くなり始めた。また,所々で雨が降っており, ワイパーのお世話にならなければならなくなった。

 ○ 視認力の低下
 目も疲れ, 視認力が低下してきた。 前方を見ながら,時間を確認するために視線をダッシュパネルに移す。いつもならば,す ぐに時計の場所を探し,時刻を確認するのに1秒とかからないのだが,だんだんと時間がかかるよう になってきた。まず,時計を探して視線が右往左往する。時計の場所を見つけ,数字を見るのだが, 数字の形を確認し時刻を理解するのにまた時間がかかる。実際にはそれほど長い時間ではないのだろ うが,そんな自分にいらだってくる。
 また,左右のレーンマークを見て,自分の車がレーンのどこを走っているのかを確認す るのだが,その判断に自信が無くなってくる。自分が真っ直ぐに走っているのか確信できない。だん だんに高速で走るのが怖くなってきた。メーターを見ると80km/hを示している。これでいい。 これで行こうと腹に決めた。何台もの車が追い越していくが,全く気にならない。(普通だったらと ても我慢ができないはずなのに)
 安達太良SA のレストランで夕食にした。 喜多方ラーメン を食べた。出発の日,宇都宮で食べたのが「会津っぽ(幸楽苑)」のラーメンだから,始 めと終わりをラーメンで押さえたことになる。宇都宮インターを過ぎて,やっと100km/hで走 れるようになった。
 鹿沼インター で高速を出て, さつきロード を通って自宅にたどり着いた。午後9時15分だった。青森インターから7時間余かけて 592kmを走ってきた。

諸データ
1 走行距離
 8月3日 271.9km
 8月4日 149.8km
 8月5日 261.1km
 8月6日 199.4km
 8月7日 245.9km
 8月8日 322.6km
 8月9日 529.8km
 8月10日 185.0km
 8月11日 616.1km
  計 2781.6km

2 高速道
 宇都宮⇒仙台港北 245.6km 6050円
 札幌西⇒小樽    24.3km  800円
 小樽⇒札幌西    24.3km  800円
 札幌⇒比布JCT   144.5km 3600円
 沼の端西⇒伊達   89.9km 2550円
 豊浦⇒国縫     44.9km 1300円
 青森⇒鹿沼    592.0km 11750円
   計    1165.5km 26850円

3 給油
 8月4日 苫小牧 38.0L 4750円 
 8月6日 北見  52.3L 7008円 
 8月8日 弟子屈 52.3L 6974円 
 8月9日 鵡川  48.0L 5952円 
 8月11日 青森  36.8L 4635円 
  計      227.4L 29313円 

 一般に北見や弟子屈など,奥に行くほどガソリンの価格は高くなるが,札幌や道 南では,本州と変わらない。実際には,満タンで出発し,空に近い状態で帰ってきたのだから,50 リットル,6000円ほどプラスしなければならない。