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茶 臼 岳

2017年(平成29年) 3月20日(月/祝)


コース・タイム
 自宅(6:31) ⇒ ロープウエイ駐車場(7:47-朝食)
  駐車場(8:25) → 峠の茶屋(8:53) → 中の茶屋跡(9:36-39) → 峰の茶屋(10:10-20) → 山頂(11:09-18) → 分岐(11:27) → 峰の茶屋(11:51) → 峠の茶屋(12:27) → 駐車場(12:38-昼食)
 ロープウエイ駐車場(13:14) ⇒ 自宅(15:25)

同行者
 単独

 冬型の気圧配置が崩れ,風が弱まるという予報が出たので, 那須茶臼岳 に登ることにした。 那須ロープウエイ が3月18日に運行を初め, ロープウエイ駐車場までの道路 が通れるようになった。ただ し,この時期のロープウエイは, 強風 のために欠航することが多く,なかなかダイヤ通りには動かない。ロープウエイが利用で きるようならば,ロープウエイで登り,峰の茶屋経由で降りることにした。もし,ロープウエイが欠 航していたら, 往復共に峰の茶屋経由で登る ことにした。いずれにしても,那須は風の強いところなので,峰の茶屋まで行くことさえ できないこともある。
 ロープウエイの始発が9:00なので,一応それに間に合うように6:30に宇都宮の 自宅を出た。高速道経由で行くと,8:00頃にはロープウエイの駐車場に着くから,車の中で朝食 を摂り,準備をしても十分に間に合う時間だ。
 那須IC で高速を降り,那須街道を北上すると,正面に雪を被った 那須連山 が見えてくる。雲がかかっていて,全体は見えない。


 湯本温泉 を過ぎて山道になると,路肩に雪が残っているが,路面には雪はない。


 那須ロープウエイ山麓駅の駐車場 に着いた。
 駐車場は除雪がされており,その一角に車を停めた。ロープウエイの駅に行き,駅員に 運行状況について聞いてみたところ,強風のために,運行開始がいつになるかは判らないという。昨 日も一昨日も運行開始は午後になったという。


 ロープウエイの利用は諦め, 歩いて往復する ことにした。
 身支度を調えていると,屈強な男性が登山道を降りてきたので,上の様子を聞いてみた。 風が強く 山頂に行くのを断念し,峰の茶屋で引き返してきたという。この駐車場でも風は強く,中 の茶屋跡から先のむき出しの登山道では,さらに強い風が吹いていることが考えられる。
 今日は, 山頂まで行くのは無理だろう と判断し, 峰の茶屋 で引き返すことにして,車に積んできた ヘルメット ピッケル は車に置いていくことにした。
 今日の服装は,ボトムは CWX にモンベルの インスレイションパンツ  トップは,ファイントラックの フラッドスキンメッシュシャツ にモンベルの クリマブロックロッシュジャケット  その上にラテラの DUALUXジャケット を着た。頭にはニット帽を被った。靴は,夏用の TECNICA ACONCAGUA を履き, 軽合金製の14本爪アイゼン ストック を手に持ってスタートした。
 駐車場から閉鎖中の車道を横切り土手を上って山道に入る。


 ロープウエイ山頂駅 が見える。雲の動きが速く,風が強いことを示している。


 今日の アイゼン は,ネットで見つけた中国製の 軽合金製  軽いのが取り柄だが,靴との相性が悪く,踵が浮き上がって ずれて しまう。靴を保持する部分を改造して幾分良くなったのだが,今回も歩いているうちに踵 が浮き上がってずれてしまった。細いひもで,踵が浮き上がらないように固定して歩いた。


 踵が浮き上がってしまうのは,どうやら アイゼン のせいではなく, に原因があったようだ。今日の靴は, 夏用の靴 なので靴底が柔らかくできており歩きやすいのだが,踵を上げたときに 靴底 が反ってアイゼンから離れて浮き上がってしまうようだ。帰宅したら,そのことを踏まえ てなんとか方策を考えないと。

 峠の茶屋駐車場 には当然のことながら車は停まっていない。たくさんの足跡が付いている。登山者が多い 証拠だ。


 駐車場の正面には 朝日岳 がどっしりと腰を下ろしている。


 登山指導センターの脇を通って登山道に入ると,中程まで雪に埋まった 鳥居 がある。無雪期にはこの鳥居をくぐるのだが,今日は無理だった。鳥居を過ぎてから振り 返って撮影。


 鳥居を過ぎた後,夏道は右にトラバース気味に登っていって尾根に出るのだが,今日は, 正面の 雪の壁を直登 して尾根の上に出た。暑くなったのでラテラの DUALUXジャケット を脱いで,薄い ウインドブレーカー を着た。この後は今日一日このスタイルだった。


 左側の沢に沿って登っていくと, 茶臼岳 の双耳峰が見える。


 朝日岳 の荒々しい岩壁が雪をたっぷりと着けている。


 トレースは 良く踏み固められ ,足が潜るようなことはない。表面がクラストしているのでアイゼンの歯が気持ちよく食 い込む。


 右側には, 剣が峰と朝日岳の鞍部 恵比寿大黒 が見える。


 ここは,かつて 中の茶屋 という休憩所があったということから 中の茶屋跡園地 という。ここは,風が強く日当たりも良いので雪が残っていない。


 正面の鞍部に 「峰の茶屋」 が見える。正しくは 「峰の茶屋跡避難小屋」 という。ここは,風の強い茶臼岳周辺でも特に風が強いところで,時折,身体を持って行 かれそうな強い風が吹く。風の様子を見ながら先に進んだ。


 峰の茶屋 の手前に 大きな雪渓 がある。峰の茶屋に行かずに,この雪渓を登って山頂への道に合流することもできる。


 朝日岳 も西面は風当たりが強く,雪があまり付いていない。峰の茶屋から 朝日岳 に行くには,手前の 剣が峰 を越えなければならない。夏季には右から巻いて行くのだが,積雪期には雪崩の危険があ り巻き道は通れない。そこで,積雪期に朝日岳に行くには 剣が峰を越えていく ことになる。反対に,無雪期には岩が浮いて危険なため,剣が峰を越えることはできない。


 峰の茶屋 の風影に腰を下ろし, 茶臼岳 の山頂方向を見上げた。さて,この先どうしようか考えた。風は徐々に弱まりつつある。 身体を持って行かれるような風はしばらく吹いていない。山頂まで行くことを考えていなかったので, ピッケルとヘルメットは車に置いてきてしまった。ヘルメットもピッケルもあれば理想的だが, 今日のような条件ならば無くても大きな問題ではない と考えて山頂を目指すことにした。


 風が強いためか, 積雪は殆どない。


 登山道にも 雪は殆どない。


 ミミズクの耳 も直下から見上げるとあまり目立たない。


 山頂直下の大雪渓  登山道最大の雪渓も雪が締まっていて歩きやすい。


 鉄杭に エビノシッポ が発達していた。いつも不思議に思うのだが,しっぽが 風上の方 に伸びていく。


 山頂の鳥居 奥に小祠が見える。


 山頂記念


 大倉山 から 流石山 ,奥に 三倉山


 噴火口を一周 してから下山した。雪解け時にはここに水が溜まり 「釜沼」 になる。


 大雪渓を降る   アイゼンが効くので安心して降ることができる。


 峰の茶屋 を見下ろす地点まで下って来た。


 雪渓を横断して 下山 にかかった。


 朝日岳を目指すのか, 剣が峰を登る人 が見えた。間もなく正午だ。これから朝日岳に登るのだとすると時間的に少し遅いと思う のだが。


 鳥居まで下って来た。


 ロープウエイ も運行を始めていた。

 駐車場 まで戻ってきた。


 大丸から峠の茶屋までの道路は 12月から4月までは冬期閉鎖 になる。この時期に 茶臼岳 に登るには, 大丸 に車を置いてそこから歩かなければならない。 2004年2月 に登ったとき(レポ)には 大丸から歩いた。 2015年4月 に登ったとき(レポ)には, 冬期閉鎖が解除された後だったので峠の茶屋まで車で行くことができた。
 茶臼岳 に登るとき,クリアしなければならない問題がもう一つある。それは風だ。 峰の茶屋 付近は強風が吹くことで有名だ。地形的な構造から,西から吹く風が集まって峠を越える ために強い風になる。強風が吹くのは冬だけではない。私も,峠の茶屋に行くことさえできずに途中 で引き返したことが幾度かあった。そんな状況の中でも,今日は徐々に強風も収まり,山頂まで行く ことができた。大満足の一日だった。
 帰路は,急ぐ事もないので,下道を通って自宅に戻った。
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