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水晶岳・雲ノ平 3
2009年(平成21年) 7月21日(月)-25日(土)
第3日 7月23日(木) 黒部五郎小舎〜水晶小屋

第2日 太郎平〜黒部五郎小舎 へ
第4日 水晶小屋〜太郎平 へ

○ 第3日 7月23日(木)


コース・タイム  (休憩を含んで)
 黒部五郎小舎(5:45) → 三俣蓮華岳(6:05-30) → 三俣山荘(9:15-35) → 鷲羽岳(11:20-昼食-12:00) → ワリモ岳(12:35) → ワリモ北分岐(12:55-13:05) → 水晶小屋(13:50-55) → 水晶岳(14:30-55) → 水晶小屋(15:35-泊)

 朝食 4時30分  早い人は3時半頃からごそごそ始まったが,マナーは心得ており,必要以上の物音や 話し声は無かった。 今日は長い一日となるので,朝食はしっかりと食べた。

 コバイケイソウ の向こうに,昨日はガスに隠れ勝ちだった 笠ヶ岳 と,そこから抜戸岳に繋がる稜線がはっきりと見えた。

 昨日越えてきた 黒部五郎岳 が朝日を受けて輝いている。

 右に目を移せば, 薬師岳 が,これも頂上まですっきりと見える。今日はこの3日間で最高の天気だ。

 小屋の裏手 からすぐに急な登りが始まる。 キヌガサソウ の群落が出迎えてくれた。今日は, 三俣蓮華岳まで450m ,少しくだって, 鷲羽岳まで400m を登る。今回の縦走では,累積高度差が最も大きい。先を急がず,ゆっくりとしたペー スで登る。

 高度が上がってくると, 黒部五郎岳と五郎カール の全体が見えてくる。

 黒部五郎岳 から 薬師岳  (写真をクリックすると大きな写真が見られます。)

 笠ヶ岳 が大きくなった。


 傾斜はあるのだが,開けた 気持ちのいい道 だ。


 山頂を通らずに 三俣山荘 へ直行する 巻き道の分岐  こんな良い天気に,頂上をパスする理由はない。私たちは,右側の 山頂への道 を進んだ。


 左に目をやると, 赤牛岳 の左肩に 立山 が,そしてその左に 劔岳 がはっきりと見えた。思わず ウワァー と言った後,しばらくは言葉が出なかった。


 三俣蓮華岳の山頂 が見えてきた。山頂にはたくさんの登山者が見える。

 山頂到着  山頂での 記念写真 (今回,二人で写っている写真は少ない) 

 山頂 に飛び出した途端,目の前に大パノラマが広がった。どこから見ても見紛うことのない 槍ヶ岳の尖塔 を中央に,左にのこぎりの歯のような 北鎌尾根 ,右に 穂高連峰 が,どんなワイドスクリーンでもはみ出すだろう角度で広がっていた。
 (写真をクリックすると大きな写真が見られます。)

 更にその左には大天井岳から 常念岳に至る稜線が 

 黒部五郎岳から薬師岳,立山 (写真をクリックすると大きな写真が見られます。)


 これから進む, 鷲羽岳 と左奥の ワリモ岳 。手前の鞍部には 三俣山荘 も見える。


 山頂からは,雪渓を避けた 春道 を下った。ここにも キバナシャクナゲ

 三俣山荘 には,衛星回線を利用した 公衆電話 がある。ここで自宅に電話を入れ,予定通り進行していることを伝えた。少し休憩した 後, 鷲羽岳 に向かった。
 荷揚げのヘリ がやってきた。


 鷲羽岳 の登りで振り返って 三俣蓮華岳


 クモマスミレ 


 ミヤマキンバイ


 イワウメ


 急な斜面をゆっくり登って, 鷲羽岳山頂  槍ヶ岳 は,すでにガスの中に姿を隠した。 北鎌尾根 がかろうじて見えた。


 山頂の南東眼下に 鷲羽池 が見えた。


 これから目指す 水晶岳方面


 水晶岳 に向かう。

 イワベンケイ


 イワツメクサ

 ワリモ岳 のピークは尖った岩の上なので,巻き道の途中に 頂上標識 がある。

 シコタンソウ


 鷲羽岳を振り返る。

 ウメハタザオ  ハタザオの仲間は多いが,これは多分ウメハタザオ


 タカネヤハズハハコ


 ハクサンチドリ


 イワオウギ


 ミヤマオダマキ

 ミヤマクワガタ



 チョウノスケソウ


 タカネツメクサ


 午後2時前に 水晶小屋 に着いた。疲れてはいたが,明日の天気は分からないので,荷物を預け,このまま 山頂 へ行くことにした。


 ツガザクラ


 タカネシオガマ


 途中から, 雲ノ平 が見下ろせる。木道が続いているのが分かる。

 北アルプス最深部の 水晶岳 今回の縦走の最高峰


 水晶岳から赤牛岳 に続く縦走路 

 野口五郎岳


 鷲羽岳,三俣蓮華岳 が見える。 (写真をクリックすると大きな写真が見られます。)


 水晶小屋  小屋に着くまで,この小屋に関する印象はあまり良いものではなかった。出発前,ネッ トで 見たいろいろなレポには, 狭い いつもギューギュー詰め と,良い印象は書いてなかった。定員30人という小さな小屋なので,いつも混雑して いるらしかったが,この日は 宿泊客約20人 ということで,ゆったりだった。小屋も新しく,清潔で, スタッフの応対も良く  この小屋が好きになってしまった。
 夕食はカレー  カレーも御飯もおかわり自由。


 夕食後,外のベンチで懇談していると,高校生くらいの少年が, 野口五郎岳 方面に,走って降りていこうとする。辺りが暗くなりかけたこの時刻に,出かけるのは 尋常ではない。誰かが, 「今からどこへ行くの?」 と声をかけるた。すると,何のため らいもなく 「高瀬ダム,日帰り!日帰り!」 と言って走っていってしまった。そこにいた私たちは一瞬耳を疑った。ここから 高瀬ダム までは,あの ブナ立尾根 の下りを含め,標準タイム で 9時間半 。正気の沙汰とは思えなかった。このまま見過ごしてはいけない気がして,小屋のスタ ッフに声をかけた。小屋の若い主人もすぐに出てきたが,どうしようもないという。このような人 は時々いるらしい。
 最近, 山岳マラソン とか, 長距離日帰り を競う人が増えているらしい。私たちのような 「山歩き」 とは異なった山の楽しみ方だが,事故がないかチョット心配だ。

 今日は 行動時間10時間 で,かなり疲れた。でも,好天に恵まれ「満足!満足!」の一日だった。
 布団に入ったのだが,隣の人のいびきがうるさく,なかなか眠れない。今回, 睡眠導入剤 を持ってきたのだが,その効果はほとんどなかった。

 第2日 太郎平〜黒部五郎小舎 へ
 第4日 水晶小屋〜太郎平 へ